㉛Ⅴ・S
夏休みも初っ端からドタバタ劇の始まりです。
夏休みはちょっと視点を変えて、群像劇らしく?
登以外のエピソードで進めてみたいと思います。
夏休みになったがSugar Babes とSuper Bellsの面々は地区センターに呼ばれていた。夏祭りについての打合せだ。高1のころ時々寄ってい場所である。図書館も併設しているため、本の貸し出し返却のためだ。
「懐かしーな!登!!」
「しー。静かにしろよ、公共施設だ。」
「だって、俺とお前の思い出の場所だろ?」
そう。俺と祐一はここで出会った。とても本が似合わない祐一。でも何度か顔を会わすうちに話すようになった。
一階にある会議室へと向かう。
「失礼します」ノックをした洋子が言う前に、けいがドアを開ける。睨む洋子。勝ち誇るけい。
「・・・・あのSK高校のものですが」
はじめが二人のことを一顧だにせず、話かける。
「お待ちしていました。」
年のころは40過ぎぐらいだろうか。人のよさそうなおじさんたちが4名ばかり出迎えてくれた。
「暑いところよく来てくれた。まあ、座って。いま冷たいものでも出すから。」
「あ、いえ、お構いなく・・」
亮が社交辞令をいう。
「まあ、そういわないで。」
「すわってすわって。」
「さあ、飲んで飲んで。」
俺たちはすすめられるままに座って、出された麦茶を飲んだ。
「学校祭での君たちの店、すごい評判だって聞いたよ。」
「いや、若い人に出店してもらえれば、地域のみんなよろこぶべ。」
「じゃあ、打合せはじめるかい」
担当のおじさんたちの話によると、例年高校生の出店は、学校祭と出店と全く違っていいい、とのことだった。高校生の店が出るということが大事らしい。地域に通う高校生も祭りに参加していくれている。それが大切なんだということらしい。ただ、場所は高校の目の前、中央公園で出店。これはラッキーだ。必要な物品もすぐに手に入る。
「でな、テント二張り分のスペースをかすのでそこを自由に使ってくれ。」
「長机とか椅子とか、必要なものは貸し出せる。ただ、数には限りがある。」
「申し訳ないんだけども、計画書にそういうことも書いて出してくれ。」
「わ・・・」
けいが言いかけると
「わかりました。こちらで検討して早急に提出いたします。」
洋子がすかさず返事をした。睨むけい。勝ち誇る洋子。もう、そんなのいいだろう・・・。
「じゃあ、よろしく頼むわ。もし相談するなら、ここつかっていいよ。18時まで誰も使わないから。」
そういって4人のおじさんは帰っていった。
けいと洋子、はじめと亮はは相談を始めた。貴とかなは話を遠巻きにきいている。真一とあんはスマホをいじりだした。るみはけいの隣に座ってじっと話を聞いている。さて、今回はだまってよう。おかしなことにまたならないように・・・。
「登、図書室行ってみるか?」
「ああ、そうだな。ここは任せていいだろう。」
おれと祐一は会議室を出て図書室へ向かった。
久々に訪れた図書室は静かなもんだった。あまり人はいない。おれと祐一はそれぞれ書架の間を行ったり来たりし、本を物色する。まあ、あまり蔵書は増えていない。祐一はもう本を決めたようで、読書コーナーで読みだしている。さて、おれは・・・。
「あ、ここさいた!」
るみが声をかけてきた。なんでか怒っている。
「おい、図書室だぞ。静かにせ。」
「そんなこと言ってるばあいでね!祐一は?」
「え、あっちで本読んでるで」
「じゃ、祐一も連れてきて。はよ!」
そういうとるみは足早にもどっていった。
なんか切羽詰まってるな。おれは祐一に声をかけ、会議室にもどっていった。
祐一と連れ立って会議室へ向かうと、かなが廊下で待ち構えていた。
「ちょっと二人共どこにいってたのよ。」
「あ~、図書室さ、本読んでた。」
「もう、何考えてんのよ!ちょっと何とかしてよ!」
え、かなもなんかお怒り?何があった?
俺は会議室のドアを開けた。
・・・・・なぜかシーンとしている・・・2人を除いてみな顔を伏せて座り込んでいる。けいと洋子だけが立ち上がってにらみ合っていた。最初から遠巻きに座っていた貴と真一そしてあんが俺を見つけると静かに立ち上がってこちらに寄ってきた。
「・・・どうした・・・・」
フーとため息をつくと貴が話し合始める。
「見ての通りさ。」
「いやーなんつーの」
「あーしらも止めたんだけど・・・」
「些細なことでけいと洋子が言い合いになってね。」
かなが続ける
「はじめと亮が間に入って収めようとしたんだけど。」
「火に油をそそいでしまってね。」
祐一は目を白黒させながら
「いや、で、俺たちになにを・・・」
というと
『何とかして・・・』
4人は懇願してきた。気まずそうに。
「・・じゃあ、登、頼む・・・」
ゆっくりと俺を見て祐一が俺に言った。てか言われた。なに、俺に一任なの?
「だから、それじゃダメでしょ。」
けいが静かに洋子に告げる。
「なんで?いいじゃない。どうせやるなら、派手なほうが。」
「いやむりでしょ。そんなの」
互いに静かにでも体の芯にひびくような重い声で応酬を始める。
「いや、どうだろう、いったん落ち着いて」
亮がおそるおそるけいをなだめようとする。
「そ、そうそう、いったん帰って、明日また検討しないかい洋子・・・まだ時間あるし。」
はじめは、いつもの自信に満ちた声色とは真逆のとてもとてもおっかなびっくりな感じで洋子をなだめすかす。
「はあ、もう時間ないでしょ!」
けいは亮を睨みつける。慌てて目を伏せる亮。怒られた小学生のようだ。
「はじめ、あんたはどっちの味方なの!」
負けじと洋子もはじめを睨む。たじたじになるはじめ。
るみはアワアワしながら、目を白黒させている。
なに、あれをどうにかするの?いや無理だって。おれは尻込みして入口にもどろうと振り返ったが、
入口に陣どる5人が俺を凝視してくる。(なにもどってこようとしてるの?何とかしなさいよ!)と目で訴えかけてくる。っていうか、無言の圧をかけてくる。はじめも亮もできないことを俺ができるわけないだろう!俺も無言で返答する。
(いいから、いけ!)
1対5ではどうにもならない。おれは踵を返すと、どんよりした二人とバチバチ火花散っている戦場に歩みを向けた。
「あ、ど、どうした?何もめんてんだ?」
俺は努めて落ち着いた声で話しかけた。
「え、なに?いまごろ?」
洋子がこっちを見ずに返答する。
「まったく!副リーダーのくせに!」
けいもだ。およびでない・・・。ちょっと振り返り入口の5人に目をやると。
(なんかいえ!この場を収めろ!)という、目線を送ってくる。
「ご、ごめんごめん。一応問題点を教えてくれるかな?」
「え、何の店出すかよ!」
けいが吐き捨てる。その段階で?もうもめてるの。
「そうよ。けいはね、普通に屋台の店を出すっていうの。そんなのそこら中にあるじゃん。」
「ええ、そうよ。でも時間も人員も少ないでしょ。あなたの案は無理なのよ!」
「え、と洋子さんは何を出店したいの?」
と恐る恐る聞くと
「おばけやしきよ」
あ、やっぱり・・・。
「いやでもそれはきびしくないかな?洋子・・・」
「はじめ、さっきからあんたは!」
佐藤と鈴木どちらの参謀も黙り込んでしまった。参謀2人はわかっている。お化け屋敷は無理なことを。でも、理屈じゃない。この対立は感情の対立だ。理路整然に論理的に説得しても意味をなさない。おれはつばさとの長年の付き合いから身に染みてわかっている。必要なのは説得ではない。
「はじめ、亮、」
おれは参謀二人を納得させることにした。
「・・・ど、どうだろう。それぞれ案を持ち寄って検討するようにしたら。明後日、えーとICT準備室集合で…」
「はあ、なんでそっちのホームに行かなきゃなんないの!」
洋子が目を吊り上げる。
「じゃあ、図書準備室では・・・」
はじめが言うやいなや
「は、あんた、あの狭いとこに11人押し込む気なの?」
けいがかみついた。
「それじゃ・・・えーとじゃあ、またここでならいいんじゃ・・・・ないかな・・・」
ナイスだ亮!それなら大丈夫だ。
地区センターを出ると、
「さあ、Sugar Babes!集合!!帰るわよ。」
「Super Bells ついてきて。行くわよ。」
けいと洋子はそういうと。互いに一瞥をくれた後、反対方向に進んでいった。
「え、と、はじめ、じゃあ、あ、明後日・・・」
「あ、ああ亮。明後日・・・」
『ふー』俺たちはため息をついた。
あの、そっち行っても俺帰れないんだけど・・・。でもお構いなしにけいはずんずん進んでいく。俺たちは黙ってついていった。
あれ、学校?なんで?帰らないの?あ、学校解散か。遠足と一緒だね。きっと・・・・。
「さあ、入るわよ。」
あ、違うのね。解散したいなー。帰りたいなー。俺はまわりをみまわした。みな一様に複雑な顔をしている。
「あ、けい、今日は遅いしもう解散し・・・」
という、亮の言葉も
「はあ?!」
というけいの一喝で口をつぐんだ。俺たちは全員ICT研究部部室へと拉致された。
「じゃあ、今後について会議を行う!」
けいの高らかな宣言とともに、たいへん重苦しい話し合いが始まった。
というわけで、チームリーダーに焦点を当てていきます。
無論主人公にも活躍させたいけどさ・・・。
どうにかして活躍させていきます。




