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㉞偽善者たちの祭り

親しい友人が距離をとっていくのは、とても、苦しい。

でも、距離を取ろうとする方も、苦しいんだろうな。

と、大人になると気づきます。

思春期真っ盛りの子どもに、それは・・・。

 祭りの前日、俺たちは学校に集まっていた。無論準備作業のためだ。俺は家庭科室で料理の下準備を全員でしていた。接客担当者はPC準備室だ。伊藤さんを迎えて以来、Sugar BabesとSuper Bellsで集まる機会はなかった。準備作業におわれていたので、そんな時間はなかった。あの日からけいと洋子は作業を終えると足早に帰宅していた。1人で、だ。いつもは、にぎやかに帰っていたのが嘘のようだ。代わりに俺たちは伊藤さんたちを中心にして帰っていった。とても心地よくて、後味が悪い帰宅時間だった。


「のぼる。」

冷凍焼き鳥のダンボールを開けていると、るみが声をかけてきた。

「けいと洋子が来てないんだって・・・」

「・・・・・・・・」

おれは返事をしなかった。こうなることは予想していたからだ。

「ね、のぼる・・・」

「うん。もう、こねーかもしれねーなぁ」

おれは独り言のように言う。

「・・・ね、登、それでいいの?・・・・」

「それで、いんでねっか。」

「いいわけ、ないっしょ・・・」

「・・・・」

 そうだ。いいわけない。高2になって、おれは生まれて初めて充実した学校生活を送った。それもこれもけいのおかげだ。Sugar Babesを結成したけいのおかげだ。でも俺は知っている。それはけいとるみの打算の産物なことを。リーダーになりたい女子。仲間を作りたい女子。その打算でできたグループだ。確かに俺たちは楽しい思いもした。しかし洋子とけいを見て思うのは・・・俺たちを手駒だと思っている、ということだ。冗談じゃない・・・・。冗談じゃない!。そんなまがい物のグループだったら、もう、いらない。Sugar Babesは何のためのグループか。けいとるみのためのグループじゃない。

Super Bellsだってそうだ。洋子のためのグループじゃない。


(「えーと、互いに力を貸しあって、助け合うみたいな。」

 けいはまじめな顔で言った。

 「ああ、互助会みたいな?」)


 結成の時、けいはそういった。建前でもだ。俺はその矜持を信じている。

 さあ、俺の、いや俺たちのターンは終わった。

 後はリーダー2人が考えるターンだ。


日暮れが近づき、接客担当の伊藤ゆいが家庭科室に来た。

「まい、登、ちょっといい?」

「ああ・・・」

帰り支度を途中でやめ、俺とまいはゆいの方へ集まる。

「あのね、けいと洋子が来ないと接客係が足りなくなるかも。ローテーション組めないかも。」

「そう、だな。」

「うーん。調理担当から回せるとしても一名が限度ね。」

まいは考え込む。

「じゃあ、まず、かなは接客に行ってもらおう。」

「えっ」

かなは突然の変更に驚く。

「な、なんで、るみさんじゃダメなの?」

「ここがHkなら、るみが適任だが・・・あいにく札幌だからな。一応、ここも。」

「・・・・・」るみは黙って聞いている。

「わかったわ。でも私一人じゃ足りないわよね。どうするの?」

「うん。あまり気が進まないが・・・1人伝手がある。助っ人を呼ぶよ。ごめん、あとまかせる。」


そういうと俺はかばんをもって家庭科室を出た。

階段を降りようとしたところで袖をつかまれた。

「待って。登。一緒に帰ろ。」

るみだった。

「・・ああ・・・」

俺たちは無言で昇降口まで降りる。外靴を履き外へ出ると、

「あんな~、おめ、なんか勘違いしてるっしょ?」

「え、何がだ?」

「Sugar Babesがけいの派閥作りだとおもってるっしょ?」

「・・・・違うのか?」

「違わない。でもそれは2番目。」

「え?したら一番目は?」

「・・・言いたくない。でも、けいは自分のためだけに、佐藤を集めたわけじゃないよ。」

「・・・・・それは、わかっている。でもな、・・・」

と言うのをさえぎって

「んだ、確かに今回のけいは・・・やりすぎだ。全然あずましくなかった。でも、登のやってることも、あずましくねーなぁ。」

「・・・・んだ。おれもだ。全然楽しくね。でもな、俺ははっきりさせてんだ。」

るみは俺の目をまっすぐ見つめた。そして

「なにを?」

「俺たちは仲間なのか?かな」

ふーと息を吐くるみ。

「よくわかんねっけども、あたしはけいが好きだよ。今こうしていられるのもけいのおかげだから。」

「おれもだ。おれもそう思ってんだ。」

 オレンジ色に染まった住宅街は、一面火事のようだった。沈み始めた夕日は最後の力ふり絞って輝こうとしている。じきに紫色に空は染まるだろう。そして、夜が訪れる。俺たちはいま落日なのだろうか。それとも・・・。俺のやってることは独りよがりの正義なのか?まがい物は俺なのか?俺が?サブリーダーとか祭り上げられて、何か大事なことを見落としてたのか?

 るみはアスファルトを見つめて何も言わない。どうするのが正解だったんだ?いやもうどうにもならん。そうだ俺はみんなにこう言おう。「一か八か」だ。

さて、町内祭りの前日です。

この話、解決するのか?だって、リーダーはどっちも更迭の上、降格処分。

普通は立ちなおれんぞ・・・。まして、女子だし。

もし俺(作者)だったら、リーダーには絶対もう声れないわ。腫物をさわるってことだもん。

安心感のある職場って大切だね!

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