㉘奇抜な苗字はやはり侮れない!
あ、佐藤とか鈴木に別に思うところはないですから・・・・。
学校祭は今回で終了です。
当日の話が短いのは皆さんのご造像通りです。
当日はあまり好きになれないからです。
学校祭も2日目最終日だ。俺たちの店「冥土喫茶 極楽浄土」は朝から大盛況だ。なんせ、一度で二度おいしいからな。お化けのクオリティーも九十九先輩のおかげで高い。近隣の高校からお化けの衣装や小物を集めてくれた。メイドの方もSNSでかなり話題になっている。九十九先輩だけでなく、けいやるみ、そしてイケメン執事の貴も。おかげで、俺たちウハウハだ。レジを見るたびに顔がにやける。
「悪い顔してるわよ。のぼる。」
ふいに話しかけられドキッとして振り向く。かなだ。
「いや、別に・・・悪い顔だなんて・・」
「・・・好きなのは胸だけじゃないのね・・・けっこう強欲なのね、あなた。」
なにか軽蔑した感じだが・・・。
「いや、だって、黒字でなきゃクラスでカンパだぜ。それは避けたい。」
「ま、それはそうだけど・・・でも、お金をみてにやにやしているのは、ちょっと・・・・」
「わかった気を付けるよ。」
「あ、その、前も言ったけど・・・私には気をつかわなくていいのよ・・・・その今も・・・」
「え、と・・・ああ、学祭終わったらちゃんとつばさのこと説明するから、ごめん」
「・・・・・はぁ~そっちじゃないの・・・。ま、いいわ。るいくんがきたから。」
振り返るとるみがいる
「のぼる、はやく、ナポリタンさ、だせ!」
「あ、わりわりぃ、したら、いまだすわ。」
とおれが皿をとりに席を外すと・・・
なぜか?見つめあう?にらみ合うかなとるみ。
「あら、もう、そのしゃべり方にするの?」
にこやかだがとげのある言い方。
「もう、気ぃつかわねくて、ええからな。のぼるとは、む、か、し、の通り、しゃべることにした。」
「むかし・・・・そう、そういうこと、幼馴染アピールってこと・・・でも大事なのは今よね」
「んだなぁ~。いまも、幼馴染ってことだな~」
なぜか勝ちほこった笑みのるみ。
「・・・・見てなさいよ!・・・」
苦虫をかみつぶしたような顔をして睨みつけている。いやなんで、そんなに敵意丸出し?つばさに対してならまだわかるが・・・るみはただたの幼馴染なんだが・・・。
朝から目の回るくらい忙しかった。昼時には廊下には長蛇の列ができた。
この調子なら絶対黒字だ。後はアンケートで勝利すれば・・・売り上げは俺たちのもの!九十九先輩(巨乳)けい(ギャル系)、るみ(清楚系)、ダブル伊藤(双子の姉妹、真面目清楚系)などなど、午後は全員投入してアンケートで、なんとしてもアンケートで勝利を・・・・
「のぼるっち!」
「え、は?りおちゃんもう来たの?」
「うん、昨日はあまり話せなかったし・・その許嫁?も気になるけど・・・せっかくの学校祭でしょ?少しは楽しもうよ!」
「いや、楽しみたいけど・・・その勝負が・・・」
「聞いたよ、けいに。じゃあ、うちも手伝おうか?」
「え、わ、悪いよ・・・・」
「のぼるっちと一緒に働きたいな~!」
「え、ほんと、いいの?」
「うん。こう見えて料理は得意なの!」
「え、あ、ありがとう!」
そこから俺たちは2人で調理を担当した。オーダーはひっきりなしだが、りおと一緒にやってるせいか、楽しく進めることができた。楽しさのため、「ね、あのギャルって、」「ああ、きのうもきてた、」「登と2人で調理してるって」「あのお迎えギャルだろ!」「まじか、(チラ見)わ、新婚か~」「やべー羨ま~」
などと噂になっていることには気が付かなかった。しかもそれが、お化け屋敷チームにまで伝わっていることにも・・・・。
夕暮れのメイド喫茶は何とも物悲しい。今座っているお客でおそらく最後だ。オーダーも終わっているので、おれはりおと雑談していた。すると・・・
「りおちゃんずいぶん早いんですね?」
また、だ、顔は笑ってるのに、目が・・・・。
「うん、せっかくだから、楽しみたいじゃん!い、ろ、い、ろ・・・」
「ふー」
息を吐くかな。
「ま、そうね。りおさんって意外と・・・・」
「ふふふ、あーしね、結構、がんばれるタイプなの・・・」
「そう、なのね・・・・・。意外です。」
「うん、わっかるよー。うちはこんな感じだし~。すぐ、飽きるタイプって思われるの。」
「・・・考えを改めますね。」
にやりとした笑いを残して、かなはSuper Bellsのほうへもどっていった。
キンコンカン・コーン
「SK高校学校祭終了の時間となりました。学校祭にお越しの皆様、本日はありがとうございました。お忘れ物の無いよう、お帰りください。」
学校祭終了の放送が、校内に響いた。もちろんここ、PC教室にも。
「さあ、いよいよ勝負だな・・・」
窓の向こうを眺めながら、亮は呟いた。アンケートの作成、集計は九十九先輩の担当だった。「大家で共同経営者たる私が責任をもってやるわ!」と進んで引き受けてくれた。正直、佐藤も鈴木も店の準備で手一杯だったから助かった。
俺たちは2年3組の生徒は、メイド喫茶スペースに集合した。九十九先輩が来るのを今か今かと待っていた。なんせ勝者は黒字分を丸々もらえるのだから。
「どっちだと思う」
微笑んで、貴が俺にきいてきた。
「もちろん俺たちさ。結構自信あるよ。おれ。」
めずらしく本音をいった。準備期間、そして、学校祭2日間の手ごたえから、俺のメイド喫茶コーナーは間違いなく受けが良かったと思う。メイドだけでなく、イケメン貴や筋肉祐一の執事も女性客に評判だった。SNSの書き込みからもそれは明らかだった。
だが、Super Bellsの連中も結構自信がありそうな顔をしている。はじめと目が合うとにやりと不敵な笑みを浮かべていた。あっちも自信があるらしい。
ガチャ
ドアノブが回る音。九十九先輩が来た。
「2年3組の皆さん。お待たせ。」
背後には御厨先生も。
「公平を期すために、御厨先生に同席してもらって集計しました。」
「はい、心配はなかったですよ。」
にこりとする先生。
「それでは、発表します。」
かしこまった先輩は真剣な声で言う。
みな固唾をのんでいる。
「お化け屋敷コーナーが良かった・・・票数・・・45票」
「え、そんな」洋子が思わず声を漏らす。
「ばかな!」はじけも。
よし、2日合わせて500以上の客を集めたはずだ。これは俺たちの圧勝だ!俺はそう確信した。
「メイド喫茶がよかった・・・・票数・・・・・・・52票」
「え!」おれは叫んだ。
「どうなってるの?!」けいも困惑している。
「あとは・・・無効票か?」祐一がいうと
「え、」「まじか?」「どうする?」「一応メイドの勝ちか?」「え、引き分けっしょ」「じゃあそれでいいよ」
喧騒がPC室を包む。みながっかりとも安堵とも取れる顔をしている。
「えー皆さん、最後まで、聞いてください。」
九十九先輩が話を続ける。
「アンケート結果、第一位を発表します!」
『え、?』
皆頭の中は「?」でいっぱいだ。
「圧倒的第1位・・・・両方よかった・・・・542票」
『はあ?』
「あ、しまった!」
亮とはじめは同時に声をだした。
「両方ともよかったが圧倒的に一位です。ですから、この勝負は、この店の大家であり届け出上、店舗代表の九十九あかりさんが勝者とします」
御厨先生は静かにそう告げると・・・
「え、じゃあなに」「黒字独り占め?」「先輩が!」「まじかよ」
はじめも亮も苦虫をかみつぶした顔をしている。
「く、アンケートの内容まで・・・」
「確認はしなかった・・・・」
二人とも憎々しげに九十九先輩を見つめる。
「みなさん、この結果は2年3組全員のがんばりです!ですから、黒字分は全員の打ち上げに使いましょう!」九十九先輩は高らかに言った。
『やったー』
3組全員が大喜びした。
「後夜祭の後,ASBu駅のカラオケルームを予約してあるわ」
手回しがいいことで。おれは落胆の色を隠せなかった。
『イエー』
クラスの連中は大騒ぎになった。どの顔も達成感もあり、満面の笑みで喜んでいる。
「あ、ただし」
九十九先輩は天井を見上げ、そして俺たちと鈴木を交互に見た後、
「今からいう人たちはこの後店舗の片付けをしてもらいます。」
『え!』その場の佐藤と鈴木は同じことを考えたと思う。
「無用な勝負でクラスを分断した人たちには、責任を取ってもらいましょう。佐藤さんと鈴木さん、全員手をあげて!」
S・S同盟はここでも結成されることになってしまった。
「これは御厨先生にも承諾を得ているわ。」
にこりとする御厨先生。
「私をダシにすると、こうゆう目に合うのよ・・佐藤と鈴木は店舗撤収後に来てね。場所はラインするわ。」
満面の笑みで九十九先輩は言った。
「さあ、皆さん、後夜祭に行きましょう!あとはこちらの方々に任せて。」
『はーい』
佐藤と鈴木以外は全員グランドへと向かった。キャンプファイヤーとフォークダンスをするのだ。そして最後には最優秀賞が発表される。
取り残された俺たち11人。無言で全員座り込んだ。
「・・・ふふふ・・・はははは」
けいが笑い出す。
洋子「ま、あっちが一枚上手だったね、はじめ」
はじめ「同感だ。なあ亮。」
亮「油断ならないな。先輩は」
はじめも亮もなぜかすがすがしい笑顔を見せる。
真一「でも、楽しかったなぁー」
あん「うーん」。
祐一「ああ、爆弾娘が来たりして、ドタバタしたけど」
貴「最高だったね。学校行事でこんな気持ちになったのは初めてかもしれない。」
と祐一と貴。
かな「じゃ、話は今度にしましょうか?」
るみ「んだな~」
かなとるみが微笑みあう。
りお「あーしもかたずけ手伝うよのぼるっち」
「え、悪いよ。」
「こうゆーのも、いい思いでになるっしょ!」
りおがはじけるような笑顔を見せる。
「んだな・・・それに、S・S同盟、わるくねかったしな!」
自然にHk弁になった。それだけ、この場にいる1人1人に気を許せた。
「したっけ、作業はじまるまえに」
おれは立ち上がると。
「鈴木さん、佐藤さん、今回は、ほんとありがとうごぜーました。世話になった。」
おれは深々と頭を下げた。
「いや」
「あんな爆弾さ抱えてたら」
「しっかたないべや、なあ」
『んだなあー』
みな、へたくそなHk弁で答えてくれた。
こっちさ来て、はじめて、友だちさできた。おれは、ほんと、そう思った。
「あ、のぼるっち、泣いてるんじゃない?」
「え、いやいや、何でもねー。」
みんななぜか、笑顔だ。
けいは立ち上がると
「さ、SS同盟の底力、見せてやろうね洋子!」
洋子も立ち上がり
「は、もちろんさ!さっさとすまして、カラオケルームでお迎えしてあげようぜ、先輩たちを!」
リーダーの命令一下。俺たちは片付け作業を始めた。
学校祭編は終了。
次回はからはまた別エピソードにします。
まだ、思いついてないけど。
きっと思いつくだろう・・・




