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東方恵愛録~The Romantic Feelings Back.

序章の発端、そしてノート

作者: 祟州 龍毬

6月12日


もし神様がいるなら教えてください。この苦痛に耐えることに意味があるのでしょうか。信じられぬものを信じることに意味があるのでしょうか。どう猛なもうじゅうに襲われて戻れない。もっともっと愛されたかったのに、なぜこの人生はここまで失敗をしてしまったのだろう。今日はあいつはどこ行ったんだろうな。多分、父と同じで別の奴と遊んでるのかな。今日もごはんはもちろん作ってくれない。隠れて買ってきたカップ麺を食べるのももう終わりにしたい。温かい手作りが食べたい。食材だけでも残しておいてほしい。絶対に残さない。そういうところだけしっかりしてる。もし父がいまいるならどうなっていたのだろうか。たぶん、ろくでもないから変わらないか。でもたまに帰って来て救ってくれるという妄想をしてしまう。学校のことも解決してくれるんじゃないかって。あいつらを何とかしてくれないかって。あいつら全員うざい。嫌いとかじゃなくてうざい。救いの手に見せかけてからかわれるのが一番苦しい。先生はけんちょに暴力をふるうから更にうざい。その内体育倉庫に閉じ込められたりするかもな。そうなっても誰も心配してくれないし、探してくれない。救う神がいるなら今すぐに現れないのはなぜ?現れないということはいないということ。この日常を変えることはできない。


6月13日


理解がおいつかない。誰?ただ、恐怖が襲ってくる。分からないことが怖い。なにを目的として追ってきたのか。でも、もしかしたら光になってくれるかもしれない。そんな幻想をちょっとでも信じてみたくなってしまう。もしかしたら幻想の最高神じゃないか。そうだと思ってしまうから。


6月14日


なんで……なんで……なんで気づいたんだ?いつ見ていた?どこで見ていた?誰も知らないと思っていたのに、どうして?あぁ、単純にうれしい。今までの苦痛に意味があったのかもしれない。やっと……


6月15日


今日もあの人と一緒に帰った。昨日はうれしいと思っていたけど、だんだんと不安になってきた。優しさの裏にはなにかあるのではいか。優しさのナイフでそのうち切り裂かれてしまうのではないか。そう思うと更に逃れられない気がしてきた。その日はいつくるんだ。いつ俺は殺されるのか。教えてよ!変な優しさを止めてよ。


(中略)


6月20日


逃げるってなに?待っててって何?あの少し不気味な笑い声は何?いやだ。なにかされるのか?殺されるのか?死は救済だと言うのか?あぁ、でも事実かもな……。死にたかった面もあるかもしれない。でも、生きがいがあるわけではないのに生へのしゅうちゃくだけはいっちょ前だから踏みだせないけど。あの笑みを信じていいのだろうか?本当にあの笑みは天国へのいざないなのか?地獄へと連れて行くのではないか?それとも異世界へと連れていかれる?なにが正しい?なにが目的?なぜ俺を救う?俺を救うメリットは?わからない。どうすればいいのだろう。明日、学校に行かない方がいいのかな。何かが起こる気はする。それが良い方になるのか悪い方になるのか……。けど、やっぱりあの人を信じてみたくなるのはなんでなんだろう。完全に善意の塊に見えてしまうのはなぜだろう。熊のような凶暴さは見えない。明るいけど、原宿女子のようなギャルではない。優しいのかな。もらったことないから分かんないや。

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