㉝(S+S)÷I
感情的対立って、解決が難しいですよね。
だって、内容じゃないからこじれます。
だから、伝家の宝刀を使う必要があります。
で、今回はそういうお話しです。
次の日、俺たちは地区センターに集合した。今回は現地集合。三々五々、佐藤と鈴木が集まってくるはず。しかし、俺はある用のため、集合時間の2時間前、8時に学校へ来た。ここでかなと待ち合わせだ。あの時以来だかなとの待ち合わせは・・・・。ちょっと気分が高揚する。かなはやっぱりかわいい女子だ。その、おっきいし・・・。ああ、爆弾とのことがなければ・・・。と気が付くと校門が見えてきた。かなが立っている。遠目にも目立つ。どことは言わないが・・・。うん?あれ、もう一人いる?え、あ、る、るみ!
「おはよう、登」
「おはよう。え、っと、なんでるみがいるんだ?」
「あ、同じクラスの女子二人いた方が、安心するでしょ?相手が。」
と微笑むかな。
「んだ。かなとおめじゃ、相手がいい気しないっしょ。」
と、なんだか、けだるそうなるみ。
「え、なんで?」
「おめたちいちゃつきそうだからな!」
キッと俺たちをにらむるみ。
いや今日はそんなつもりないし。いや、さっきまでは、ちょっとあったけど。
「登、顔・・・。ずぼしでねっか」
ドキッとしたが、俺は努めて平静を装った。
「・・ま、いいべ。おなごどうしの方が、確かにいいべな。」
そういうと俺は昇降口に向かった。
2-3教室には、2人の女子生徒の人影があった。おれは、かなとるみの後に続いて、教室に入った。
「おははようございます。」
午前10時すぎ。俺たちと3人とゲスト2名を連れて、俺たちは地区センターにきた。会議室へと急ぐ。若干遅刻だ。扉を開けると、会議室には、佐藤と鈴木が8人いた。
「登、おそい!」
不機嫌そうに俺を見るかな。
「ほんとーよ。時間は守って!」
輪をかけて洋子は不機嫌だ。
「ごめんごめん。ちょっと学校に用があって・・・」
『学校?』
けいと洋子は首をかしげる。
「ああ。じゃあ入ってもらって」
『!!』
けいと洋子は目を丸くしてこちらを凝視した。
「あ、伊藤まいさんとゆいさん。同じクラスだから知ってるよな?」
「え。あ、うん」
洋子はしどろもどろ。
「どうして、ダブル伊藤さんが・・・」
けいの疑問はもっともだ。だがこれはけいと洋子以外は周知のことだ。なぜなら、昨日、すべて段取りを組んだんだから。
「え~SK祭の出店は俺たちが命じられた仕事だ。部活動でもある。しかし受賞は2-3組だ。3組の人員を勧誘して増やす分には問題ない、と御厨先生にも承諾してもらった。」
『・・・・・』
2人は黙って聞いている。
「というわけで、今回は出店の責任者を伊藤さんたちにお願いした。」
『な!』
驚いて口を開けたままの二人。
「で、伊藤さんたちにはすでに計画書を作ってもらった。(考えたのはじめと亮だけど。)」
おれは淡々と説明を進める。
「で、出店内容だが、納涼ホラー屋台 「冥土でごめんね」とするそうだ。(昨日みんなで決めた)」
『・・・・・』
ネーミングがダサいのは勘弁してくれ。はじめと亮のセンスなんだからしょうがないだろう。よし、さらにたたみかけよう。
「作業内容だが・・・」
「え、ちょっとまって、」
けいが口を挟んできた。
「もう、決定なの?わたしたちの意見は?」
洋子も不満げに言う。でもここで引いたら、もうおしまいだ。このまま突っ走る!
「・・・いや、案をそれぞれ持ち寄るんだったろう?俺の案は伊藤さんを入れることも含めての提案だ。かなもるみもこの案に協力してくれた。」
「あ、あんた、き、汚いわ!親しい女子を仲間にして!」
けいは顔を真っ赤にしていう。
「そ、そうよ。なに、かなもるみも!いくら登の言うことだからって!!」
洋子の不満は爆発寸前だ。爆弾2号になりそうだ。
「じゃあ、他のみんなは?」
俺は他のみんなに意見を求めた。
「いいよ、それで」
「いいじゃない!」
「おれ、考えてきてねーしー」
口々に賛同の声が上がる。
「じゃ、きまりだ」
『・・・・』けいと洋子は下を向いて黙り込んだ。
「じゃあ、私から説明していいかしら?」
毅然とした態度で伊藤まいが前に進んだ。
「・・・・・・以上ですが・・何か質問は?」
「え、え、ちょっと待って!」
「その分担で作業するの?」
泡を食うけいと洋子。顔がどんよりとしている。そんな様子を見ても伊藤まいは全く気にも留めない。
「ええ、そうよ。何か不都合でも?」
『・・・・』
黙り込む2人。
「では調理担当の登さん、かなさん、ゆういちさん るみさん、はじめさん、亮さんは私と打ち合わせをしましょう。」と伊藤まい。
「接客担当は私のところに集まってくださいね。」と伊藤ゆい。
そういうとそれぞれが伊藤さんのところに集まりだす。
これが今回の狙いだ。SugarとBells、佐藤と鈴木にわかれている限り、対立は続く。なら、それをばらしてしまえばいい。そうしてグループになれば協力していけると踏んだのだ。伊藤さんたちの説得には御厨先生に協力してもらった。彼らは双子だ。ただ苗字が同じだけの我々とは違う。本当の家族だ。俺たちみたいな疑似的な同族関係とは違う。だから、2つに割れていてもスムーズな協力が期待できるはずだ。と思って、ダブル伊藤に狙いを定めて協力を願った。そうチーム伊藤の結成だ。
打ち合わせはスムーズに進んだ。当たり前だ。すでにはじめと亮で決めておいてもらったから。伊藤さんたちにはシナリオ通り進めてもらうだけだ。みな内容は事前に知っているので、特に問題ない。2人を除いて。死んだ目をしている2人。おれはちらりとけいと洋子を見て、会議室を出た。玄関ホールにある自動販売機へと向かう。小銭を入れ、缶コーヒーを買う。しゃがんで取り出そうとしたとき、
「ねえ、登くん。」
ふいに背後から声をかけられた。
そこには伊藤さんが立っていた。どっちだか分らなかい。
「あ、えっとまいさん?」
「ざんねんゆいの方よ。」
「ああ、ごめん。」
「いいわ。よくあることだもの。わたしたちにとっては。あなた方もそうでしょう?」
「え、まあ、そうだけど、外見は違うからさ。」
「そうね。双子はとてもめんどくさいのよ。苗字も外見も一緒だから・・」
「うん。」
「ね、ほんとにこれでよかったの?」
「なにが?」
「けいと洋子はなんか・・・・目が死んでるわ。」
「ああ、いいんだ。」
「あなたたちの大事な友だち、仲間何でしょう?」
「・・・・いいんだ・・・。」
「ふーん。ま、わたしたちはただの雇われ店長だからいいけど。祭りが終わればバイバイよ。でも、あなたたちは、そうはいかないんじゃない。何か知らないけど、仲間なんでしょ?」
「もし、そうなっても・・・・おれはいいと思ってる。俺たちはただ同じ苗字ってだけでなんとなく一緒にいるだけ。それだけの関係なら、もう解散してもいい。」
「・・・そう。でもあなたはそれを受け入れられる?」
「たぶん・・・な」
「じゃあ、かなやるみ、他校のギャルとの関係だけ残るのかしら?」
いじわるそうに笑みを浮かべる伊藤。
「ああ、そうだ許嫁も。登さんて女たらしなのね。わたしたちも気を付けるわ。」
ふふふ。と笑う伊藤。
「その件は・・・・・いや、考えたくないな。おれはもう・・・・転校したくないので」
俺の答えを聞くと伊藤はふにおちない顔をした。
「誰かに決めると転校しなきゃならないの?」
「・・・・・・」
沈黙した。何か言ったとしても、わかってはもらえないだろう。
「ま、いいわ。さあ、もどりましょう。」
「あ、ああ・・・」
俺たちは会議室へもどっていった。
リーダーの更迭。いや降格かな?
それが登くんの策です。新たな神輿を担ぎますよ、てことですね。
ちなみに、双子の伊藤さん、登場させておいて、よかった・・・・。
佐藤と鈴木以外のクラスメートって、結構、適当だったんだけど。
小森くんとか柳川さんも活躍する話、作れるのかな。




