62 フィクサー?
生徒会長選挙編?
は、登くんが一人奮闘していきます。
頼れるのは彼女の鈴木かなだけ。
どんどん、性格悪くなる主人公。
いや、初めて彼女できたらさ、なんだってするよね。
たぶん。
「ここまでは、上手くいったね・・・で、これから、どうすんの~?」
かなは務めて明るく、俺の左肩に頭をのせ、甘えるように聞いてきた。
ここは、新saprカラオケボックス。以前にもきたところだ。
左手を彼女の肩に回し、そっと抱きしめる。
「ああ、ここまでは筋書き通りだ。柳川さんたちのおかげだよ」
「・・・どうやって、彼女たちを手なずけたのかしら・・・」
そっと目をつぶり、俺の答えを待っている。
「ああ、・・・それは・・・じつは、うっぐ・・・」
かなは左手をのばして、俺の口をつぐんだ。
「・・・やっぱ、いい・・・きかないことにする・・・。なんか・・・怖いから・・・」
そう言ってから口をふさいだ手をそっと放してくれた。
「うん・・・そうしてくれた方がいい。さあ、明日からは選挙戦がスタートだ。忙しくなる。」
「そうね。私たち、2つの選挙戦を進めなきゃならないものね。」
「ああ、でもぬりかべさんに勝ってもらわなきゃ。そのためなら、なんだって俺はする。」
「俺は、じゃないわ・・・・・俺たちは・・・・でしょ?」
そういってうるんだ瞳をこちらに向けてきた。
いつものように、そっと目をつぶって、口づけをかわした。
一夜明けて、いつもなら憂鬱極まりない月曜日。だが、今日は違う。今週一週間は選挙運動期間。金曜日の大ラス、6時限には、立ち合い演説会、そして、投票が行われる。今週で、今後の高校生活が決まる。そう言っても過言ではない。
バスをおり、いつもの通学路を進む。まばらに歩く生徒たち。学校に近づくと、玄関前が騒がしい。
「鈴木!鈴木です!!鈴木はじめこそ、生徒会長にふさわしい!!」
洋子の響き渡る声が耳をつんざいた。
「そーだ、佐藤なんてはいて捨てるほどいるだろ~・・・」
「そーだー」
あんと真一のやる気のないシュプレヒコール。
Super Bellsは早朝、玄関前で第一声か・・。
と思って昇降口へと入る。
下駄箱の扉に手を変えた瞬間だった。
「亮!佐藤亮です!生徒会長には、現生徒会副会長、そして、学年主席である、佐藤亮こそがふさわしい!ぜひ、佐藤亮に投票を!!」
「生徒会長候補、佐藤亮」と書かれたタスキをかけ、威勢の良いけいの声が廊下に響きわたっていた。
「そうだー!!やっぱ佐藤だ!!鈴木なんか永遠の2番手だ!!!」
「あ、そ、そうだ~・・・」
同じく、タスキとやたらファンシーなかわいいウサギの絵が入ったポスターを持つ裕一と貴。いいんだか悪いんだか、よくわからんコンビが声をあげていた。
「おはよう貴、裕一」
「お、おはよう・・・」
「登!!おはよう!!」
「昼休みは俺も頑張るよ。」
「う、うん。た、頼んだよ・・・」
貴は顔色が悪い。こういうのは苦手なんだな・・・。
「あ、登。」
立ち去りかけた、俺に亮が声をかけてきた。
「五十鈴さんたちを見なかったかい?」
「え、・・・・」
一瞬固まった。俺が一枚かんだことに気付いたのか?
「いや、見てないけど・・・」
「そうなの?おかしいわね~。あの態度から、初日からバリバリ運動すると思っていたのに・・・」
けいは不審がった。
いや、わかるよ。でも、初日は動かない。間違いない。だって俺がそう指示したんだ。
「え、どういうこと?」
柳川さんは放課後の家庭科準備室で不思議がった。
「ああ、初日からは選挙運動はするな。君たちには2日前、水曜日の昼から動いてもらう。」
「そんなんで勝てるの?」
来島さんはジトとした目で俺をにらむ。
「いいんだ。佐藤と鈴木に張り合ってやらなくてもいい。それじゃ向こうの土俵にあがるだけだ。」
「なんかよくわかんないけど、いいのね?うちのまな板神輿、朝からうるさいんだけど。」
そう言いんがらラインの画面を見せてきた。うわ・・・。
ねえ、ほんとに何もしないの?(まどか)
あっち、かなり力入ってんだけど・・・(まどか)
ねえ、なんとかいってよ(まどか)
やなちゃん、ほんとに大丈夫何だよね・・・・(まどか)
「へ~意外だ。こんなに焦るんだ。女王。」
「必ず当選させるって言って、担いだからね・・・。」
来島がため息をつく。
「うーん。まあ、ばっちりまかせてって、答えておいてくれ。」
「いいの?ほんとに。」
キッと鋭い目線をおくる柳川さん。
「ああ。後は明後日さ。」
俺はそう言って購買で買ったパンにかじりついた。
・・・・かなのため、・・・・この幕役を・・・・絶対に完遂する。・・・・してみせる!
そう思いながら食べたカレーパンは、なんだか味がしなかった。
つーわけで、次回はぬりかべ女王こと、
五十鈴まどかの選挙運動が始まります。
たぶん。たあ、あんまどうするか考えてないだよね。




