表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/180

60俺は色魔じゃねー

現状維持を貫くため、

登くんは策を弄していきます。

彼女のためにとはいえ、これはSugar Babesへの

裏切り行為です。

 日曜日は退屈な時間を耐えて過ごした。まつりと叔母さん夫婦は出かけて行った。1人家に残って、スマホを眺めていた。

不意にスマホが揺れる。

メールの着信。


(昨日は、ありがとうございました。弊社に対してお心遣い、感謝します。今後ともよろしくお引き立てのほどをよろしくお願いします。)


かなからの偽装メール。やっぱり、かなは今の関係を続けていたいのだ。高1の頃のようになりたくないのだろう・・・・・。


 月曜日。おれはあることを決心し登校した。


 「起立」

 「さようなら」


 クラス委員の柳川さんの号令の下、放課後が訪れる。俺は、柳川さんをちらっと見る。少し地味だが清楚なショートヘア。ちょうど耳が隠れるくらい。そして、いかにも学級委員が似合う真面目そうな顔。眼鏡をしていればばっちり委員長キャラだ。


(やっぱ、彼女に頼むしかねーな・・・・)


決意を新たに、おれは席を立つ。


「登、対策会議するよ!」

けいが声をかけてきたが、

「あ、わりい、ちょっとまつりを迎えにいかねば、なんねーんだ。」

と断りをいれる。

「え、まつりちゃんを?」

「んだ、中学校に迎えに行って、そのまま、札駅さ行かねばなんねんだ。」

「ふーん。なんで?」

「叔母さんと俺たちで、まつりの進路のこと話さねばなんねのさ」

「ああ、そうなの・・・・・じゃあしかたないわね。」

 

かなと付き合っているせいか、嘘がうまくなってきたなぁ~。


教室を出て、昇降口へ向かうふりをする。佐藤も鈴木もどうせ4階だが、念のためだ。

1階まで降り、階段横の謎スペースで様子を見る。

周囲に気を配り、人の気配がなくなるのを待つ。

静まり返ったのを見計らい、階段横の謎スペースからそっと顔を出す。


足音にも気を配りながら、普段は使わない階段へ向かう。

知り合いに出会わないよう、慎重に階段を登る。2階の端へと歩みを進める。

2階の1番端、家庭科実習室のとなり。家庭科実習準備室。

周囲を見回し誰もいないことを確認して、俺はその扉をノックした。


コンコン。


「はいどなたですか?」

「あ。すいません。見学希望です。」

というと、

「え、あ、ちょっとまって!」

ガタガタガタ・・バタン、バタン、ピシャ!

あわてて掃除してるような音。


シーーン

「あ、お待たせしました、ど、どうぞ・・・」


ドアノブに手をかけ、静かにひねり、ゆっくりと、ゆっくりとドアを開ける。


「失礼します。」

実習準備室ということで、広さは、PC準備室と同じくらい。しかし、収納棚が壁の両面に設置されており、調理器具やミシンなどが押し込められている。奥の窓辺にはいすに座り、刺繍をしている2人の女子。

そうここは、手芸部の部室なのだ。


『!!!』

二人の女子は驚きの顔で・・・というか、片方はいささか恐怖の色を見せている。



「な、なんであんたが?!」

向かって右側に座る、わがクラスの委員長、柳川さんは、明らかに嫌悪した表情だ。

「そ、そうですよ。なんで!・・・・は、ま、まさか、この部室にあまり人が寄り付かないのをいいことに・・・・・わたしたち二人に、よ、よからぬことを!・・・そうに決まってるわ!!」

と左側の手芸部員Aがいいだす。

「はあ、よからぬこと!ち、ち、違うわ!そんなわけ!」

「いえ、だまされませんわ。2年のゲス男、佐藤のぼる!!」

「はあ、俺は何もして・・」

「う、うっそよ!だって、他校のギャルと半同棲なんでしょ!」

「はあ?」

「それだけじゃないわ、わが校の3大メロンズの九十九先輩と鈴木かなと二股かけてるって

!!」

「え、そうだったの!!登くん、二股かけた相手と一緒に学祭とかしてたの!サイテーね!!」

「いや柳川さん誤解だって・・・」

「転校してきたのも、学祭にきたあの美少女を、に、にんしんさせたから、に、逃げてきた、ってきいてるわよ!!」

そうだったら、たぶん今頃、久世の家で新婚生活おくってるわ。てか、つばさはそれを臨んでるわ。逆の理由でにげてきてるんだってーの。

「わたしたち、手芸部が女子2人だけと知って、その・・・・お、襲いにきたのね!」

「え、のぼるくん。わたし、3Pはちょっと・・・・」

『えっ・・・・』

柳川さんからお下劣な台詞が・・・。俺とAは柳川さんを引いた眼で見てしまう。


「あ、こほん。ご、ごめんなさい。その、やっぱり1人ずつでした方が・・・」

「とにかく!帰って!」

食い気味にAが言った。

無論帰らない。こちらには奥の手がある。

「え、いや~、手芸部部長の柳川さんに、相談があってさ。」

「いやよ、・・・・絶対いや!!・・でも、場所変えて、1人ず・・・」

「だめにきまってるの!!」

Aさん声がでかくなってきたな~。なんせ、柳川が変だからな~。

「いや、真面目な相談だって。柳川さんに。」

「え、そうなの・・・なぁ~んだ」

「がっかりしないの!」

怒られる柳川さんて新鮮だな。

「じゃあ、いいかな、あ、この内容は他言無用でお願いするよ。」

「中身によるわよ。」

「そうね。」

俺は精一杯誠意をもって説明をしたのだが・・・。






「・・・・・・というわけで・・・柳川さんから彼女を口説いてくれないかな?たしか、数少ないご友人と伺っているので。」

彼女たちの前で座り、頭を下げる。

「・・・・それ・・・」

部員Aあらため、手芸部員 来島みのりが眉をひそめる。

「・・・わたしたちにはなんのメリットもないのでは?」

「そんなんことないぞ、来期は部費は増額が期待できる。でも、彼女を口説けなければ、たぶん廃部だよねここ。2人しかいないし。で、その分の予算は俺たちがいただくってことになるよね。」

「まあ、廃部も仕方ないかな、とは思ってたし・・別に・・・」

「ふーん。柳川部長、ほんとにいいんだね・・・」

冷めた目でおれは柳川たちを見る。そして静か立ち、振り返り、部室を見わたす。

「俺たちさ、今年さぁ、夏祭りに店、出したじゃない。」

「は、何の話?」

訝しそうに俺を窺う来島。

「いやぁ~、それで調理器具を調達しに、ここにきたんだよね、な、つ、や、す、み・・・」

『!!』

目を見開くふたり。

「で、棚とかあさってるとき、見つけちゃったんだよね~。」

「えー!!」

「ま、まさか、あれを!!」

「うん、そのまさか・・・・」

俺はいま間違いなく悪い顔をしている。

「っ・・・」

両手をぎゅっと握ってスカートをつかむ柳川部長。

「ああ、ちなみに、俺、持ち帰ってるから。証拠として。」

『え・・・・』

「と、いううわけで俺の話はここまで、じゃ、帰るわ・・・・」

そして、出口に足を踏み出そうとした時

「ま、まって!」

立ち止まり、顔を少しだけ振り返り、柳川さんの顔を横目で見る。

「わ、わかったわ!やってみるわ!・・・もう、しょうがないもん・・・」

いやいやながら受け入れる顔。

あ、ちょっと、かわいいかも。

Sugar BabesとSuper Bellsをそれぞれ裏切るかなと登。

でも、隠れて付き合った上に、仲間を裏切る最悪なカップルです。

最悪なカップルはハッピーエンドかバッドエンドか?

(実はまだ考えてない。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ