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61 帰ってきた?(いや、もとからいた)○○さん。

で、今回は登が暗躍していく話しなんですが、

表立って動けないので、出せる人限られるんだよね。

で、あの人にも登場いてもらうことにしました。

 生徒会長選立候補者締め切り日、前日。

 俺は家庭科準備室を訪れた。

「やぁ、やぁ。手芸部のみなさなん。ごきげんよう。」

「っち・・・・」

来島さんは俺を見るなり舌打ちする。

「みのり・・わかるけど・・・相手はあれを持っているのよ・・・忘れないで・・・」

「くぅ~。なんでこんな、エ、エロゲスと・・・・」

あ、なんかパワーアップしたな。俺。

「誉め言葉ありがとう。で、首尾よくいったかな?」

「ええ、わたしたちが力を貸すから、って説得したら、了承してくれたわ。」

「ほ~さすが柳川学級委員長、いや部長。」ぱん、ぱん、ぱん。

わざとらしい拍手とともにほめたたえる。我ながら厭味ったらしい。

「エロゲスト!」

あ、ちょっとまた変った。来島さんおもしろいな。

「これで、いいだろう。もう。その・・・・返してくれるよね?」

顔を赤らめ、恥ずかしそうにする。あれ、来島さんも、ちょっとかわいいかも。

「・・・・うわ、やっぱりエロゲス男、いやエロゲストだね、あなた・・・女子にそんな目を向けるなんて・・・・」

心なしか、期待通りという顔をし、わくわくしている柳川委員長。いや、もっとごみを見るような蔑んだ目で見てほしいのだが・・・。

「おーっと。これは俺の依頼の、まだ半分だ。わかってるだろう?」

「・・・・ほんとに、当選させるまでなんだ・・・」

がっくりうな垂れる来島さん。

「それは・・・・確約できないわ。登くん。」

真面目な顔になった柳川。まあ、わかる。

「もちろん、君たちだけでは無理だ。だから、俺も力をかす。そうすれば絶対当選できる。」

「それは・・・確かに、亮の動きがわかれば、対策立てられるけど・・・鈴木も、はじめも、いるのよ。」

「そちらも問題ない。俺が両方の動きを探って、最高の対抗策を立てる。君たちはそれを実行してくれればいい。」

『・・・・・・・』

「大丈夫だ。まかせてくれ・・・」

真剣な眼差しが功をそうしたのか。手芸部員たちは、了承してくれた。


ICT研究部。今ここは「佐藤亮選挙対策本部」になっている。手芸部に顔を出した後、ここに足を運ぶ。

「さあ、公約を考えるよ!」

目が血走ってるよ。けい。

「たすき、できたぞー!!いい出来だろう!!」

裕一。けっこう好きなんだな。こうゆうの。

「応援演説原稿できたけど、けい、これでいい?」

貴・・・。まさかお前までこの選挙に前向きなのか?

「したら、亮、ポスターできたから見てけれ」

るみ。おめ、えがうめなー。意外だべ。

「あ、登!遅い遅い!!、さっそく、亮の演説内容一緒に考えてあげて。

はい、と返事しながら亮の隣に座る。

簡単に目を通す。さすが亮。素晴らしい仕上がりだ。内容だけなら、まず彼女は勝てない。

さて、はじめはどんな内容で来るか・・・。

「したら、ポスターさ貼ってくるわ。裕一、手伝ってけれ。」

「おーす」

るみと裕一が選挙用の掲示板にポスターを張りに行く。さて、驚く準備をしておかねば。


カツカツ、ドタドタ、ドタカツカッタ、ドタ。

廊下をけたたましく走ってくる足音がする。

ドバーン

はぁはぁ・・・・。

『た、たいへんだ(よ)!!』

るみと裕一が声をあわせて叫ぶ。

るみと裕一は掲示板で見てきたことを説明する。


『!!』

「え!マジか!う、嘘だろう!!」

おれはあらかじめ用意していた、台詞を言った。だって、俺が仕組んでるからな。

「とにかく確かめよう。」


佐藤は全員一階廊下、昇降口前の掲示板へと向かった。

「・・・ほんとだ。・・・」

ぽつりとけいが言った。


タタタタ、タンタンタン、ダンダンダン、カッ。


もう1団体、この掲示板に集まってきた。そう、鈴木の皆さん。

「ちょ、何これ!」

洋子は怒りがおさまらないようだ。


「まさか」

「立候補してくるとは・・・」

はじめと亮も愕然として掲示板を見ている。


 すまん。二人とも・・・・。特に亮。


 これが俺の最善の策なんだ。許してくれ。

 今のままを受け入れてくれた彼女だから。だから、かなの願っている「今」を継続させる。それには、Sugar BabesとSuper Bells、どちらがかってもダメだ。引き分けしなければ。そのためには生徒会長には、別な人間になってもらう。それこそが、俺の秘策。


佐藤と鈴木の目線はあるポスターに注がれている。目新しい、そしてかなり丁寧なつくりの生徒会長選立候補者のポスター。そのポスターにはあの名前が書いてある。そう、あの名前だ。

「五十鈴まどか・・・」

けいは、その名をそっと口にした。

「ぬりかべ女王、ほんとに女王になろうってこと・・・・」

洋子は憎々しげにそのあだ名を呟いた。


カ、カ、カ、カツカツカツ


掲示板にたむろする俺たちに軽快な足音がする。上靴(北海道では、上履きという概念がない。普通にスニーカーとかを上靴として使う。)ではない。上靴用のローファーを使っている。誰も振り返らない。なぜなら、そんなおしゃれなことする生徒はただ一人だからだ。

佐藤と鈴木の背後に立つ彼女。かなはちょっと青い顔をしている。苦手だもんね。


「皆さん、お揃いですわね。」

声の方へ目を向けた。


佐藤一同『五十鈴・・・・』

鈴木一同『まどか・・・・』


「鈴木はじめさんに・・・佐藤亮さん・・・わたしも立候補させていただくことにしましたの。」


「いや、しかし、推薦人は?責任者は?」

すべて知っているが・・・でも、俺は尋ねた。


「まもなく来るわ・・・」


タ、タ、タ、タ、タ。

規則正しい上履きの音。こちらに近づいてくる人影。

「待たせたかしら?ごめんなさいまどか。」


佐藤・鈴木『や、柳川さん・・・・』


 次の日、2年生のいる3階を中心に学校は蜂の巣を突いたようなさわぎになった。なんせ、会長候補は2名だと誰もが思っていたからだ。そこに、予想外の候補が出てきたからだ。

 まあ、当然だ。

 鈴木と佐藤に絶対ばれないよう、秘密裏に動いていたからな。五十鈴まどか擁立を画策していたのは実質手芸部の二人のみ。おかげで、佐藤、鈴木両陣営からは全くノーマーク。俺とかなで、彼らの動きは抑えていたので、全く察知されずに工作できた。おかげで、このインパクト!

 まずは第一段階成功だ。「五十鈴まどか」の印象は強烈に残っただろう。

 後は着実に選挙活動を進めていくだけだ。そして、それはさほど難しくない。

 おれが彼女に目を付けたのはでたらめではない。彼女は2年女子のエースだ。文武両道、しかも実行委員会では必ずその名がある。実行力は折り紙付きだ。・・・一部の女子にあたりがきつい以外は。だが、それも、有利な条件にして見せる。

俺の手でぬりかべ女王を、真の女王にして、「佐藤」と「鈴木」のパワーバランスを保ってみせる。それが彼女の願いなのだから。


「まさか、柳川さんがこんなことをするなんて・・・」

けいは絶句した。


「いや、べつに・・・私も進んで・・」

「いや~、まさかね。でも俺たちは負けないよ。」

柳川さんがぼろを出さないよう、俺は声をあげた。

「ま、そうね。当選するのは、はじめなんだし!」

洋子は決意を新たにしている。


よし、この博打、勝てる。なんせイカサマ付きだからな。



そう、生徒会長選挙という博打には勝てる。この時、俺には自信があった。生徒会長選挙には、

だが・・・・。

えっと、五十鈴まどか、って名前の響きが好きなんですよね。

最初のころ、強気なスレンダーなクールビューティーという、鈴木にも佐藤にもいないタイプ

ということで出しました。

で、出番が用意できてよかったと胸をなでおろしています。

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