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㊵帰省・寄生・既成 その2

帰省です。

いいですね帰省できる人は。

帰省先もうねーからな・・・・。



「許せね!」

黒いローテーブルをバンっと叩いてるみは叫んだ。

「まあ、そうね。でも、ちょっとした意趣返しでしょ?」

番茶をすすりながら、落ち着いた口調で鈴木かなは話す。

「そったらこと、わかっとるわ!でも、なんの言い訳もせず、にやにやしながらもどってきやがって!!」

「いきなり女子二人にキスされたら、そうなるわよ誰でも。」

かなは番茶を飲みのみ、茶菓子の大沼団子を口に放りこむ。昨日お土産でもらったばかりの「沼の家」の逸品。

「おめは腹たたねのか?」

「あんな子どもじみたいたずら、どうでもいいわ。」

「あんがい、人ができてんだな~。」

るみも団子を一つ。

ここは居酒屋八幡丸。例の2階。祭りの日は遅くなるので、るみはここに泊まることにしたのだ。ついでにかなもさそった。りおはイレギュラーな助っ人だったので呼んでいない。呼べばよかったとるみは後悔しているのだった。

「ね、それより、りおちゃんだよね、あの二人、説得したの。」

新しい番茶を入れるため急須にポットのお湯を入れながらかなは尋ねる。

「きまってるっしょ。他にだれできるってさ。」

「3人で来たしね。」

「んだ。」

「これって登が頼んだのかな~・・・・」

「・・・・知らんけど・・・たぶん違う。」

「なんでわかるの?」

「もし、そうすんだったら、はじめや亮と相談するはず。」

「ああ、そうね。」

湯呑に番茶を注ぎつつかなはうなずく。

「参謀に無断で進めるほど、自信家じゃないもんね、登は。」

「んださ。それができてたら、はぁ~、今頃誰かともう付き合ってるべ。」

「ふふふ、そうね。」

新しくいれた番茶をすする,かな。

「あ、でも、これって、登の中でりおちゃんの好感度があがったということでじゃ」

ぶふっ!番茶を吹き出しそうになる、るみ。

「そうだ!そうだ!!今回、私たち、なんも登の助けさなってねー!」

「そうね。そうよね・・・」

「ちょっ、りおにリードされてるべ。どうする?」

「いや、でもまあ、おわちゃったし・・・あの写真見た後じゃ・・・・」

「どうでもいんじゃなかったのか?」

「写真自体はね。でも、感情は別よ」

「おめも、めんどくせ~おなごだな・・・」

「んふふふふ」

るみは微笑するかながなんだか頼もしく思えた。そして、大沼団子を2,3個いっぺんに頬張った。

「さあ、もう寝よ。明日も片付けあるし。」

「そうね。お布団敷きましょうか。」


2人で手際よく2組の布団を敷く。8畳間には布団が敷き詰められた。

「電気消すね・・・・」

隣り合って寝る二人。

「ねえ、かな。」

「な、なに。」

「誰が選ばれても・・・・わたしと、友だちでいてね・・・・」

「・・・え・・・あ・・・うん、もちろんよ・・・」

「ありがとう。かな・・・・」


朝9時。校舎前に集まる佐藤たちと鈴木たち。

「Sugarそろった?」

と洋子。

けい「え、っと・・・あ、登が来てないわね。」

貴「あいつが遅刻なのはめずらしいな・・・」

裕一「そうだな。あいつ時間には厳しいからな。」

はじめ「あ、伊藤さんたちも来ないね」

亮「伊藤さんたちは今日から家族旅行だそうだ。」

洋子「じゃ、時間もったいないから片付け始めましょう!」

『オッケー』

校舎前には出店で使った看板や食材の入っていたダンボールや発泡スチロールが山積みにされていた。

生臭い発泡スチロールを粉々に砕きながら、

かな「ね、登怒ったのかな?」

るい「いや、どうだべな~」

りお「ね、ね、やっぱ、へこんだんじゃない?のぼるっち」

片付けながら3人で井戸端会議。

かな「りおちゃんはいいわよね。のぼるの好感度あげられたから。」

るみ「んだ。んだ。」

りお「やっぱ~!?そう思う~?うち今回かなりいい感じに力になれたと思うんだ~♡」

『・・・・・』

りおはライバル2人に差をつけたことから、殊更機嫌がよさげだった。


裕一「ま、登は根に持つやつじゃないから、大丈夫!」

あん「ちょっと気の毒かな~」

真一「そーそー」

はじめ「・・・・いや、あれは、よくない」

ぼそっとでも力強くはじめは呟く。

亮「まあ、まあ、かわいいいたずらじゃないか、これで全部水に流してもらおう」

はじめ「・・・・」


片付けもおおむね終わった昼時。

「皆さん差し入れよ~」

両手にコンビニのおにぎりやお茶のペットボトルでいっぱいの袋をぶら下げ、九十九先輩と御厨先生がやってきた。

「おなかすいたでしょ~。さあ、食べて食べて!」

『ありがとうございま~す』

作業に没頭していた10人の高校生はたちまち群がった。

「あら?登くんは?」

はじめ「さあ、知りませんね。」

とげのある言い方をする。

けい「っま、いいじゃないですか~。1人いないくらい。」

九十九「でも今回もがんばったじゃない。登さん。」

洋子「でも~、なんか、ちょっと、むかっとしたっていうか~」

けい「ま、そーよねー」

かな「でも・・・もとはといえばあなたたちが・・・・」

裕一「そうだなー、登が気の毒だなー」

洋子・けい『・・・・・・』


その時るみのスマホが鳴った。

「ぇ・・・」

小さな呟きには誰も気が付かなかった。ただ一人を除いて。


昼食が終わろうしたときだった。

「あ・・・・・み、みなさん・・・・」

るみが珍しく声をあげたのだ。

けい「ん、なに?」

るみ「あ・・・ちょっと、・・・きゅ、急用が・・・その・・・できちゃ・・・て・・・」

洋子「あ、いいんじゃない。もうあらかた終わったし、帰ってもいいわよ」

るみ「あ、ありがと・・・」

と言うやいなや、るみは小走りに駆け出していた。

その姿を訝しがる目線に、るみは一切気が付いていなかった。


「ただいま!」息を切らして居酒屋八幡丸に駆け込むるみ。

「どっした、るみ?そっただせいて?」

「あ、明日Hkさっけぇることにした。」

「あ、おねえからそんなこと聞いてね~ど」

「いんや、あたしがきめたさ」

「んだか~」

「したら、荷造りすっから」

そういうと、店の奥の暖簾をくぐり、階段を駆け上がっていった。近頃は、Sugar Babesの活動が忙しく、家に帰らず、下宿同然に居酒屋八幡丸に居ついていた。着替えや身の回り品などを持ち込んでいた。それらを運ぶため、ちょうどよくスーツケースをもここにあった。


スーツケースに荷物を詰め終わるころだった。

「るみ~、お客だ~」

とおじさんの声が階下から響いた。

こんな時にいったい誰が・・・?不審に感じたるみの耳に階段を登ってくる足音がする。

あれ?2人いる?と訝しかがりながら、るみはおもむろにふすまを開くと・・・

「ヤッホー!るみっち!」

「こんにちはるみさん・・・。」

げ、あの二人。かなとりお!!

最も会いたくない二人が来てしまった。

「な、なしたの?」

スーツケースの蓋を慌てて閉じながら、るみは叫ぶ。

「急用というのが気になりまして・・・」

かなは笑顔を浮かべるが、目は笑ってない。

「かなっちがさー、るみっちのとこ遊びに行こーってラインもらってさあ」

「あ、そ、そう・・」

「ごめんなさいね~るみさん。ご旅行だったのかしら?」

かなはるみの手にしているスーツケースを見つめながら、穏やかな口調で言った。しかし声色から何かしら不機嫌なのは感じ取れる。

「え、っとその・・・実はその、き、帰省するの。・・・きゅ、急に帰る用事ができて・・・・」

動揺するな!るみはそう念じてながら話した。

「へー、いいなー帰省かあー。るみっちの家ってHkだよね?」

「そうよね~、いい所よね~、わたし、幼い時分に一度行ったきり、行ったことないわ~」

「かなっちも~、あーしも一度しか行ったことないわ~・・・てか、るみっちは家族で引っ越してきてんだよね?たしか新発寒あたりじゃなかったっけ?」

親しい友だちなんて作るもんじゃないな~。これは、ごまかしきれないか?とるみは思ったが、押し通すことにした。

「Hkの家はまだあるんで、その、別荘気分で帰るっていう感じ?かなぁ?」

「・・・ふーん・・・」

かなはひどく冷めた目でるみを見た。

「・・・そ・れ・が、いつまで続くのかな~?」

あきれたように鼻で笑うりお。

「あのね、るみさん。昼食の時、誰からライン来たのかな~?」

「え、いや、親からだよ~いやだな~、他に誰から~・・・」

背中に汗が滴るのを感じながらるみは精一杯の愛想笑いをする。

「のぼるっち!・・・かもしくは・・・・その関係者かな?」

ドキッという音が体内で響いているのを、絶対に悟られまいとるみは愛想笑いを続ける。

「い、いやだな・・・そ、そんなわけ・・・ないじゃない・・・」

「・・・やっぱり・・・・るみさん、のぼるの関係者からの連絡なんだ・・・」

「え、ち・・・ちがうって」

「るみっち・・・気付いていないからいうね~・・・あんた、さっきからずっと標準語でしゃべってるっしょ。」

しまった!るみは気が遠くなっていく。

「るみさん本音でしゃべるときは訛りがはげしいものね」

「Sugar Babesの中ではもう訛り丸出しだもんね~。親しくなればなるほど訛りもすごいもんね・・」

苦笑いするりおの隣でかなはむすっと仏頂面。

「・・・るみさん、あなたは距離を置きたい相手には、標準語で話してしまうのよ。気を付けた方がいいわね。で、誰からの情報なのかしら?」

「そうそう。隠し事はなしって、ことにしてたよね。フェアに、機会均等に。」

もう、ごまかせない。観念したるみは包み隠さず話すことにした。


「な、そんな情報源を!」

「もっていたの!!」

りおとかなは目を丸くしてるみを見た。

「るみさん、だてに幼馴染じゃないわね。」

一本取られたという面持ちでかなは話す。

「マジか~。妹とつながってたなんて。」

やられた感を醸し出しながらりおも続く。

「いんや、そんなたいそうなことでねーぞ。まつりちゃん、妹とも幼馴染ってだけだから。」

ふーと息を吐いて、気持ちを落ち着けるるみ。

「で、登が明日から帰省するって聞いて、慌てて帰ろうとしたわけ~?」

りおは横目で睨む。

「それは抜け駆けっていいうのよ世間一般では。」

かなは目をつぶって諭すように話す。

「・・・んん、ごめんなさい。ちょっとほんつけなかったわ・・・」

「さて、お暇しましょう。りおさん。」

「そうね~。」

「あ、けぇるのか?」

「うん。準備がいるからね~。」

「そうね~。」

「ん?準備?なに、それ?」

「あら、明日の準備よ。」

「そうそう。るみっち、明日何時に待ち合わせる?汽車の時間は?」

「は、まさか、お、おめたちもHkさ行くのか?」

『あたりまえよ!』

札幌からHkまでは特急でほぼ4時間かかります。

車で約4時間30~5時間でしょうか・・・。

わたしは車派です。

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