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④看板は「佐藤」なのか?

⑤までたどり着きました・・・・

※実は一部投稿されていませんでした。

 ワープロソフトで書いてコピペしていたせいです。すいません。

 あらためて投稿します。

日本で一番多い苗字「佐藤」。でもその割には有名人は少ない。

総理大臣だった佐藤栄作、俳優の佐藤B作、佐藤二郎。後は?・・・

プロ野選手GG佐藤がいたが・・・。五輪のあれのせいで、我々佐藤の記憶から消し去りたい・・・・。

ほら、もう出てこないでしょ?佐藤は多いのにその他大勢、モブキャラばかりなんだ。


対して鈴木は結構有名人がいる。

総理大臣には鈴木善幸。プロ野球選手にはイチロー。俳優だって鈴木亮平、鈴木福、女優にも鈴木京香。

バイク自動車メーカーにはその名もSuzukiがある。


が、しかし、われわれ佐藤にも希望の星となる有名人が現れた。

佐藤健だ!仮○ライダー○王の主役を務めて以来、イケメン売れっ子俳優になった!

健!俺はいつまでも応援するぞ!!映画もドラマもいつも見ているぞ。全国の佐藤の希望の星となってくれ!!

ブー、ブー、ブー


土曜の午前。佐藤健主演の映画「るろ剣」を見ていると、ふいに携帯が震えた。

あ、ライン通知だ。


スマホの画面には、「札駅、白いオブジェに14時集合!」と出ていた。けいからだ。

え、まじかよ。めんどくさいなぁ。


札幌は200万都市の大都会だ。北海道の人口は500万くらいだから、道民のほぼ1/3が札幌市民になる。だが、首都圏のように公共交通が発達しているわけではない。ここは日本のふりをした、アメリカかオーストラリアだ。道産子の多くは車で移動するのが当たり前だ。コンビニは車で行くところ。異常な広さの駐車場をもっているコンビニはたくさんある。

なぜそうなるか?札幌市は広すぎるからだ。札幌市の敷地は23区と神奈川・千葉・埼玉・茨城の一部までかかるくらいの大きさだ。市内でも場所によっては、バスとJRを乗り継いで1時間以上かかるところもある。車で行きたくなるのが普通だ。

 俺の住んでいる場所は幸い最寄りのJR駅まで自転車で7,8分ってところだからまだいいが。それでもめんどくさい。首都圏と違って電車が多いわけではない。14時につくためには時刻表を確かめ、場合によっては予定の30分以上前につくのを承知で乗らなければならない。

俺はスマホでJRの時刻表を調べる。あ~、そのパターンか・・・・。


 札幌駅には集合時間の40分以上前についた。土曜の午後の札幌駅は人が多い。市内だけでなく周辺の市町村の方々が遊びに来る。札駅(道民はこう呼ぶ)は老若男女、全道民の遊び場なのだ。むろんカップルも多い。土曜なのに制服カップルも結構いる。何なの、部活後デートなの?


さて、何して時間をつぶそうか・・・・。


「の、登?・・・」

ふいに声をかけられた。振り向くと、白いブラウスに黒い上着を羽織り、グレーのスカートを着た、

いかにも清楚そうな少女が立っていた。

「あ、るみか。」

「あなたも・・・・こんな早く?」

「ああ、こうしないと14時に間に合わなかった。」

「そう。わたしもよ。・・・・・ちょっとそこでドーナツでも食べ・・・ない?」

「え、いいのか?(俺みたいなのと2人で)」

「うん。・・・仲間?でしょ。」

「あ、いや、そうだな。」意識しすぎか俺。

そうして俺たちは2人でドーナツ店に入った。店内は昼時を過ぎても混雑している。

トレーを持ち、ドーナツをトングで選び一つとった。もちもちリングのドーナツだ。るみも同じのを選んでいた。

「登も・・・・それが好きなの。私もよ。」

「ああ、そうなんだ。昔から・・・・好きで。」

「フーン・・・昔から・・・。そうね。」

そうね?その意味が俺には、その時、よくわからなかった。

ポトッ。るみが会計をするときに財布を床におとした。

「あ、登、トレー、たないてくれる?」

あまりに自然な流れで、おれは油断していたんだ。すぐにトレーをもって席に向かった。

会計をすませたるみは、にやにやしながら席に着いた。(※しばらく方言の会話になります。)

「ふふ。やっぱりね。あなたもHk市にいたのね。」

「・・・なぜわかった?Hk弁にはことのほか気を付けていたのに・・・。」

「わかるに決まっているべさ、Hk弁の抑揚さ、そう抜けねぇもんだ。」

「んだか~。気ぃつけてたんだけどもな~。」

「たなく、が持ちあげるってわかんの、こんのあたりの人には無理だべさ。」

「んだなー。油断しちまったわ。」

「登は、いつから奥地さ、きたんだ?」(昔から住んでいる、ネイティブなH市民やその周辺の人々は札幌あたりを奥地と呼ぶ。蝦夷地のころは未開拓地域だったから。)

「中2だ。」

「んだか。」

「田舎もんと思われねよう、訛りさ、気を付けていたんだけども。」

「ことばの端々さ出る訛りはごまかせねぇもんだ。」

「おめさは、あんま、わかんねなぁ。」

「大人しくして、あんまり話さねーようにしてんだぁ。」

「あ、だっから、あんなに声さ、ちっせえんだ。」

「んだ。」

『ふふ、はははぁ』

俺たち2人は目を合わせて笑いあった。

「久々に、何も・・・考えずに・・・話せて・・・たのしかったわ。」

「ああ、俺もだ。久しぶりに帰省した気分に浸れたよ。」

俺は思い出したくないと思っていたH市のことを、それでも忘れたくなかったんだと感じていた。

やはり、郷里のことを共有でき人がいると、なにかうれしくなってしまう。どんなに取り繕っても、俺は田舎者なんだな。


14時。札幌駅の構内ある、鍋の取っ手が突き出したような白いオブジェの前にはSugar Babesの4人が待ち受けていた。

「あ、来た来た。お二人一緒だったの?」

「ああ、そうなんだ。ちょうど改札で一緒になってね。」

「ふーん・・・。それだけかな?」

「え、なんだよ貴・・・。」

「いや登の口元にドーナツのかけらかな?ついてるから・・・」

「え、まじ、まじ。」

俺は慌てて口を拭った。

「えと、早く着きすぎたで、・・・いたので、ひまさぁ・・・・いや、時間つぶしてたの。」

あ、標準語に何とかもどしたなぁ~。

「おおー登が女子と2人で!よかったなあ!」

「祐、やめてくれ、でかい声で。恥ずかしいだろう。」

「登くん、グループ内での色恋沙汰はやめてくれよ。」

「亮まで。そんなんじゃない!」

「まあまあ、それくらいにしよ。さあ、Sugar Babes、臨時会議をするよ!」





「・・・・で、なんでカラオケ?」洋子に尋ねると、

「6人集まってゆっくりできるとこなんて、ここくらいしょ。」さも当たり前というように答えた。

「いや、まあ、わかるんだが・・・。こうゆうところは苦手で・・・。」

わかる。わかるぞ亮。俺もだ。カラオケなんて陽キャやギャルがウェイウェイするところだろ。

「じゃあ、Aサブとか、24でもいいんじゃん?」

「まあ、そういうなよ、登」

「ははは、せっかくだから楽しもうぜ!」

お前マイクいらないな。

「いつもいってるとこなんかじゃ、つまんないじゃない?親睦会も兼ねてるんだから、いいでしょ。」

「いや、ごめん水をさすつもりはないんだ。」


「それに、るみがあんまり札駅あたりに来たことない、て、いうから。」

「え、ん、う、うん。」


あ、またなまりでそうになったな。いま。一度もどるとすぐにもどらないんだよな。訛りって。俺も来たばかりのころはそうだった。いまはすぐに切り替えられるバイリンガルだぜ。


祐一やけい、貴はすぐに曲を入れて歌いだした。

俺と亮、るみはなかなかそうはならない。人前で歌うことに拒否感が強いのだ。陰キャには。

「あんたたちも歌いなさいよ!お金払って損するよ!!」

金払って歌わなくていいならその方が・・・・。

と3曲目をけいが歌い終わるとけいは

「あ、大事なこと忘れててた。お金で思いだした。はい、みんな会議始めるよ」

『はぁ、突然だな?』と5人。

「いやー、実は相談が。私たちSugar Babesにとても足りないものがあるの。わかる?」

「いや、まったく」と亮。

「今のところ協力し合うこともないし。なんかあるか登。」

「いや。全く。」

「うむ。わかった。リーダー、サブリーダー、体制だろうぅぅぅー!」

マイク使って話すな。祐一。聞こえるから。

「ブブー。はずれ。大切な足りないもの。それは・・・活動場所よ!」

『は』

「いや部活動でもないし。困ったときに集まればいいんじゃ?」俺はそういったが、

「それじゃ駄目よ。いつかばらばらになって自然消滅するわ。」

「うん。もっともな意見だね。確かにいまのままじゃただの友人ごっこだ。」

「亮のいう通りだと思うが・・・」

「じゃあ、我が家を提供しよう。どうかな諸君んん!」

マイク切れ。

「人んちじゃ、気を遣うでしょ。カラオケやワック、ファミレスだとどうしてもお金かかるし・・・。」

「よし、では、俺と登が出会った場所、図書館ではどうだぁぁぁぁ!」

おれは黙って祐一からマイクを取り上げた。


「あんたがいたら無理に決まってるでしょ.追い出されるわよ。それに、話し合いはできないでしょう。」

「いいかい、みんな。」いままで黙っていた貴は声を出した。

「ぼくにいい考えがあるんだ。Sugar Babesを部活動にしてまえばいいんだよ。」


『はい?!』


何それ・・・活動場所の看板には「佐藤」か?いや「Sugar(砂糖)」って書くのか?





 週が明けて憂鬱な月曜がやってきた。だが、貴の言ったことが気になっていた。


詳しくは月曜に話すよ。そういってその場は終わった。部活動?どうやって新しい部を作るのか?どうするつもりなんだ?


昼休み。いつもは俺たちはバラバラに食べる。おれは貴と祐一。るみはけいと。亮は生徒会室で。


だが、今日は違った。貴は今朝、グループラインで「今日の昼食はSugar Babesみんなで食べよう。みんなに話がある。集合場所はPC準備室で。」と入っていたからだ。PC準備室は情報処理同好会の活動場所となっている。


「さあ、いくよ。」4限のチャイムが鳴ると弁当を持った貴が言った。俺たち5人は貴についていった。

PC準備室は通常教室の半分くらいの大きさだった。ほとんどものがない。一人一台PCが生徒に貸与されているので、PC室自体がほぼ使われていない。準備室には窓際にPCデスクにデスクトップパソコンが1台だけある。そして室内の真ん中あたりに長机が2つくっつけられて設置してあった。

その机には人がいた。見たことのない女子だ。きれいな長い髪、二重瞼でキリっとした目。なにより驚くのはその豊満な胸。そしてすらっとした足を組んでいて、とても魅力的な、大人っぽい色気を持った美少女だ。

「あ、先輩来てたんですか。」

「あら、貴くん。めずらしいわね。部室に来るなんて。」


「紹介するよ。情報処理同好会代表の九十九あかり先輩だ。」

九十九・・・なんていい名字だ!

『よろしくお願いします』と5人。

2つ迎え合わせに並べられていた周りに、パイプ椅子を並べ、座る。おれたちは弁当を机においた。。

それにしても九十九。いい苗字だ。まず他と間違えられない。先輩の手は透き通るように白かった。容姿端麗とはこうゆう人のことを言うのだろう。思わず見とれている俺に隣にいたるみは肘鉄を軽く脇腹にあててきた。

「なに、やらしい目で見てるの。きもいよ。」と耳打ちしてきた。


「で、貴くん、こちらが、れいの佐藤さんたち。」

「はい、いかがでしょうか。先輩。」

「私はかまわないわよ。部員が増えるのは結構なことよ。たとえどんな理由だったとしても。」

「ありがとうございます。」


2人のやり取りを俺たちはただ見ていた。どうやらすでに貴から話が伝っていたようだ。



「と、いうわけでわれわれの活動場所が決まった。ここ、情報処理同好会が我々のアジトだ。」

『え!』


「ここなら申し分ないだろう。同好会は僕と九十九先輩しかいない。しかも同好会の活動は不定期だ。入ってしまえばいつでも使いたい放題だぞ。」

「おう、いいことずくめだな。」

祐一の声が狭い準備室に響く。

「う、うんそうだね。」

「いや、まて、一つ問題がある。」

「さすが副会長。気がついたか。」

「え、なに?なんなのいいことばかりじゃない?」けいは顔を曇らせた。

「いや、けい。同好会は4人までだ。5人以上は部活動になる。生徒会に部活動申請をしなければならない。」

「あ、じゃあ、それは亮にまかせるわ。」

「いや、けい、申請には部員だけでは駄目なんだ。顧問がいる。」

「正解だよ亮。」微笑みながら貴は言った。

「顧問を見つけないと部活申請できない。」


『まじか~』


「やってくれそうな伝手はないんですか?」けいは祈るような目で先輩に尋ねる。

「あったらもう決めておいたわ。」

『うーん』俺たちは全員考え込んだ。


「佐藤くん。」九十九先輩が俺の方を見て言う。しかし、

『はい』4人の男子佐藤は返事をした。

「あ、ごめんなさい。登くん」

「え、おれですか。」

「ええ。あなたから御厨先生に頼んだら。」

う、いちばん選択したくない提案を・・・・。

「え、なんで登?みんな3組ですよ。」不思議そうに亮。

「うん、わかってる。でも登くんからたのんだら、多分、御厨先生は承諾するわ。」

「うん、そうなの・・・か?」めずらしく小声で祐一は言った。

俺以外の5人の佐藤は俺にむかって視線を集める。九十九先輩は知っている。俺のことを。俺の過去を。Hk市時代の俺のことを・・・。俺は背筋が凍っていくのを感じた。

「手続きは僕がやるから、御厨先生の方は、登、お願いできないか?」亮は言う。

「・・・い、いやだ。」おれはふり絞るようにいった。

「なんで、一言たのむだけっしょ?」怪訝そうにけい。

「いや、けい、どうしてもそれは嫌なんだ。」

ふー。息を静かにはくと貴が助け舟を出してくれた。

「うん、そうか。じゃあ、別な先生を探そう。」

「あ、ありがとう貴。」


「登くん。」九十九先輩はそれでも言った。

「御厨先生はあなたが頼ってくると喜ぶと思うわ。」

「い、、いえそんなことは・・・。」


「よーし、違う先生を探そう!」

空気を切り替えるように祐一が底抜けに明るい調子で言った。祐一のこうゆうところが俺は大好きだ。だから、仲良くなれた。

「あ、わ、わたし、1人・・・心当たりあります・・・。」

「え、るみ誰?」

「あ、え、と・・・た先生」

『え?だれ?』

「・・・おおした先生」

『あぁぁ~』俺たち5人+1人は納得の声をあげた。



なるほど。盲点だった。大下先生はかなりお年を召しているので、どの部活の顧問もしていないのだ。


しかし、九十九先輩。いい苗字なうえに美人だ。・・・でも侮れない。俺のこと、いや俺の過去を知っている。確実に。気を付けよう。

続けられるといいな・・・

※結構長い章だったので、後半切れていても気がつきませんでした。昨日自分で読みなおして気がつきました。唐突に九十九先輩が出てきていて、あれ?ってなって気がつきました。すいません。

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