外伝忌幻:Another・under・World〜fantasy・apparition〜
現となった世界で夢を見ていた。幽霊に触れて思いを見る力が私に宿ってから幽霊を視認し幽霊による霊障が強く受ける
遠い親戚にダムにより水没した村の子孫と聞かされて、力もその村の神による呪いと言われ続けた。初めの頃は信用も信じてなもなかった
ただ、雨の日に事故にあい、生死の境をさ迷って意識が虚ろとなった上に原因不明の心臓病になり入院を余儀なくされる程に体が弱り、心が弱くなる
そして、私の前で私の首に手をかけて締めようとする幽霊。触れてるのか幽霊の思いが私の中へと流れる
それを続けていくうちに私の髪は黒かったのに白く染まり初めて瞳も薄黒く虚ろな目に
霊障の影響を受け続けて体もろくに動かせない程に弱くなる。歩くのに不便は無い……けど、腕を動かすのがぎごちなくなり、首筋にも紋様……幽霊によって傷を付けられた跡が残る
私を殺そうとした幽霊は私に取り憑き、私の命を使って私が見る幽霊を見て、幽霊を殺していく
それも……私の体を使って。私のぎごちない腕を使って幽霊を殺す。もう涙も出ないし、人間のとしての心も擦り切れ、全てがどうでも良くなっていた
幽霊にほぼ乗っ取られた私だった
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スカート何て履かない。と言うよりも動きやすさ重視にパンツスタイルに幽霊の趣向なのかへそ出し肩出しのシャツ、見える肌は幽霊による攻撃と支配……呪いによる紋様が刻まれていて、隠す様に着物の羽織を着ている。ほぼ白く染った髪を纏めて結んでいる
幽霊による思考も流れてるせいで、それ自体否定しなくなっていた
その幽霊は姿こそは女性でどす黒く恨みが強い悪霊。だけど、私を首締めるまででその後は私に取り憑き、私の体で幽霊を殺す悪霊に
その悪霊の趣向の姿としてなってるだけでどうでも良かった
その悪霊の行動を利用した幽霊をどうにかする仕事を。心霊現象等を専門にする霊媒師の真似事をしていた
「満足した?」
私は馬乗りになって幽霊をひたすらに殴っていた。ただ、それは私が悪霊に支配権を奪われ殺す為に乗っ取られてる状態
口元を拭い
『少し……お腹空いたから食べる』
彼女……悪霊がそう言うと私の口を開けて幽霊を私の口を介して食す
吐き気はしていたが今は慣れ、彼女の空腹を満たす為に受け入れていた
「なら返してもらう」
主導権を奪い返してから口元を拭ってから、手袋をして森の道を見ていた
森林付近の建物に現れる幽霊の依頼……まぁ、結果として恨みによる悪霊で、私の悪霊により無理矢理成仏させた状態
死ぬ事で無理矢理してるために、同業他者からは私を死者とも言われていた
この日もそれで終わると思ったのに、水溜まりに映る私の瞳が赤くなると主導権を奪われ警戒していた
この悪霊がそこまで……
『面白くなってきた……見つけた……ようやく……』
そう言うと目線の先には朧気な黒い何かが私を見ていた。それが消えると興味を無くしたのか支配権が戻って体が重く感じた
そのまま頭を抱えて帰ることにした。私に取り憑く幽霊……悪霊の事を知らないといけないと思ったから
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私が入院していた病院……と言っても廃業し廃墟となった病院へと足を踏み入れていた
何故廃業したのか……調べても分からない。ただ、幸いな事に中はそのままで、そのままそっくり、人間だけが逃げたような感じだった
カルテとかも散乱していて、誰か来ては荒らしての感じ。普通の廃墟探索の様な感じ
場所もボロボロだけど……私の記憶通りの場所へと向かう時は道はしっかりしていた
やがて……入院していた病室の前に。古くなり如何にもな水と苔の生えた扉を引いた
病室は湿気っていて、窓は空いていて、カーテンは濡れた状態のボロボロ。ベットに至っては腐っていた
そのまま向かって見るが何も無い……訳じゃなく、真新しい紙が置かれてる
周囲を見ても何も無く、明らかにおかしい異質の紙の中身を開けると……
『ここに来るべきじゃない』
そう書かれていた。首を傾げながらも考えたけど……それでも分からなかった
だから行こうとしたら、開けていたはずの扉が勢い良く閉まると部屋が軋み始めた
流石に目を伏せて
「殺す気なのね……」
ゆっくりと目を開けると私を担当していた医者が居た。血塗れで腕もちぎれ……変わり果てた姿。私はそれを見て
「誰にやられた?。違う……この病院がこうなった原因は私?」
伸びる手が私の目前で止まると震えて何かを我慢してる感じがして、やがて消えると扉がゆっくりと開き、軋む音も無くなっていた
そのまま出ると悲しげな医者が私の居た場所を見て俯いていた。私は鞄からお酒を置くと医者はそれを見てからまた消えていく
流石にこれで成仏するとは思えないし、何よりもあの医者が原因なのは分かった
問題はそうなった原因が分からない事。私が関係するのかさえ分からないのが現状
私に取り憑く霊も分からないが……全ての原因がそれなら……厄介になりそう
そのままナースステーションに行くとこれまた散乱していて、一つずつ調べていく
そのまま、カルテとか保管してる場所へと来て私を含めた残ってる全てを見て
「……水没した村か」
私の祖先が居たとされる場所……
そんな場所が記された地図が挟み込まれていて、患者の写真を見ると……私だった。それとは別の私よりも前の患者……私に取り憑く霊に似た人が落ちてきて広いあげた
そのままカルテを手にして、今度は医院長室へと向かう。何も無い……と言うよりか、私に取り憑く幽霊が危険なのか何も起きてない
何も無く着き扉を開くと唖然した。その部屋そのものが崩れ落ちていて、その先は森林が広がっていた。それも……廃村が見える形で
流石に、水没した筈の村は見えないはず。なのに……今見えてるのは普通の廃村……
そう思いたいのに……それが認識出来ないでいた
足元に落ちてる紙を見ると
『年に一回の放流後に現す消えた村』
そう書かれていた。ただ、それだけならいいけど……今の現状では有り得ないのは分かりきってる
だから……私は目を伏せて
「夢……」
そう呟き目を開けるが変わらない。ダムとなる場所も見当たらずに……これが何なのか分からない
分かるのは……これが幻影とかではなく霊障に近い何かだと言うことだけ
周囲を見てから深く息を吸って下を見てから、暫く考えてから向かう事にした
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森の中……廃病院から出て暫く歩くが……至って変わりのない風景。外で見えたのが幻影じゃなければ……とっくに着いてもおかしくない場所……
だけど、ひたすら歩く。水が足にかかり下を見ると僅かに浸水してる感じ。道がとかじゃなく……
全体的に水溜まりの上を歩く感じで、そして、雨も降り出していた
水が幽霊にとっての命なら……私は……
そう考えながらも歩くと足首まで浸水していた。そして、目線の先は村の入口でその先は廃墟となってる家が並んでる
ダムとかでは無く……本当に理由も分からないほどに湿気っていて湿度も高い程に
草木は常に水で滴っていて腐るどころか色味が深い。その先に行こうとしたら体が動かなくなり、幽霊……取り憑く幽霊が私を止める
あんなにも攻撃的なのに、それじゃなく引き止める。それも私が死なれては困る、そんな感情が私の体を引き止めていた
でも……
「悪いけど……君の為でも……私の為でもある。だから行くね」
無理矢理中へと入ると景色が広がり廃墟同然だった村が一気に再生して活気のあるかつての村へと変貌していた
一歩進む事に時が進む感じがして、それぞれの思い出が流れて……やがて神社へと。古びてもう水の湿気により腐敗が進み崩れ落ちそうな神社が目の前へと
胸を抑えながらゆっくりと手を伸ばすと私の腕を掴むように黒い……あの時の霊が出てきて、引っ込めようにも抜け出せずにいた
その時に体が動いて黒い霊を引き寄せて地面へと叩き付けて睨みつける。それが何なのか認識は出来ない……が、私に取り憑く霊は認識してるのか
怒りと同時に憎しみが溢れてくる。そのまま手を伸ばそうとすると月の光が周囲を照らしていく
そこには……
「えっ……」
後ろへと下がってしまう
私の認識が……有り得ない……だって……だって……
『……』
私に取り憑く霊は私を悲しげで見ていた。取り憑く霊は私の前からようやく姿を
私は混乱してその場で座り込む。だって……だって……
違う……
有り得ない……
私は……違う……そうじゃない……
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う
私は……生きてる!
生きて生きてる!
なのに……何で……
目の前の2体の霊は私の姿をしてる……?
それに……
私は……
私は…………
「そうか……そうだった……」
私は首を絞められる。それが私の幻想だと信じたかった……だけど……
廃病院とこの場所でようやく理解した……
私はとっくの昔に……
「死んでた……」
あの村は私が生きていた時に存在していた村……ダムが作られるよりも少し前の……
私が見てきたのは……私が幽霊に取り憑かれたのではなく……幽霊として影響を受けてその幽霊として私は……
あの病院が廃業したのは……私が殺してしまったのだから……
私が全て壊して……私が全てを終わらせてしまったのだから……
だから……主治医はボロボロで悲しげに私を見て、私のベットを見ていた……
あの幽霊は……私の首を絞めた幽霊は私自身……私が生きたくないと願って私を私で終わらせた……
この幽霊だって……私が生きたいと願ってしまったから私を終わらせる為に……
全て……全て……私自身で勝手に起こしていた自業自得……
私は乾いた笑みをと涙を流してその場へ崩れ落ちる。そして轟音と共にその方向を見ると目の前まで水が迫り……
水の弾く音と共に飲み込まれ沈んでいく
能力なんて初めから無かった……だって……幽霊に意思疎通が出来……その望みだって全て私が幽霊だから分かってしまうのだから
だから……冷たい水の中でずっと私は待っていた……底で誰かに見つけてもらう為に……私は深い暗い冷たい水の底でずっとずっと……ずっと……
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ダムの水位調整時……沈んだ村の真ん中付近で白骨化した遺体を見つけた
それは……近くの廃業した病院から行方不明となった患者と推測され、司法解剖の結果……僅かの組織片と白骨ぐあいの進行から断定された
村を沈めたダムが引き起こした怨念として心霊スポットとなり……この遺体は今は安置され供養された
現在はダム建設の負の遺産となってしまった村として有名となり、心霊スポットへと訪れた人は最初に黙祷する暗黙の了解となり、数十年越しの発見された少女への供養とされた
そして、その黙祷を破ると呪い殺される。そう噂となってしまった
「ねぇ、本当に良いの……?」
「問題無いし、迷信だろ?」
「だからって……ねぇ……あれ何?」
「は?」
これを破った人は……
「なぁ、知ってるか?。また死者が出たそうだ……今度は若いカップルの死体だとよ」
呪い殺される呪縛される事になる
『これは外伝であり本編とは関係ありませんが……
あの能力がこの存在によって勝手に作られたモノ、もしそれが生者ではなく死者の思い込みにより生まれたのなら……違った結末が見えるのかなと。そう思いました
病気として出してる能力が実はただの思い込みにより、死者さえも誤認させる程のプラシーボ効果が起きたのなら……この結果へと繋がるのだろうか……』
『本編はプラシーボ効果などでは無いのでご安心ください。それと引き続き、『Another・under・World』シリーズ本編をお楽しみに』
『これにて、『水に関するホラー』は終わります。次からは多分本編を進めて行きます』