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64決めたの?

選挙戦突入!!

いよいよぬりかべ女王の第一声です。

佐藤と鈴木があまり目立たないけどすいません。


 水曜日昼休み、柳川さん、来島さん、そして、ぬりかべ女王こと五十鈴まどか、の3人は初めての街頭演説を行った。いや正確に言うと、街頭ではない。

 「運動期間、今日入れて、三日。さあ、追い込みを」

ピン、ポン、パン、ポン~

PC準備室で俺たちにねじを巻こうとしていたけいの言葉を遮るように放送が入った。

『みなさん、お昼の時間いかがお過ごしでしょうか。ただいまから、生徒会長立候補者、五十鈴まどかさんのお話を放送いたします。』

と柳川さんが話し始めた。

「な、なに!これ!!ど、どういうこと!!」

うろたえるけい。

「はあ、なるほど。効率よく選挙運動を進めようって気か・・・。さすがだ。」

「って、感心するな!!」

感心す亮に対して、けいはいかにも面白くなさそうだ。

『全校のみなさま、・・・・・・・・・・え、・・・と・・・・・・・・・・・』

「あれ、だまっちゃたよ?」

弁当の唐揚げを食いながら裕一は不思議がった。

「んだな~。どっしたんだべな~」

とパック牛乳のストローを加えながら、るみはスピーカーを見つめる。

「・・・ぬ・・・・ぬ・・・ぬりかべ女王こと!五十鈴まどかですぅぅぅー」

「ぶふぅーーーー」

るみは思わず、口から牛乳を噴き出した・・・。

そして、校内は静まりかえっている。

ゴクリ。

生唾を飲み込むのがわかる。

みな、続きを聞こうとしているのだ。

「こ、このあだ名は、私のコンプレックスをとても刺激します。この言葉が聞こえるたびに、私は言い知れない怒りがわいてきます。でも、同時にこの言葉のおかげで、ここまで、頑張れたと思いまます。・・・・・」

よし、よし!おれの描きたい絵になってきた!!!

はじめにも亮も知名度はある。しかし、このあだ名ほどのインパクトはないだろう。自らこの陰口たるあだ名を言い、肯定してみせる。抜群のインパクトだ!!ありがとう、柳川さん、来島さん。そして、五十鈴まどかさん。俺の、いや俺たちのわがままにまきこんで。ほんとごめん。


『・・・・・ですから、皆さんの一票で、私、五十鈴まどかを真の女王、生徒会長に当選できるよう、お願いします。』


おおお~。


ため息のような、感嘆の声が全校から漏れた。

「やられたわね。亮、もう一度演説原稿を練り直しましょう。」

「そうだな・・・。」

「じゃあ、みんな、明日、ここで、最終チェックよ。いいわね。」

『はーい・・・・・』

さて、こちらも立会演説会の相談をするか。

「じゃあ、また明日~」

そういって、ドアノブに手をかけとき、

「したら、また明日~・・・」

背中から声がした。

「あ、のぼる、あたしも、かえる・・・。」

るみが後をつけてくるようについてきた。

まいったな・・・手芸部に行かなきゃならないのに・・・・。

どうやって離れるか、思案しつつ廊下を歩く。

「のぼる、おめ、近頃、なんかへん。」

「え?」

ドキッとしたが、平常心を保つ。

「なんか、うちらといること少なくなってねっか。」

鋭い。しかし、心中を探られないように努めて冷静にしなければ。

「いや、気のせいだろ?変わんねーだろ。」

「んだか?なんか・・・いつも別なことさ、考えてるみてーだぞ」

「・・・・いや、まつりの進学先がな・・・どっしたらええかってな・・・・」

「んだか。それだけなら、ええんだけどな・・・。」

なんか・・・含みのある言い方だな・・・。

気づかれたか?

「いや、心配さかけて、悪かったな・・・。大丈夫だから・・・」

「のぼる・・なんか、おめ、かわったな。夏休み終わってから。」

っく。やべ。顔に出るなよ!俺!!

「なんも、気のせいだべ。いつも通りだ。」

努めて明るく答える。

「・・・のぼる。・・おめ、決めた・・・のか?」

「は?なにを?」

「なにをって・・・私に・・・・言わせたいの?」

気が付くと昇降口に来ていた。

斜陽に照らされた玄関口。照り返す陽の光が眩しい。

「じゃ、私、今日は八幡丸さ、帰るから・・・・。」

「ああ、うん。」

俺の返事を待たないようにして、るみは玄関を出ていく。オレンジ色に染まっている町へと歩みだするみ。

るみは一度も振り返らず、出ていった。

オレンジに染まる長い髪がなびいていた。

ごめん・・・もう、決めたあとだ。るみ・・・ごめん・・・。


そういや、「究極超人あ~る」で、放送で演説しようとして、ハウリング起こす

ってやつがあったなぁ~。

何となく思いだした。

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