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⑲突撃、鈴木チームの女生徒宅!

女子の部屋に行くって、一大イベントです。

男子的には。想像力が刺激されてしまいます。

今回はそんなお話し。

「御厨先生よろしくお願いします。」

「わかったわ。」


御厨先生に臨時のHRを俺とかなは頼んだ。俺たちは職員室を出て、教室へと向かった。

「かなさん、説明は大丈夫?」

「ええ、大丈夫よ。Bellsのみんなで考えたので。そっちは?」

「・・・・俺が、1人で作った・・」

「え、なぜ?」

「・・・連日俺が部室で計画書を作ってるのに、あいつらは・・・俺そっちのけで楽しんでやがる!しかも、昨日なんか、俺をひとりおいて・・・カラオケにいきやがった!「お前はSugar Babesのサブリーダーだ」とか言っても何も手を貸してくれん!亮ですらカラオケいきやがった!!」

「・・・・ご苦労様でした・・・(これはチャンス!)、じゃあ、わたしが相談に乗るわよ?」

「え、まじ、かなさん!助かるよ!」

「ええ、早速今日から・・・・・どこでしましょうか?」

「え、」

そう、Bellsの提案だから、文芸部部室がいいが、けいや亮がいい顔するわけはない。当然ICT研究部部室にかなは呼べない。部員でもない者にPCを触らせない!とけいが言ったので無理だ。では、どこで・・・・。

「あ、あの、よろしければ、わ、私の家で・・・・」

「え!」

「嫌じゃなければ・・・・」

「いえ、お、お願いします!」


2人で教室に入る。SugarとBellsが俺たちを一斉に見る。

「HRはいつになった?」亮がきいてきた。

「明後日だよ」

「では、かな、頼んだよ」とはじめ。


席に着くと

「・・・なんかにやけてないか?登」

「え、いやそんなことは・・・・」

するとけいが立ち上がって俺の席に近づいてきた。

「・・・なんかあったでしょ?」

「いやなにも。何もないよ~」

やべ、声が裏返った。けいはちらりとかなに目線を送った。かなは穏やかに笑ていた。

「ふーん。そう・・・」

相当怪しんでるねこれ。でも、まあ、別に悪いことしてるわけではないし・・・・たぶん。

するとけいは、るみの方へ近寄ると何かひそひそ話し始めた。るみは俺を睨み始めた。前髪で隠れてるのに、眼光は鋭いんだよな。

「まったく・・・部内でのいざこざは困るよ登。」

眼鏡をくいっと上げながら亮はいう。いや何もないよね、いま。

「まあ、登、がんばってるんだから、いいじゃん!」

祐一、ありがとう・・・・。


放課後が来た。

おれはけいの席にいくと、

「あ、けい、今日、俺、部活休むから」

けいは俺に一瞥をくれると

「フーン。・・・・・・なんで?毎日部室に来てる、皆勤賞のあなたが?」

「あ、いや、今日、親と出かける約束が・・・」

「へー・・・・、何があっても九十九先輩の巨乳目当てで、ただただ来てたのに、親の用事が・・・」

げ。ばれてる。おれがチラチラ見てるのばれてる。

「・・・・どこ・・・行く気なの?」

ギク!気が付くと背後にるみがいた。

「いや、だから、親と用事があるの!じゃあ!!」

おれは二人を振り切るように教室を出た。


「亮、祐一、」

けいが2人を呼んだことに俺は全く気が付かなかった。


かなとはあらかじめ待ち合わせ場所を決めていた。校内や学校近辺だと誰かに見つかる可能性がある。見つかれば、BellsにもSugarにもばれる。それはまずい。それに、何より、また、女子と2人で下校なんてしたら・・・、学校での俺の評判は・・・・わやになっちまう!



「ごめん、待った?」

「いいえ、今着いたところよ。」

かなの最寄りの地下鉄駅、K24駅で待ち合わせる。俺は、地下鉄を使わず、バスでK24駅へ行った。地下鉄は利用者が多いので、学校誰かの目につく可能性が高い。時間はかかるが、バスを使った。バスなら万一学校の誰かと一緒でも、こちらも気が付く。

「ごめんなさい。たいへんだったでしょう?」

「いや別に・・・」

「じゃあ、行きましょう!」

かなの後ろについて歩いていく。かなも用心して、メインの道を通らず、住宅街の比較的人通りの少ない道を選んでいるようだ。初夏の陽気で17時でも結構な暑さだ。15階ぐらいだろうか、結構大きめのマンション入口についた。

「ついたわ。ここよ。」

「はー、立派だな。」

「築年数は結構経ってるから、そんことはないわ。さ、行きましょう」

俺は促されるままにマンションのエントランスに入った。オートロックの機械にかなは番号を入力し、キーを回した。

自動ドアが開き、俺たちはエレベーターへ向かった。

エレベーターに乗ると、かなは15階を押した。最上階の住人だ・・・・。あ、今までうかれていて、考えてなかったが・・・親とかいるんじゃ・・・。あ、挨拶考えなきゃ!はじめましてからか?やっぱ・・。俺はエレベーターの中で考え込む・・・。

「の、のぼるくん・・・緊張しないで・・・・。その、い、家には誰もいないから!」

「ふえ!」

心臓が絞られるように驚いた。家に誰もいない。俺たち2人きり・・・・。

「あ、うち共働きで、両親とも帰り、ぉ、お、遅くなるから!・・・その遠慮しないで・・・」

ちらっとこちらを見たかなの顔はほんのり上気して赤い。

それは、その、そうゆうことですか?いいんですか?・・・・やばい、別な緊張感が!どうする、どうする。で、でも、彼女ってわけでもないのに・・・・。え、じゃあ、付き合ちゃうてこと・・・・。

「こ、ここだよ。」

ドアにカギをさしてサムターンを回すかな。

「お、おじゃまします」

築年数が経っているというが、とても小奇麗で、整理整頓されている。玄関を入って居間に続くであろう廊下を途中で右に曲がる。そして左にあるドアノブに手をかけたかなは、

「こ、ここが、わ、私の部屋。ど、どうぞ。」

かなは、ぎこちない笑顔で俺の方へ振り向いた。緊張感!緊張感!!お、おれは、いや、俺たちはあくまで学校祭の相談しにきた、だけだ・・・・。そんな、いかがわしい気持ちで来たわけじゃない、・・・・はず。


 かなの部屋は白を基調とした落ち着いた雰囲気の部屋だった。入口の対面に窓。白とスカイブルーの学習机が向かって左手の角に配置されていた。木目を生かしたシンプルなつくりのベッドが入口から向かって右の壁に配置されている。学習机に続く壁には大きな本棚が2つ並んでいる。そして部屋の真ん中に楕円のローテーブル。天板がガラスでできていておしゃれだ。

「どうぞ」

進められるままに、ベッドとローテーブルの間に置かれたクッションに座った。

「ベッドに寄りかかっていいから。」

「あ、ありがとう・・・」

ふりかえってベッドを見る。かなが毎日使っているベッド・・・・。俺は静かに寄りかかった。何とも言えないいい香りが鼻孔をくすぐる。がんばれ、俺の理性・・・・。

「あ、な、なんか飲み物とか、も、もって来るから、その、計画書だして、お、おいてね。」

そういうとかなは部屋を出ていく。

かばんから計画書を出すと、対面にある本棚に目をやる。女子の本棚か。おれや祐一が読むような本はさすがにないな。

キィー

「お、おまたせ・・・」

お盆の上には麦茶のポットとグラスが2つ。

「こ、こんなものしかなくて・・・ごめんね」

「え、あ、いや、おかまいまく・・・・」げ、かんだ・・・「なんも、なんも、きい つかわんでけれ~」って、いえればな~。るみだったらそれで済むな~。

「あ、計画書。見せてね。」お盆を床におき、グラスをテーブルに並べたかなは・・

俺の隣に座ってきた!

「え、え、いやちょっと・・・」

「・・・だって、こうしないと相談しずらい、でしょ・・・」

ぎこちない笑顔でほのかに赤い顔のかな。かなの顔が俺のすぐ横に・・・。肩がふれあっている。ああ、髪からシャンプー?コンディショナー?のいいにおいが・・・。

「あ、なるほどね・・・そういうことに・・・。すごいね、登くん。さすがだね。」

「え、いや、はじめの提案をただ整理しただけだよ・・・・。」

「ううん、私はこう書けないわ・・・・」

俺を見つめてくるかな。あ、やばい、そういう流れ?いやまだ、来たばかりで・・・。

「あ、あのね、登くん・・・」

「ひゃ、ひゃい・・・」だから噛むなおれ。

「あたしね・・・」

その時

ピロン!

ラインメッセージだ。

で、でも、これは無視だよね、雰囲気的に・・・。

ピピン!ポン!ピロン!ピロリン!

次々に通知が来る。

いやでも無視だろうここは!

「の、のぼるくん・・わたし・・・」

すると今度は

ピン、ピピン。ピロン、ピロリロ、

かなのスマホにも次々通知がくる。

俺とかなは目線を外しあって、テーブルの麦茶を見つめた。

「かなさん、これは・・・たぶん・・・」

「わたしも・・・そう思うわ。」

俺たちは意を決してスマホをだし、ラインを見た。

すると・・・・


「のぼる、親との用事すんだかな?」(貴)

「のぼる、バスにのっったりしてないよな~」(祐一)

「僕たちは、K24j駅にいるんだけど・・・」(亮)

「用事すんでるわよね?登も来るよね?」(るみ)

「こないと・・・・・迎えに行くけど~」(けい)


げ、な・・・・なんで。おれはかなの方を見たすると・・・。肩を震わせ、真っ赤な顔をしているかながスマホをじっと見ている。

「あ、か、かなさん・・・」

「の、のぼるくん・・・・・これ」

恐る恐る画面を見せる。


「よ~かなちゃ~ん、何してたの」(真一)

「ま、っさか~、誰かとー、一緒じゃないっしょ?」(あん)

「今、僕たちはK24j駅にいるんだ。よかったら、こないかな?」(はじめ)

「こ、な、い、と、迎えに行っちゃうよ!」(ようこ)


顔色が青くなっていくのが自分でわかる。かなも真っ青だ。

「これは・・・・」

『ばれてる!』

「ど、ど、どどうしよう!」

「そ、そうね、い、いそいで家を出ましょう!」

「うん、それがいい」

俺は計画書をかばんにしまい、立ち上がった。

その刹那

ピロン!

俺とかなに同時に通知が鳴った。

その通知は「だるまさんがころんだ」と言っているのと同じだ。俺たちは息をのんで止まった。そしてそれぞれのスマホを取り出し、画面をこわごわと見た。


『迎えに来たよ!』


どちらにもそう出ていた。


「なぜか、Sugar(Bells)の人たちもいるんだけど・・・呼んだの?」

ご丁寧に集合写真付きだ。Sugar&Bellsの。しかもバックには、俺が先ほど入っていたマンションのエントランスが写っている。


俺は力なくその場にへたり込んだ。

ほどなくして、

ピンポーン、呼び鈴が鳴り響いた。

かなは動けなかった。

ピンポーン

「かなちゃーん」とけいの声がする。

「迎えにきたよ~」と洋子の声も。

インターフォンの画面には佐藤が5人鈴木が4人計9名が写っている。

観念したかなは、

「い、いらっしゃい、みなさん。いま、あけますね・・・」

オートロックは解除された。



亮「で、どうゆうことかな?登?」

「いや、その~、実行委員として打合せをしようと・・・」

けい「じゃあ、そういえばいいのに」

祐一「そうだみずくさいぞ!親の用事とか嘘ついて!」

俺たちは全員リビングに集まっている。さすがに総勢11名はかなの部屋には入らないからだ。


ようこ「ねえ、ねえ、かな~。お家で何するつもりだったのかな~?」

「え、いや実行委員として話し合いを・・・・」

かなは気まずそうに答える。

るみ「・・・じゃ、じゃあ、学校で、す、すればいいのに・・・」

あん「そう~だよ~、家に連れ込むなんて~、だいたーん!」

かなはかなで問い詰められている。


貴「登、きみがこんなに節操がないとは思わなかったよ。ところで、かなさんの家族が帰宅前に引き揚げなきゃ。」

真一「それ、それ、この人数じゃ迷惑っしょ!」

「あ、それは大丈夫よ、うちは遅・・・・。」

かなは大きなミスをしてしまった。みんなはかなを見つめるが、俺はじっと目を伏せた。

『・・・・・・・・・・』

リビングが沈黙に包まれる。

洋子「帰ってくるの遅いんだぁ~・・・フーン・・・」

とても冷ややかな目でかなを眺める。

けい「うーんと、登くんさあ~、」

「は、はい・・・」

ききたくないその続き・・・。

けい「しってたのかな~?」

「え、な、なにを?わからないぁ・・・」

ごまかしたい・・・。

貴「きみは・・・本当にわかりやすいね、そこがいいところなんだけど・・・」

るみ「・・・・、し、知ってて、き、きたんだ・・・・」

汚いものを見るような目。


『・・・・・・』

11人が無言でいるところは、壮観だ。9人の視線は俺とかなを交互に見ている。


陽キャは沈黙に耐えられない。

あん「ふ~。・・・かな、や・る・気、満々じゃーん!」

真一「そのと~りっしょ~!」

「いや、ちがうの~!」

首まで真っ赤にしたかなは両手で顔を覆う。


けい「のぼる、あんったって、思ったより、いや思った以上に、」

るみ「・・・や、やらしい・・・・」

「いや、まって、打ち合わせにきただけで・・・」

おれは取り繕おうとしたが

祐一「打ち合わせの後・・・・」

貴「違う打ち合わせもしようと思ってたんじゃないかな~」

亮「まったく、グループ内の恋愛沙汰は困るよ。」

グループ内じゃないよね。無実だよね。

5人とも俺を睨む。


そして、俺たちはお雛様よろしく2人並べられて座らされた。俺たちを囲むように丸くなる9人。

「さ、2人とも」

『は、はい』

『このたびは、申し訳ありませんでした。』

俺とかなは床に手をついて頭を下げた。

くそ、もう少しだったのに・・・。

では、次回からは広げた風呂敷をなんとか

たたんでいきたいと思います。

(たためるのかな・・・)

学祭マジックとか期待しないねで。

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