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83 その結末をだれも望んではいない⑩

インターミッションです。閑話休題。

助けるったねー。


「佐藤と鈴木ってさ・・・」

冷えこんできた、夕方の札幌市。帰り道のやなちゃんは、「不機嫌」をはっきりあらわした顔をして、わたしに話しかけてくる。

「え、っと、・・・どの佐藤で、どの鈴木、のことさ」

半分はぐらかすつもりでそう答えた。秋も終わるこの季節。早く帰りたい。彼らのグタグタで、複雑なことについて、考えたくはない。だって、登は自業自得、腹黒彼女の鈴木かなも。ただ、ちょっとかかわりがあったわたしとしては、気にならない、といえば嘘になる。

やなちゃんは、クラスメートとして、選挙活動を戦った同士として、気になるんだろう。

「・・・うちのクラスの」

といって、やなちゃんは足を止めた。

「佐藤と鈴木にきまってるでしょ!」

とこっちを見据え、わたしの鼻づらを指さしてきた。失礼だよ。やなちゃん。

「ごめん・・・じょうだん・・・冗談だから・・・」

あわてて謝るわたしを見て、満足したのか、やなちゃんは、また足を進めはじめた。

「だってさ、貴のやつさ、結局どうしたいんだか、わかんないんだもん。」

「え、でもさ。「僕は登を助けたい。だから、かな、きみを助ける。」って言ってたじゃん。何とかすんでしょ。きっと。知らんけど。」

と応じて、ちらっとやなちゃんを見ると、難しそうに顔をしかめてた。

「いや、そうだけど~・・・なんかさ・・・」

「なんか?」

「なんだ、かんだ、楽しかったんだよね、生徒会長選。自分の計画が実現していくのが、こんなに楽しいと思わなかった。」

「はあ~・・・そういうもん?」

「あは!そう、プロデュース!プロデュースよ!!こうゆうのが!!」

「・・・やなちゃん、そういうのって、黒幕って、いうんじゃ・・」

「ううん!わたしはプロデューサーだった。そして黒幕は・・・」

「・・・・佐藤・・・登・・・・」

「正解!!・・・だから・・・なんか、いいところだけわたしたちに残してくれたのかな・・・・ってさ」

「・・・うーん・・・どうだろう・・・」

「だって、生徒会を見てもさ、クラスを見てもさ、いいかんじ何だよね。登だけだよ、不幸になったの。なんか・・・悪いなぁ・・って」

ゴゥーウウウン。

わたしたちの横をトラックが通り過ぎていく。歩道とはいえ、ちょっと怖さを感じる。

「なんか、不都合なことは登に全部おしつけて、残りの人が楽しんでる感じ。」

「でも、それが・・・登の願いなんでしょ。」

登という名前を口にすると、なんか、下を向いてしまう。さっきまであんな話を聞いていたんだから。

「そうだけど・・・・。なら、どうして貴くん話を聞きに来たと思う?」

「うーん。後ろめたいから?」

「だよね。」

「でもさ、今さら、会長選挙のこと公にできないじゃん。すれば、登だけでなくかなちゃんもハブられるよ・・・」

「まあ、自分たちのわがままのために、裏切ったんだしね~」

「しかも、もし、まかり間違って・・・五十鈴の耳にでも入ったりしたら・・・・」

『・・・・・・』

わたしたちは生唾を飲み込んだ。五十鈴がしったら、わたしたちもただでは済まない。

「はあー、貴くん、おおごとにしないで、登を何とかしてくんないかな~・・・・」

来島みのりは自己保身から、佐藤貴に多大な期待を膨らませ始めている。

「まあ、他言無用は守るって言ってるから、大丈夫っしょ。」

まあ、いずれにせよ、わたしたちの出る幕はもうない・・・・と、思いたい。

いや、ほんと助けるたってねー。

うかつに主役を不幸にすると、

後が困るね。事後処理が。

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