㊻帰省・寄生・既成 その8
登くんは虐待の被害者?
初恋の幼馴染のお姉さんになすがまま?
登場人物が錯綜しすぎですかね・・・・。
どこをどう走ってきたのかわからなかった・・・。ただ、あの場から離れたかった。
しばらく走ると小さな公園。そこで崩れ落ちるようにして、ベンチに腰かけた。じっと自分の足元をみつめた。ついさっき見た光景。ベッドの上で登に覆いかぶさる百合子さん。やっぱり、あの二人は・・・・。そういうう関係が忘れられないのかな・・・・。既成事実・・・。帰省中に既成事実を知る・・・。みじめだ・・なんかすごく。帰省なんてしなければよかった・・・
「ね、るみっち!」
「るみちゃん!!」
はっとして顔をあげる。
「あ、るみ・・・りっちゃん・・・」
少し遅れて追いついてきたかなは息をきらしていた。
「はあ、はあ、・・・はア~・・・・・すこし・・・落ち着き・・・・ましょうか、はあああ~」
かなはその場にへたり込んだ。
「あ、ご、ごめん・・・。」
りおはわたしの隣に座ると、
「あ~、やっぱ、あの二人そういう関係なのかな?」
と空に向けて呟いた。
「・・・・いや、でも、ゆりねえ、違うのよ、って言ってたし、ほんとは違うのかも・・・」
まつりちゃんはまだ百合子さんを信じたい気持ちがあるようだ。そりゃそうだべな。ちいせーときからいっしょうだったんだもんな。
「はあー。やましい気持ちがある人は、そういうのよ・・・・」
かなはため息交じりにそう言い捨てた。
「んだなぁ~」
わたしも、かなにまったく同意だ。やましいことしとるやつの、常とう句だ。
「うーんでも・・・・じゃ、わたし、お兄に話きいてみるわ。」
『・・・・・(ごくり)』
わたしたち3人は生唾を飲み込んだ。
それは既成事実を確定させることに他ならないことだ。
「登が・・・正直に話すべか・・・」
わたしがそう言うと、
「そうよね。もし、その・・・やましい関係だったとしたら、正直には言わないんじゃないかしら・・・」
かなが続けた。
「だね、ぜったい、ごまかしにかかるよね。今頃、二人で口裏をあわせてるかも・・・」
憎々しげにりおちゃんは台詞を吐いた。
ライン♪
ドキリとした。
誰かのスマホに通知・・・・。
あわてて、自分のスマホを確かめる。みんなもだ。
「あ・・・・ゆりねえからだ・・・・」
まつりちゃんが険しい顔で。
「な、なんて?」
「・・・・話がしたいから・・・五稜郭公園に来てほしい・・・だって・・・」
わたしたち4人顔を見合わせた。
「ど、どうする、りっちゃん・・・」
おそるおそる聞いてみた。
「・・・行こうと思う。やっぱ・・・家族のことだし・・・」
「じゃあ・・・うちらは行かない方がいいね・・・・」
家族のこと、という言葉の重さに、りおが複雑な顔で呟くように言った。
「あ、みなさんも、・・・ぜひ一緒に来てください。・・・わたしだけじゃ・・・しっかり話せるか自信ないし・・・・・。そ、それにっ」
最後の力の入った言い方に、わたしたち3人はそろってまつりちゃんに目向けた。
「み、みなさんのこれからにも、大事なことだと思うので・・・・」
ありがとう。まつりちゃん。中学生で、年下で、後輩なのに、わたしたちヘタレなJKに気を使ってくれて。
だから・・・・
「んだか・・したら、いかねばなんね・・・な?」
かなも、りおもうなずいてくれた。
その時また、
ライン♪
通知が聞こえた・・・。
それは、まつりのスマホへの通知ではない。
わたしへの通知。あわててスマホを見る。
(え、マジ!)
わたしはすぐに返事を出した。
(五稜郭公園で待ってる)
と。
函館帰省ということで、今回はるみ目線。
白い爆弾も登場予定ではあります。
ちょっと状況整理して、帰省編を何とか終了したい。
次回はつばさちゃんも出したいな・・・・。




