89 その結末をだれも望んではいない⑯
ようやく解決?なのか?
「亮、はじめ・・・・いつになったら、戻ってくるの!すぐ戻るって言うから、許可したのよ!!」
「あ、その・・・ほら、先生の呼び出しだからさ・・・」
「うん、うん。」
二人ともしかたない感をがんばって匂わせたが・・・。
「はん、どうせ、彼女とイチャイチャしてただけでしょ!さあ、」
「まどか、明日にしよう?ね、ね、ね、」
さすがに空気を読んでたんだろう。柳川さんは、何とか五十鈴閣下をなだめようとする。でも・・・五十鈴は・・・・そんなタマじゃない・・・。
「はぁ~?!こいつらが何とかしないから、生徒会がやんなきゃだめでしょ!!」
「あぁ、五十鈴さん、一応私たち教員側の事なので、今日はこちらを優先してくれる?」
「え、じゃあ、登校拒否の佐藤君を何とかしてくれんですね?」
「ええ、そのために、動いてるのよ」
「あー・・五十鈴君。仕事熱心でー、いいんだけどもー、われわれー教員を信頼して、もらえんかねー・・・」
大下先生も珍しくやる気を見せているなぁ。
「そうですか・・・・」
そう聞いて、ほっとしたのも束の間だった。
「では、私たち、生徒会もお力添えをします!」
『は?』
僕たちは唖然とした・・・。
「ちょっと、まどか、だめだって。あとは任せましょう!」
「何言ってるの!あいつの事なんだよ。関係なくないじゃない。選挙戦のこと忘れたの?あいつにさんざん弄ばれて・・・。しかも、秘密をにぎ」
「わあああああああああああああああー」
と柳川さんは、五十鈴の五十鈴の口を塞いだが・・・。
僕と、かなと、るみは、目が点になった。
もう、後の祭りだ・・・・。
「・・・・も、弄んだ・・・」
大下先生が真剣な眼差しに変わった。
「いまのは・・・聞き捨てなりませんな。まさか、五十鈴くん、きみも、佐藤登に・・・・」
「え、きみ、も?も?」
大下先生の豹変に戸惑いながらも、五十鈴会長は、疑問を呈した。
「五十鈴さんも、隣で話を聞いた方がいいかしら・・ね、保健室の先生も呼んだ方がいい?」
深刻な顔をした御厨先生は、まどかに近づいていく。
「えっと、先生方、なんの話を?・・・・わたしたちは・・・その、生徒会を始めたいだけで・・・」
困惑をさらに深めていく柳川さん。
「・・・登が、とんでもない下衆な方法で、かなをものにしてたって・・・そして、いま、五十鈴さんも・・・登に乱暴されたのか・・・・って」
と、洋子が大雑把にまとめる。
「はーん・・・・」
柳川さんが妙に得心している。
「へぇー、かなに手をだしたんだ・・・女を見る目がないわね。佐藤登は。」
とかなを見下す五十鈴閣下。
「はあ、ちょっと待ってよ。かなはいい女よ。あんたよりはずっと。」
洋子がさっそく、かみついた。選挙戦で負けたことを根に持ってるんだろう
「あら、胸だけの女でしょ。わたし、こうゆう腹黒い女、嫌いなの。」
すごいね。去年からかなの正体、見抜いてたんだ。それで、去年、あたりが強かったんだ・・・。
「ないより、いいでしょ!この、絶壁が~!!」
「はあ、性悪より、ましでしょ!!どうせ、登は・・・・この女の手のひらで転がされたんでしょ。そうとは知らずに。」
顎でかなを指す。流石のかなもたじろいでいる。
るみと僕は目を見開いて驚愕した。鋭い。さすが、登が担ぎだした生徒だ。切れる。僕など太刀打ちできない。
「あら、その顔、図星のようね・・・」
「女って、あなたのことだったのね・・・・なんか、納得できたわ・・・」
柳川会計は登の暗躍の理由に、とうとう気づいたのだろう。複雑な顔をして、納得している。
「先生方、私たち生徒会も、彼の件に協力させてください。いや、します。だって私たちだって、関係者ですから。」
「え、やはりあなたも・・・ひ、被害を・・・」
「ああああ、もう、ち、が、い、ます!!別な意味で関係者です。やなちゃんも。」
首を傾げ、困惑する先生たち。そりゃそうだろうな・・・何の関係者かわからないからね。
「話の腰をおられたけど・・・これで関係者と思われる人間は全員集まったんじゃないかな?かなさん、話してくれるかな?」
そう、あくまで知らない振りをしなければ・・・。
ふーーーーー。
かなは深いため息を吐く。
覚悟を消めたのだろう・・・。
「わかったわ・・・」
「ほーら・・・うちの登は、そこまで悪党じゃななかったでしょ!やっぱ、鈴木が諸悪の根源よ。よくもうちの登をビンタしてくれたわね!」
なぜ勝ち誇る・・・けい。そんなの五十歩百歩だろう・・・。
「どっちもどっちでしょう!仲間を裏切って、関係ない五十鈴にやなちゃん、来島までまきこんで!それはの登の独断よ!全く、変な実行力また発揮して・・・」
「ちょと、まって」
五十鈴が神妙な顔をして語りだす。
「なに、なに、登がやなちゃん使って、私を担ぎだしたのって・・・・自分の彼女の現状維持のためだったの・・・」
「まあ、そうゆうことね。」
けいが答える。
「まー、ほめられたことじゃー、ないけどさー」
胡坐を書いて目をつむって聞いていた鈴木真一。
「彼女のためにそこまでできるのって・・・すっげーんじゃない?」
とサムズアップ。
「そーよーねー・・女冥利に尽きるってー、かんじー?」
とつけづめをなめるように見ているあんも、応じた。
「そうね・・・・。なんだかんだ、かなのこと考えてくれてるもんね・・・」
と、洋子。
「まあ、かなに、のせられたってのは、ちょっと引っかかるけど・・・」
「彼らしいじゃない。確かに、彼のせいで、選挙戦は負けたけど。いまが、そんなにいやじゃない。そうだろ?」
けいと亮の問いかけにると、
「ああ、今の生徒会も居心地いいしね。」
とはじめが答えた。
「うちは・・・隠れて付き合ってたのは・・・やっぱり、許せね」
と不満げな演技をるみはしてくれた。
「で、登くんをどうする?」
九十九先輩が皆に尋ねる。
「あ~、俺は最初から答えは決まってる。そうだろ、貴」
「ああ、僕たちは最初から佐藤でも鈴木でもない。登の味方だ。」
ふと見ると、かなが涙を浮かべていた。
「あ、どうしたの?かなさん」
「・・・・・登が羨ましい・・・」
「え?」
「だって・・・・寄り添ってくれる友だちがいるから・・・・」
といって顔を手で覆う。
「はあ、ちょい待ち!なんであんたにいない程で言うのさ!」
洋子がかなに駆け寄る。
「え、だって、こんな性悪女、嫌でしょ?みんな・・・」
「そーねー、たしかに、人としてはよくないかもねー」
とあんが言う。
「でもさー・・・・女としては、いい「女」なんじゃなーい」
というと、佐藤と鈴木の女子たちは力強く首肯した。え、女の子って、そういうもんなの・・・・・。
「まあ、わからなくもないわね・・・ある意味いい女よね。男を手のひらにおく。いい女はそうでなきゃね。」と九十九先輩。
なぜ、それがいい女なのか、わからないが・・・。と、男連中は、全員、目が遠くなっている。
はじめと亮にいたっては、自分の彼女を、知らない生き物のように見ている。
「えー、皆さんのわだかまりがなければ、登さんの登校に障害はないですね。」
と御厨先生がまとめたその時。
「ちょっと、なに終わろうとしてんですか?先生。」
だまって聞いていた生徒会長が声をあげた。
「なに、きれいにまとめようとしてんですか!」
「あー、どーしたー・・・五十鈴くん?」
「ドーしたーもないでしょう!なに、わたし、かなの下僕となった登に、担がれて、会長にさせられたの?しかも、私にとっても何にも関係ない、ホントにわたし、巻き込まれただけじゃない。佐藤と鈴木に!あんたたちの監督不行届きじゃない。仲間の管理くらい、ちゃんとしてよ!わ、私たち、いい面の皮よ・・・・・」
とうな垂れた。
「・・・そうね・・・私たちからすれば、ホント、しょうもないことかもしれない。でも、登とかなさんにとっては、学校での居場所って・・・きっと、なににも・・・かえがたいことなのかものね」
柳川さんは僕の顔見て、クスリと笑った。「私の言ったとおりでしょ!」と言いたげだった。
主人公が復活させねば・・・。




