㉒恩をうるってのが、借りを返すことだ!
50音に弱い男、S-OHです。
日本語って難しいですね。
さて、ようやく、学校祭の準備が始まります。まだ準備です。
長くてすいません。だって、準備時間が好きなんです。
まつりは当日より準備が楽しいいよね。
臨時HRの次の日、それぞれのグループが準備の話し合いを始めた。
がやがやとする放課後の教室。俺たちは当たり障りのない話から進めた。
「まず、調理部門と接客の大きく2つにわけます。店内装飾は全員で分担します。コーヒーメーカーなどは実行委員会に紹介された業者からレンタルしますが、カセットコンロ、調理器具は持ち寄りになります。持ってこれそうなものを後で聞きます。リストアップして足りないものは再度聞きます。」
けいはかなり前から準備を考えていたので、すらすらと説明をする。
「メイド服と執事服はレンタル業者に当たりをつけておいたので、人数が決まり次第発注します。」
我々のリーダーはさすがに仕切るのがうまい。
「え、え、どうする?」「いや・・・・うーん」「向こうと交渉するしか・・・・」
お化け屋敷グループが騒ぎ始めた。そうだろう。亮ははじめの計画の欠点を一つ見つけていたのだ。そこを我々の手柄にして、相手に恩を売る。それで、借りを返すだけでなく、学校祭を我々のコントロール下に置く。それが俺に黙って進められていた、Sugar Babesの勝負手だ。
かながこちらに近づいてきた。
「登くん、ちょっと相談したいんだけど。」
「ああ、わかった。」
俺はかなを廊下でるよう促す。
「あの・・・、おばけグループから調整のお願いが・・・」
「なにかな?」
「その場所のことなんだけど・・・・」
「場所?」
「出店場所は教室よね。それを半分ずつにして、お店を作るんだけど、半分ではお化け屋敷が作りづらいって・・・。」
そう、これがはじめの計画の不備だ。我々はこの教室にお化け屋敷とメイド喫茶を行う。客はお化け屋敷から入ってメイド喫茶に来て一服してから出る形になる。つまりお化けでドキドキした後メイドに癒されるという店だ。だが、教室の半分のスペースでお化け屋敷を作るのは足りない。できたとしてもしょぼいものになる。アンケートではメイド喫茶に軍配が上がるだろう。店の具体的な設計を考え出してはじめも気が付いたのだろう。
「うーんでも、こちらのスペースを小さくするのは無理だ。調理スペースとテーブル等を置くことを考えると、全く譲れない。」
「そうよね・・・・どうしたらいいと思う?」
「うーん。・・・・」
「ふふふ、登くん、ほんとわかりやすいわよね。」
「え、」
「こうなること、しってたって顔よ。」
ドキッとした。
「いやそんな・・・・」
「もうどうするか、決めてるんでしょ?」
「いや、まさか・・・」
おれはとぼけた笑みを浮かべた。
「いいわ、Bellsには言わないわ、これ以上こじれたら、収集つかなくなるもの。」
「・・・・・・・・・」
おれは何も言えなかった。
「責任者を呼んで話し合いましょう」
「・・・・・ああ、わかった。」
廊下にけいと洋子を呼び出した。
「で、なに、もっとスペースをくれ、と、そういうわけ?」
ここぞとばかりに上からものをいうけい。
「・・・・そうよ。今のままでは、とても無理なのよ・・・」
洋子は苦渋の表情を浮かべている。
「はじめ君に、そ・う・だ・んしたら~?」
うわ、なんか、やな女!
「のぼる、何?」
きっと睨んできた。
「のぼるくん、あなたわかりやすいのよ、気を抜かないで。」
かなは耳打ちしてきた。
「・・・うー、ぉ、おねがいします!・・・」
うわ、洋子が頭を下げた。死ぬほどやだろうなぁ~。
「ふーん、さすが、Bellsのリーダーね。でも、無理なものは無理よ!」
「っ・・・・」
「うちだってぎりぎりなんだから。」
ここだ。おれは口を挟んだ。
「どうだろう、教室ではない場所を確保すればいいのでは。特別教室ならもっと広い。」
「なるほどね。」
かながこちらに乗った。
「生徒会なら把握してるはず。亮に確かめよう。」
廊下に亮を呼び出した。
「フーンなるほど~。空いているとこかぁ・・・・」
なんかわざとらしいな、お前。
「いやーたいていの場所は部の連中に貸してるしな~」
「あ、まてよ、貴を呼ぼう。」
「ぅえ?」
う、声が裏返った。
何食わぬ顔で廊下に来る貴。
「なにかな?」
「いや、部活の学祭のこと」
「ああ」
「ICT研究部の展示、やめにしない?」
「え、な、なんで?」
「いや、2-3の出店場所に使わせてほしい。」
「え、亮、お前も知ってるだろう?今年こそ展示発表したいって、九十九先輩が・・・・」
すっげーな。よくそんな嘘をさも事実のように話せるな。貴すげー。先輩は初手から何もする気はなかった・・・。
「いやそーなんだけど・・・・あそこなら、PC室と準備室使えるから、お化け屋敷とメイド喫茶両方できるはず。」
「あ、なるほどー」
けい棒読みだぞ。
「ね、貴くん。お願いできる?」
洋子は必死だ。そりゃそうだ勝負かかかってるしね。
「わかったよ。九十九先輩に頼んでくる」
そう言うと、貴は部室の方へあるいっていった。が、ホントに部室に行くわけではない。行くふりだ。
「では、貴さんがもどってくるのをまちましょうか。」
かなはさらりと言う。
「え、ここで?」
洋子は不思議そうに聞く。
「ええ、多分そんなにかからないでしょ?ねえ、亮君?」
「え、いやどうかな・・・」
怪訝な顔をして俺を睨む亮。いやおれ、何も言ってない。おれは視線を外す。
「の、のぼる~、かなさんと何かあったのかな~?」
あ、なんか誤解してるぞ絶対。目が笑てないぞ。
「え、いやな・・・」
「ご想像にお任せするわ~」
微笑むかな。
その場にいる全員が俺を見る。
「いや、何もないよ・・・まじで・・・・」
「どう思う?けい」
「いや洋子、まさか廊下で・・・・」
「うーんただ、前回の件があるからな・・・」
そういうとみなかなを見る。
「なんか充実した顔してない!」
洋子がめを血走らせた。
「のぼる、まさか、やっぱりかなと・・・・」
亮はやれやれという顔をする。
「登、あんたね、そういうことをするために実行委員になったの?」
軽蔑した目でけいは俺をみる。
「いやなにもないって言ってるでしょ!」
「じゃあ、なんでかなはそういわないの!Sugar Babesは頭の中もSugarなの?」
洋子は納得しない。かなはなぜか涼しい顔だ。いや、おめのせいだろ!
「あ、貴が来た。さて、登をからかうのもこれくらいにしよう。」
「はぁ?」
「何もないのは、わかりきってるつーの」
洋子はあきれ顔。
「そんな度胸あったら、家に行ったときにどうにかなってるツーの」
けいは大笑いだ。
「のぼる、君はわかりやすすぎるんだよ・・・」
眼鏡をくいっと上げて微笑む亮。
「・・・・・もう、いいですか・・・・」
なぜかこういう時は佐藤と鈴木仲良し何だ。
「お待たせ。先輩にお願いしてみたよ」
『で』
「Okもらえたよ。ただ・・・・」
『ただ?』
あれ、予定にないぞ?
「九十九先輩もうちの店に参加するって・・・・」
『は?』
「一応借りたのはこちらだから、責任がある。合同出店ということで、って・・・」
『はああ?!』
「亮、これ認められるのか?」
おれは即座に聞いた。
「ICT研は予算をもらっていない。しかも、実質人手が一名増えるだけだ。問題ないとみなされるだろう。」
『・・・・・・』
沈黙。
「お姑さんつきでやるの!」
けいが叫んだ!
おれは慌ててけいの口をふさいだ
「おい、やめろ、先輩の耳に入ったらどうする。」
「すまん。それが場所を貸す条件だそうだ・・・亮」
「まあ、いいさ。アドバイザーと思って来てもらおう。」
「じゃあ、早速下見をしましょう!はじめたち呼んでくる。」
洋子は教室へ入っていった。
「貴・・・」
「これはイレギュラーなことみたいね?」
かなが俺たちを見て笑いながら言った。
「のぼるやっぱり~!」
けいは俺をぎろっと睨んできた。いや怖いよ普通に
「いや、俺は何も。」
「うん、登くんはなにも言わないわ。でも、わかっちゃうでしょ?」
『・・・・・』
「登くんに隠し事は無理よ。安心して、あなたたちが仕組んだことは言わないわ。実行委員ですからね。今は」
まあ、今は、か。
「今回は実行委員として、そちらに乗ってあげたわ。でも次は、わたしたちの方に乗ってね。Sugar Babes。」
「しかたないわね。」
観念したけいがいう。
「店の設計を考えるかー。行こうぜ。」
俺は佐藤たちに言った。
察しのいい仲間って、やっぱ最高です。
ツーカーっていうか、気の置けないというか。
そういう仲間が2,3人いれば、人生って十分楽しいですよね。
でも、こちらのきもちがだだ漏れはいやだな。




