㉒来週、来襲
広げた風呂敷たたんでます。雑なたたみ方ですいません。
なお、もう、わかってると思いますが、話の舞台は札幌市です。
土地勘ない皆さんにはわかりにくいかもしれません。
Hkがどこかはわかりますよね。
先日久しぶりに訪れて、楽しかったです。
「結構様になってきたわね。」
九十九先輩は毎日、PC準備室にやって来る。まあ、自分の部活だからね。当たりまえだが・・・。
「あら、ここは、もう少ししっかり暗幕張らないと・・」
「あ、す、すいません!ほら、真一!」
慌てて、指示を出す洋子。
「ほーい。まかしてください~」
軽いな。お前やっぱり。
2の3+ICT研究部のお化けメイド喫茶は思ったより順調だ。PC室を半分に仕切り、PC準備室とPC教室の半分をお化け屋敷とし、残り半分をメイド喫茶スペースにした。PC教室にはPCはない。例のスクールGIGAの各自が持っているからだ。しかも、PC室は広いから十分な広さが確保できた。お互い勝負もかかっているので、作業にも熱が入る。が・・・
「ねえ、けいさん?」
ビクッとして九十九先輩を見るけい。
「は、はい。」
「ねえ、テーブルのセッティング、これでいいの?なんか寂しくない?」
「え、いや、これでいこうかと・・・」
「あら、、メイド喫茶なんでしょう?もう少しかわいくしませんか?」
「え、いや、もう予算が・・・」
一クラス分の予算を半分づつにして準備しているので、店内の装飾は最低限。学校机を組み合わせただけ。椅子もそのまま使用。テーブルクロスすらない。だって金ないし・・・。
「そう・・・じゃあ・・・」
九十九先輩はスマホを取り出す。なにかメッセージを送っているようだ。
しばらくすると・・・。
ピンポン
通知が来た。
「けいさん、喜んで、レース地のテーブルクロスが貸してもらえるわ。」
「え、ほ、ホントに?」
「ええ、私の友人が去年メイド喫茶を文化祭でやったのよ。その時のものを貸してもらえるわ。」
「ま、まじですか。」
「ええ。取りに来てほしいそうよ。」
「い、いきます!」
「じゃあ、明日取りに行ってね。場所はASHG丘高校よ。」
『はあ?』
ASHG丘高校だと!うちから見たら市の反対側。南区。しかもかなり山の中・・・。
まず、バスー地下鉄ーバスと乗り継いで、2時間近くかかるのでは・・。往復したら・・・・。
周囲を見回すけい。皆、目を合わせない。
「・・・祐一、貴・・・」
『え』
「悪いけど明日取りに行って!」
「なんで・・・」
泣きそうな顔をする祐一。
「あんた体力担当でしょ!行って!」
「え、じゃあなんで僕が・・・」
「祐一1人じゃ、たどり着かないかも知れないでしょ!貴と一緒なら、道に迷うこともないでしょ!」
『・・・・・』
共同経営者として申し分のないアドバイザーなのだが・・・。毎日この調子で,チェックをし、アドバイスをしてくれるのだが・・・・。
俺はとりあえず、店内装飾を手伝った。細長い風船でハートを作る。以外に難しい。余計に膨らませると曲げたりしているときに割れてしまう。結構気を付けて作業を進める。
ブー、ブー ブー
スマホが鳴る。ポケットから取り出すと・・・かなからだ。
ちょっと話があるんだけど・・・・。みんなに見つからないように、3組に来て。
ちらと見るとかなはこっそりと抜け出していくのが見えた。
「ごめん、ちょっとトイレ。」
おれはそう言って3組教室へ向かった。
ドアを開ける。あれ、だれもいないぞ?すると
「登くん、登くん」
ささやくような声がする。声のする方に目を向けると、
廊下側の壁際にしゃがみこんでいるかなが目に入った。ついでにスカートの中も目に入った。ドキッとした。顔が赤くなるのがわかる。
「・・・・ちょっと、どこ見てるのよ!」
「いや、どこも。」
「ごまかせないのよ。あなたわ。」
きっぱりとした口調で言われた。
「・・・ご、ごめん・・・」
そういいながら、俺もしゃがみこんだ。
「誰にも見つからなかった?特に九十九先輩には?」
「ああ、たぶん。」
ふーと息をつくかな。
「あのさ、相談を受けてるんだけど。けいと洋子から」
「え、っとなに?」
「・・・・わからないの?」
「・・・先輩のことかな・・・」
「・・・うん、あのね、やっぱり、3年の先輩が1人いると、その、気を使うというか・・・」
「小姑みたいで、気に食わない、ということだよね?」
「まあ、ありていに言えば。」
「・・・わかるけどさ・・・でも、一応、大家みたいなもんだろ。俺たちは店子。少々は我慢しないと。それに、間違ったこと言ってないと思うけど。」
「だから余計に息苦しいのよ。正しいから。あなた将来、嫁姑問題で姑の味方して、奥さんに愛想つかされるタイプね。」
「いや、関係ないだろそれ今。しかし、俺たちがお願いした立場だからなぁ~。」
「形だけでしょ!どうせ、展示会なんてする気なかったくせに。」
「いや、ま、そうだけど・・・」
「登!」
「は、はい」
「あなたはいつもそうよ。肝心な時は煮え切らなくて・・・こないだもそうでしょ!」
せっかく、2人きりで家に・・・・」
「・・・・なんかしたか?おれ・・・」
俺は考え込んだ。何も起こる前に見つかったので何もなかった。
「・・・だから、何もしないのがおかしいというか・・・あ~もう!いいわこの話!」
顔を赤くして怒るかな。でも、なぜ怒る?よくわからん。
「とにかく、あの小姑先輩何とかしてよ。Sugar Babesの先輩でしょ。」
「いや先輩は「佐藤」じゃないけど・・」
「同じ部活でしょ!明日からは、あなたには九十九先輩担当になってもらいます。」
「え」
「九十九先輩のアドバイスを聞き、必要があればそれぞれに伝える。必要なければ、握りつぶして。」
「え、と、握りつぶすのはちょっと・・・九十九先輩に怒られるのは僕になるのでは。」
「だから、そういう役。あなたが伝え忘れたことにして、怒られて。」
「え、な、なんで俺。」
「実行委員でしょ。あなたの直属の先輩でしょ。噂になってた者同士だし。断るなら、Sugarの仕組んだこと、たれこむわよ。Bellsに。」
「っく・・・。わ、わかった・・。」
「じゃあ、ここからは登が窓口ね。頼むわよ。」
まあ、清楚巨乳の九十九先輩と一緒の時間が増えるのだから、よしとするか。
立ち上がったかなは、俺に穏やかな微笑みを見せたあと、教室のドアへ。おれも静かに立ち上がってかなの後に続いた。取っ手に手をとったかなはふいに振り向いてきて。
「ああ、登くん」
「はい」
「あなたチラチラ九十九先輩の胸見すぎ。スケベ。」
「はあ?」
「女子はそういう目線に敏感なの。気づかれてると思うよ。本人にも周りにも。」
「うん、・・・こないだけいにも言われた。」
「あ、やっぱり。いい?もう一度いうけど、女子は目線に敏感なの。特に気になる人の目線は。」
「うん、気を付けるよ。ぐっと我慢する。」
「・・・わ、わたしと一緒のときは・・・その・・・気を付けなくても・・・・」
「は、ごめんって、その見るつもりなかったんだ。そのしゃがんでると思わなかったから。」
「そこじゃない。今もそうなのよ?」
「は?」
「んー!もういい!頼んだわよ、小姑担当。みんなから三行半突きつけられないでね!」
教室をでるかな。俺も出ようとすると
ピシャリ。
目の前でドアを閉じられた。
「先輩、いろいろアドバイスありがとうございます。今日から俺が一括して聞くのでご安心を。」
次の日、俺は先輩に告げると。
「あら、そうなったの・・・。フーン。身内で対応って、ことかしら。」
「・・・身内?」
「まあ、いいわ。それなら、楽しまなきゃね。登くん・・」
「はあ」
「じゃあ、共同経営者として一緒に視察に行きましょう。」
そう言うと、俺の左手をとり、腕を組んできた。これはあの時と同じだ。かなり密着した腕組み。あ、2の腕にやわらかいものが・・・。思わず、目がいきそうになるが・・
[女子は目線に敏感なのよ]
昨日のかなの声が頭に浮かぶ。我慢、我慢だ。でも・・・
「さあ、行きましょう。まずお化けの方よ。」
お化け屋敷の方へ行くと、Bellsを中心に作業を進めていた。さすがに来週末なので、力が入ってきている。
グイ!
先輩が俺の腕を引き寄せる。
「ねぇ、登くん・・・あの窓のところなんだけど・・・。」
耳元でささやく先輩。
「あ、はい・・・いや特に問題ないのでは・・・・」
「え~・・・・」
さらに引き寄せられる。いや、もう頬どうしがくっつきそうなくらい。ああ、いいにおいするな~。
左腕の上腕部が何かに挟まれているが・・・・。きっと気のせいだ。うん、見ないぞ・・・・。
ふと視線を感じ、振り向くと、ものすごい形相で、こちらをにらむかなだった。怒りで顔が赤い。
「あ、いや」
すると先輩は俺と腕を組んだまま無理やり振り返えると、
「あ、かなさん、今日から登くんが、わ・た・しの専属アシスタントになってくれるそうです。学校祭が終わるまで、2人で仕事を進めますね~!」
『はあ?』
その場にい全員が声をあげた。
「どういうことだ」「やっぱ、あの噂・・・」「え、だって登は他校のギャルと・・・」「いや、あれは遊びなんだろう。」「やっぱ先輩が本命」「まじか、羨ましい!」
その場に居合わせた者たちが次々に話し出す。
「え、いや、ちょっと待ってくれ。おれは実行委員としての職務で・・・」
あわてて取り繕うが・・・・。
「じゃあさ、かなでもいいじゃん。わざわざ専属って・・。」「職権乱用!」「この女ったらし!」
やばい、余計に盛り上がってしまった。
「いや、まって、実行委員として、かなさんとも相談して決めてるし、職権乱用では・・・・」
「は、・・・・かなも・・・了承・・・?」
騒ぎを聞きつけたけいとるみも来た。来るなよ話がこじれるだろ!
「おお、けい~登がさ~先輩の専属ペットになるんだって~」
あんが、改竄した情報を伝える。
『はあ!』
俺をキッとにらむ2人。
「なんでも~、かなが推薦したらしいよ~」
とまたも改変した話を告げる真一。
『え、』
二人はかなを見る。
「え、ちがうわよ、そんなわけないじゃない!」
首をぶんぶん横に振るかな。
「・・・か、かな・・・・あなたって・・・・」
るみが不思議そうにかなを見る。
「なにがしたいの?」
けいも信じられないものをみるような目でかなを見る。
「・・・・ま、それならそれでいいわ。ね、るみ」
「・・・うん、そう・・だね・」
「あなた・・は・・・・降りたって・・・・こと・・・よね?」
「いや、ちがうのよ、・・・・」
なぜかとても嬉しそうなるみ。
九十九先輩は、なぜかとても楽しそうだ。
「ふふふ、それじゃ、わたしたちは、喫茶コーナーを見に行きますから」
今度はしなだれかかるように俺にくっついてくる。
「・・っ、・・・・いや、そ、そうですね~・・・い、行きましょうか?」
『は?!』
けいとかなとるみが声をそろえる。
かなとるみは湯気が出そうなくらい顔を赤くし、こちら鋭くにらむ。いやだって、しかたないよね、左腕、はさまってるし。何にとは言わないけど・・・。
けい、かな、るみは何かもめだした。
「ちょ、どういうこと?」「いや、わたしは・・・・」「まあ、・・・・おりたなら、・・・わたしは」「いやいや、ちが・・・」「く~。先輩が上手か~・・・」
などなど、俺は意味不明だが、まあ、よしとしよう。では喫茶店の進捗状況を確かめますか。
♪ピンポンパンポン 3年2組九十九あかりさん。至急、進路指導室へ来てください。
あれ、今の声・・・・御厨先生では。
「あら、ざんねーん。じゃ、また、あ、と、で、ね。登くん。」
「あ、、はい~」
おれは、九十九先輩を出口までエスコートした。なんせ専属担当だからね。ドアを開いて、見送り、閉める。振り返る。2人の鬼が待ち構えていた。
「・・・この、ほんつ・・・いや、どすけべ!・・・」
「もう、そこまでしなくていいんじゃない?いくら窓口役だって!」
「え、いや、かな、でもこの方が作業はスムーズに・・・・」
「そうかもしれないけど!これから毎日この調子なの!!」
「・・・胸か・・・・やっぱ・・・そんなに乳が・・・」
「な、なんだ、るみ、」
「かな・・・とりあえず・・・お前の乳で慣れさせよう・・・」
『は?』
「・・・なれたら、多分、あんなにデレデレ、しなくなる・・・と思う」
かなは顔を赤らめる。
「い、いやよ、なんで私が・・・・」
とちらっと俺を見るかな。思わず先輩に負けない胸に目がいきそうになるが、我慢した。
「・・・そこよ。そこなのよ・・・もう・・・」
『はい?』俺とるみは思わず声が出た。
「え、いや何でもないわ。でも・・・ちょっとるみ。」二人はこそこそ話をする。
「あんた、が・・・でき・・・の?」「・・・こん・・・はゆる・・・」「え~。」「先輩より・・・まだ・・・・のほうが・・・」「うーん、わかるき・・・わ」
進路指導室。
御厨はいつになく真剣な顔をして座っていた。
ノックの音がする。
「九十九です。」
「どうぞ」
「失礼します。」
「九十九さん・・・・」
「え、なにかあったんですか?先生?」
九十九は頭の切れる人間だ。何か尋常でないことが起こっていることを、御厨の様子からすぐ察したのだ。
御厨は席を進める間もなくに切り出した。
「来るのよ。」
御厨は九十九と目線を合わさず独り言のようにいう。
「はい?」
「いや、来るのよ来週!」
目をつぶって叫ぶ御厨。
「何がですか?先生?」
キッと睨むように九十九を見据えると
「わからないの!あの子が来るのよ!Hkから!!」
「ぇ、え、え~!!まさか・・・つーちゃんが!!」
「そうよ、そのまさかよ!」
「な、なんで、また、!!」
「・・・うちの学校祭を見に来たいらしいの・・・」
『・・・・・・』考え込む2人。
「まさか・・・」九十九はつぶやく。
「・・・・かぎつけた?」御厨も。
顔を見合わせた二人。
「・・・登くんにつたえますか?」
口を開いたのは九十九だ。
「・・・・いや、何とか顔を合わせないようにこちらで対応しましょう。」
御厨は目線を床に落としていう。
「しかし、この学校に在籍してることを知っていたら・・・」
二人は互いの顔を合わせるようにすると
『どんなことをしても、探し出そうとする!』
沈黙が支配する。二人は思案する。どうしたら一番いいのか。
「・・・・やはり・・・・」
沈黙を破ったのは御厨だ。
「知らせるしかないわね。」
「せ、先生・・・・、でも、それは・・・・」
「そう、せっかく楽しい学校祭。楽しんでほしいけど・・・。悪いけど登くんを呼んできて。」
「はい・・わかりました。失礼しました。」
九十九が気が進まないのが後ろ姿でわかる。
「忘れたい過去・・・か・・・。」
御厨はそっとつぶやく。
ちなみに、高校生は自転車通学が多いです。(夏に限るが、冬も無理やり乗る高校生もたまにいる。)
ほっとくと10㎞以上を自転車で通学するので、許可申請時に審査する学校もあります。
話の中で、ASHG丘高校は山の裾野?中腹?にあるので、ASHG丘高校にはチャリで行きたくはないですね。




