155 俺たちは期待を裏切らない・・・
高3編は後日譚的な感じで進めています。
夏休みも終わり、新学期が始まった。高3ともなれば、この時期はみなぴりぴりしてくる。もう進路の目標が定まってくるからだ。否応なしに季節、時間が過ぎていく。何となくそわそわした雰囲気の昼下がり。昼食後の休み時間。
「のぼはさあ、進学?」
「ああ、一応」
「ま、そうだよねー。うちはどうしようかなぁ~」
教室の窓についている、安全バーのような金属の棒を背にしてよりかかり、いすに座る相馬君とことりさんの3人で世間話。
「ね、ジゴロののぼさん、あんた卒業したらそのまま、るみちゃんと付き合いつづけんの?」
「人聞きわるい二つ名つけんでください。」
「じゃあ、たらしの登、許婚はどーすんの?」
「・・・・・検討中・・・・」
「先送りかぁ・・・政治家みたいだね、のぼくんって・・・」
二の句は付けれないな・・・・。
カツカツカツカツカツ・・・・
軽快な足音が聞こえる。
これはスニーカーや上履きの足音ではない。上靴もローファーにしている者の足音。日常的にそんなものを履いてるのは・・・。
「ちょっと!けいと洋子は?」
開け放たれた教室の入口から顔を見せたのは、予想通り五十鈴まどか生徒会長閣下。
「あ、二人とも亮とはじめと一緒に外でランチデートだと思・・・・」
「あ、登、あんたがいたならいい!」
と俺の方に一直線に迫ってきた。
「あ、おれ、なんかした?もう、学祭も終わったし・・・なんもしてない、・・・と思うけど・・・」
「あんたじゃない、こっち!!」
そう言うと握りしめていたA4の紙を俺の鼻づらに広げてきた。
「え、なに、これ・・・・・・って、え、えーえええーーーー!」
目を通すと、あまりのことに驚愕した。
「なんじゃ?これは!」
「ね、あんた、どういうことか、知ってんでしょ?」
睨みつける五十鈴閣下。
「いや、お、俺はなにも・・・・」
「嘘おっしゃい!関係者でしょ?」
「いや、違う!あれ、でも関係者?といえばそうなのか?」
「もう!あてにならないわね!」
「ラインとかでけい達に連絡とったら?」
「あいつら、ランチタイムは、スマホの電源落とすのよ!はじめも亮も!生徒会役員のくせに!!」
握ったこぶしが震えている。
ああ、休憩時間、しょっちゅう呼び出してたんだな・・・・。五十鈴もこじらせてるもんな・・・・。
「なした、のぼる?」
「なに?浮気?そうでしょ?相手は・・・五十鈴さん?」
るみが、なと一緒にもどってきた
「ちゃう・・・って、それよりこれ!」
俺は五十鈴から紙をひっつかむと、2人に渡した。
「ん、なんだんべ?」
るみは受け取り、かなにも見るように促す。
『・・・・は?・・・・』
「なんだべ!」
「これ!!」
俺の元カノと今カノの息がぴったりで、何とも言えない気持ちになる。
「のぼる、おめ・・・まさか・・・」
「うん、これは言い逃れできないわね・・・」
そして、同じようなジトっとした目で俺を見る。
「いや、いやいやいや、いや、俺は何も知らないし、してない!ほんとだ!!」
『・・・・』
いかにもはんにんのような反応。
「あの、なんか知らないけどさ、」
「そうね、もう・・・」
俺たちのやり取りをにやつき、何かを期待していた相馬君とことりさんがそう告げた時、予鈴が鳴り響いた。
まあ、そういうわけで、次回に続きます。




