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58/180

57罰当たり?

後ろめたさをもったまま、彼女彼氏って続くものなのか?

女はそれができるんだと思う。根拠はないけど。

じゃ、男は?


 カラオケは採点のトータルで争う。僅差で鈴木が勝利。あんの98.5点が最高点だった。負けた佐藤はカラオケ代金を多めに支払うことになった。

「ちぇ、もっと頼んどきゃ、よかった!」

洋子は残念がった。

「じゃ、そろそろお開きにしよ?」

けいが声をかけると、皆帰り支度を始めた。

「つばさ、帰るべ。」

「うん。」

満足気な笑顔が俺の胸に鋭く刺さる。

「おめ、帰り方わかるか?」

「ん。叔母さん、迎えさきてくれんだ!」

御厨先生来てくれんだ。ま、かわいい姪っ子だからな。

「じゃ、おれはこのまま、汽車でかえるわ。」

「うん、したらね。」

そういってカラオケ店を出ると御厨先生の車が停まっていた。

「あ、もうきてた。はえぇなー」

助手席側のパワーウィンドーが開き始める。

「みなさん、無理いって相手してもらってごめんなさいね。」

「いえ、楽しかったです。」

亮が眼鏡を直しながら返事する。

「登さんもありがとう。乗ってく?」

「いや。えーわ。みんなといくわ。」

「登も一緒に乗ればいいっしょ!」

とつばさは俺の手を引く。

「いや・・・、ちょっと寄りたいところもあるから・・・・ごめん。」

「んだか・・・したら、またこんど。みんなもまた、あそぼうね!」

「ああ」「またね」「きっとね」「したらね~」

佐藤と鈴木は口々に声をかけていた。



「じゃあ、わたしたち、地下鉄だから、またね、登!」

けいがリーダーとしてか、代表してあいさつしてくれた。

「ああ。また・・・」

そう言って佐藤と鈴木が地下へ降りていく姿を見送った。

かなは、地下への入口にまさに踏み込む刹那、俺の方をちらりと見た。あわてて、目線を外した。

後ろめたさのせいだろうか。かなを見ることができなかった。



 気持ちの乗らないまま、就寝した翌日。

 メールが入った。


お客様のご注文の品、こちらの店舗でお取り置きしております。

札幌市k区新ktn〇条○丁目O-O


 呼び出しだ。地図アプリで住所を検索する。え・・・・ここで会うのはリスクが大きいのでは・・・・。誰かに見つかる可能性も・・・・。今日は着替えも持ってない。

でも・・・。会わなきゃ・・・。だって、彼女からの呼び出しだ。


JR北海道のGKTS線。SKTN駅で下車。ここは地下鉄とASB駅との接続駅。かなは、地下鉄ASBまで来てるのだろう。ただ、JRは地下鉄と違って電車の本数が少ない。地下鉄駅からは若干遠いとはいえ、かなはもう着いてるだろう。


SKTN駅を西側から出ると、目を引くのはk区体育館。体育館を横目に見つつ、ほんのちょっと歩くとSKTN神社につく。かなの指定した場所はここだ。片側2車線の大きな道路沿いに神社の木々が見えてくる。なんだか不安になり、急ぎ足で横断歩道を渡る。入口にそびえる鳥居の前に立つ。夕暮れのせいか、鳥居から延びる参道は、とてもうす暗い気がした。悪戯な神に試されているような気がする。参道にかなの姿は見えない。境内で待ってるのだろう。意を決して、参道を本殿へと進む。右手に手水が目に入った。花手水だ。花手水の向こう側、手水の屋根を支える柱。そこにもたれかかっている少女がいた。花手水の花の鮮やかさと相まって少女の姿は幻想的でさえあった。


息を飲み込み、見とれてしまった。

ほんの2,3秒だと思うが、神々しいくらいの姿に時間の流れが遅くなった気がした。


「あ、遅~い!」

俺の姿をみたかなは、悪戯っぽく笑いながら、近づいてきた。

「しゃーねーべ。JRはすくねーし。」

「じゃ、ここまで御厨先生に言って、おくってもらえばよかったのに。」

そう言って首の後ろに手をかけ、まっすぐに俺の目をみて。


「できるわけねーべ。つばさにばれたら・・・俺もかなもただですまねー。」

「ふふ、冗談よ」

「わかってる・・・」

でもきっと、本当はつばさに知らせたいんだろ。そして、すっきりしたいんだろう。

かなから、目をそらせて、足元の地面を見る。

「・・・・ごめん・・・・」

呟くように言うと、

「ううん。いいの、わたしがそうするって決めたんだから。」

そう言ってかなは首の後ろの手をほどき、俺の胸にすがってきた。でも、抱きしめられない。そんな資格が俺にはない。

「でも、やっぱり、つばさちゃんと手をつないでる姿を見ると・・・ざわざわするわ・・・」

「・・・・」

何も言えなくなる。

「でも、我慢する。そのかわり、今、つばさちゃん以上のことをしてくれる?」

潤んだ瞳でかなは俺を見つている。

もちろんかなの望みはわかる。

「わたしが好きなら・・・・」

おれは、かなを見つめなおすと、ゆっくり口づけする。


神様は俺たちのことをどう思うんだろう。

罰当たりと思うのだろうか?


唇をそっと放すと。恥ずかしそうに、でも、なにか満足気な笑顔をかなはしていた。

おれはどんな顔をしていいかわからなかった。


ごめんなさい。

なんか、話が暗いなあ・・・・・。

でも主人公とヒロインが、ま、ちょっとアレなんで・・・。

しょうがないか。

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