52 帰省・寄生・既成 その14
帰省編も今回で終了。
で、最後にこのようにしました。
だって、佐藤と鈴木ですから。
花火をたっぷり楽しみ、その日は道場で雑魚寝をきめこんだ。まつりとゆりねえ、九十九先輩は帰ったが。みな疲れていたんだろう。夜が更ける前に、皆寝息を立てていた。そんな俺もだが。翌日、
早朝に目が覚めた。「まだ、5時半か・・・、もうひと眠り」そう思いながらトイレに向かった。するとトイレには先客がいた。ちょうど出てきたところに出くわした。
「あ、のぼる・・・おはよう」
「かなか、早いな・・・おはよう」
そう言ってすれ違いざまに
「・・・ねえ、ちょっと話さない?・・・外で待ってる・・・」
そう言って去っていった。
「・・・」
返事する間もなく、かなは去っていった
トイレをすませ、足音にきをつけながら、玄関を目指す。
門を出て、周りを窺う。右手の路地裏から、顔を半分ほどだし手をひらひら降るかながいた。振り返って玄関やその周りを見る。どうやら誰にも見られてはいない。
慎重にかなのところへ向かう。
近づくと不意にかなは俺の腕をとり路地に引っ張りこんだ。
「ぅわ・・・」
「ふふふ、驚いた?」
いたずらっぽく笑うかな。
「ああ、で、なんの話?」
「ねえ、登、あなた今がいいんだ?このぬるま湯みたいな関係が?」
「え・・・」
思わずたじろいでしまった。
「ふふふ、ほんと顔に出るわね。そうよね~・・・4人も女子を侍らせて、しかも生殺しみたいにして。悪い男だよね。しかも、わかってて、決めないなんて。」
「おめ、きいてたのか・・・」
「うん、るみさんしかもどらなかったから、なんかあるなって・・・すぐ追いかけたのよ・・・・」
「・・・・・」
「そんなに今のままがいいの?高校生の友だちグループなんて、そんなに大切なものじゃ、ないんじゃない?どうせ卒業したら、ばらばらになるんだし。」
「・・それは、ちゃんとした学校生活をおくれたやつの言葉だ。俺には、仲間なんていなかった。学校には。こんなにたくさんの友だちに囲まれて過ごす学校生活が、俺にとっては新鮮で、そいで、何より大切なんだ。恵まれてきた奴にはわかんねーべ。」
「ふーん。じゃぁ、それでいいよ、登・・・今のままで。」
「え?」
意外な答えに俺はさらにたじろぐ。
「だから今のままで、みんなとわいわいがやがや、そして、りおにもるみにも、つばさにもいい顔して。」
「は?何言ってるんだ?かな?それでいいのか?」
「わたしはそれを受け入れるわ、だから・・・わたしと付き合って。」
「え、それは難しいだろ。かなとつきあっちまったら、るみもりおも今のままですまんべ。ほかの奴らだって、気を遣うべ?今のような関係は壊れっちまう・・」
「ふふ、だから、こっそり付き合うの・・・誰にも言わないで、秘密の付き合いよ。それならだれも傷つかないわ。」
悪魔の囁きだ。でもなんて甘美な提案だろう。
「どう、わたしは全部受け入れるわ、あなたが九十九先輩の胸をチラ見しようが、りおやるみと遊びにいったりしても・・・それもひっくるめて受け入れる。だから、わたしを彼女にしない?」
「え、・・・でも・・・」
「いいじゃない。わたしと会うときだけ、わたしを見てくれれば、それで、わたしは満足だわ・・・」
かなは俺に近寄ると、手を俺の首に回して、抱き着くように顔を覗き込んできた。
「・・・ほんとうか?今の関係を受け入れながら、そして彼女でいてくれるのか?」」
「ええ、もちろん」
そういうと、かなは、そっと口づけしてきた・・・。はじめての口づけは、罪悪感で何もかも塗りつぶされた。
と、いうわけで、登くんは、
かなさんとお付き合いすることにしました。
ま、佐藤と鈴木、だから。
安易ですいません。




