㊿帰省・寄生・既成 その12
既成事実ができそうでできないのが、
お約束ですね。
で、結局いつ面が集まって・・・・・。
「九十九さんたちが函館に行くと聞いて、いやな予感がしてたのよ。そしたら、ちょうど昨日、姉から連絡きて、つばさの様子を見てほしい、って連絡が・・・」
今度は3人そろって正座させれる。
「まったく、朝、4時よ。札幌さ出たの。朝4時よ!!おめたち、わかってんの!!」
「はい、すいません。ちょっとがんばりすぎました・・・」
神妙にするつばさ。さすがに御厨には逆らえない。御厨の力はこの家では絶対なのだ。
「登さんも、えっと、まつりちゃんでよかったっけ?のこのこついてきて・・・」
「あ、はい。すいません。」
「妊娠でもしたらどうするつもり?2人とも退学よ退学!」
「そのつもりだったんだけどもな・・・」
つばさは小さく呟く。
「はあ?なにはんかくさいこといってんの!つばさちゃんは!!」
「いや、したっけ、もうすぐ18になるべし、いっか~って思って。」
「いいわけないでしょ!!もう・・・。高校くらい卒業しなさい!!」
「したって、さあ・・・・」
「いい?! もめごとはもうたくさんよ!!全く登さんは・・・あんた、ほんずなしで、こまるわ・・・」
「いや、でも、俺は被害者ですし・・・」
「・・・・でも、「ま、いっか」ってちょっと思ったでしょ・・・」
「・・・・・」
「図星!って顔してるよ。登さん」
「え、お兄、サイテー!妹の前で何考えてるの!!」
「いや、そったらことねーよ。・・・うん。」
「っち、あと、ひと息だったかぁー・・・」
御厨先生は額に右手を軽く当てて頭を抱えていた。
「とにかく、今日はもう帰りなさい。」
「はーい」
俺たちは立ち上がろうとすると。
「え、ちょっと叔母さん、まって。せっかく久しぶりに会ったんだもん、ちょっとは遊んでもばちあたんねーべさ。」
つばさが声をあげる。
「いいわけないでしょ。男連れ込もうとしておいて。」
「それは、叔母さんが、彼氏もいないひがみからでしょ!」
「ち、違うわよ!わたしは教師として、生徒を指導しにきたの!」
「じゃ、いるんだ!」
「う、うるさいわね!」
あ、いないんだ。御厨先生。知らんかったわ。
「登がモテるのが羨ましいんだべ?」
「あんな優柔不断でそのくせ、おなごにふらふらする男が羨ましいわけないでしょう!」
あ、そういう風に思ってるんだ、俺のこと。
「じゃ、いいべさ。あの子がたもよんで、楽しく遊べばいいべ?」
「あの子がた?」
御厨先生は尋ねるとつばさは大きな声で叫んだ
「どろぼう猫とその仲間!」
昼時になった。
久世家の広い庭。
佐藤と鈴木があふれれている。あ、九十九先輩ももちろんいる。
「さあ、みなさん、たくさん食べてくださいね~!」
つばさは満面の笑み。
「いや~ありがとうございます!!」
裕一はさわやかな笑顔で答える。
「わたしまでいいのかしら?」
そう、なぜか、ゆりねえもいる。どうしてよんだ?どうしてだ?
久世家の庭は広い。そして、門下生と交流会をするため、納屋にジンギスカンの鍋やコンロはたくさんある。もちろん炭も。いつでも開催できる。ただし、食材まではない。
「なしてだ。なして、わたしが自腹で肉や野菜をかわねばなんねんだ・・・」
御厨先生は青い顔をして呟いているが、気にしない。
「はい、のぼる、焼けたよ。」
りおが紙皿片手に俺の前へ。
「あ、ありがと。」
箸をのばそうとすると、りおは紙皿を引く。
「え?」
そういうと、りおは皿から肉を自分の箸で一つまみして、
「はい、あーん・・・」
は、いまここでそれをするのか?自殺行為だぞ!!
「ちょ、ちょっと、だめだべ!」
あ、るいさすがだな。つばさの目があるのをよくわかってる。
「のぼるは、肉より、いがだべ?ほれ」
といって箸でつまんだいかをこちらに向ける。
「あ、いやその・・・」
箸を片手に横目でにらみ合う二人。
「お二人ともみっともないですよ。」
かなが2人の間に割って入ってきた。
「のぼるさん、飲み物持ってきました。いかが?」
と、ペットボトル片手にかなも来た。
「いや、は、ははは、おれ、もう腹いっぺーだな・・・・」
『はあ~』3人共ため息を同時にはく。
「ほんと」
「いっつもいつも」
「はっきりしねーおとこだな・・・」
「こらー!どろぼう猫ども!!」
3人の背後から声がかかる。
つばさの登場だ。
「おめたち、ひとの許婚さ、ちょっかいかけるな!!うちの許婚だ。」
「いやでも、のぼるが決めたわけじゃないでしょ?」
「いんや、のぼるも、いいと思ってる。口に出さんだけだ。」
「え、いや、そんなことはな・・・」
「それに来年には・・・わ、わらすさ・・・作る約束もした・・・」
『!!!』
3人が目を見開いて固まる。
「いや、まて、そんな約束はしてない。おめ、うそこくでね!」
「え、でも、朝、それも悪くねぇな、って顔してたっしょ?」
『顔に・・・』
おれっを睨む3人
俺の頭の中に亮の言葉がこだまする。
(「あ、のぼる・・・なんども言うが・・・お前は顔に出る。・・・なんか・・・わかりやすいんだぞ。」)
「のぼるっちってさあ、女子なら誰でもいいわけ?」
「ほんと、すぐにぐらつくわね。」
「この、ほんずなし・・・」
「いや、でもほら、そうはならなかったし・・・。」
汗が吹き出てくるのがわかる。これは夏の暑さのためではない。冷や汗だ。
「登はさ、おなごさ、やさしいからしょうがなーけど、・・・・節操はねーな・・・」
つばさも冷めた目で俺を眺める。
『・・・・・』
真夏の昼。暑くてしょうがないはずなのに、なぜか俺たち5人の周りは張り詰めた空気で寒々しい。せみ時雨が耳に響く。
「じゃ、そういうことで。」
おれはこの場を終わらそうと、口を滑らしてしまった。
『こら!』
「にげるな!」
つばさに首根っこをつかまれた。
「おめ、ちゃんと話すべ・・・な?」
つばさは耳元でそうつぶやいた。
おれはとにかく当たり障りない答えをひたすらして、この場をしのぐことにした。
けいと洋子が肉の焼き方で言い合っているのが聞こえる。
少し焦げたくらいがおれはいいなぁ~。
帰省編書きだしたら、けっこう長くなってしまった。
はよ、札幌さかえんねばな~。
帰省編は次回で終わらせたいな。
書いてみないとわからないけど。




