⑫え、っと、宣戦布告かな?・・・かな!?
昨日はUPできませんでした・・・。
ギャル登場させたはいいが、どうしたもんか考えこんでしまいました。
なんで、登場させたんだ?おれ!
今日は登くんは出てきません。札駅で遊んでるので。
るみはけいとかなを連れて、居酒屋八幡丸へ。店のドアを開ける。
「お、るみか。今日はバイト日でねど。」
「いんや、2階借りての。」
「ああ、ええど。」
「じゃあ、入って。」
けいに続いてかなも入っていく。
「こ、こんにちわ」
「あれ、ずいぶんと、はー、めんこい子たちだなや。友だちかぁ」
「うん。ちょっと勉強さ教えてもらうの。こっちが佐藤けいさん。んで、そっちが鈴木かなさん。」
「いや、るみのことよろしく頼むわ。こないだもそういえば、佐藤さんだったな。まぁ男だったけんどもな。」
「あ、おじさん、シー」
「あ、いったらまずかったか?」
「いや、うん、ま、ええか。」
『ふーん』2人はるみを、横目で見た。
「な、なによ」
「いや、なにも」
「ええ、なにも。」
「さあ勉強よ。」
「そうね。」
2階の部屋。けいとるみは並んで座り、ローテーブルを挟んで対面にかな。
フ~3人ともおもわず息を吐いた。これから始まる話し合いに心も体も準備を促すため。
「・・・さぁて・・・」口火を切ったのはるみだった。
「あの、赤髪ギャルもどきがなんで、うちの学校にきたのかなぁ~。けいちゃん、何か知ってるんだよね?」
自分のホームグランドで、しかも、かなり気持ちが昂っているせいか、るみはいつになく流暢に標準語で話した。その口調と声色にけいは気圧された。
「え、いや、その-・・・りおは・・・あ、あの子りおっていうんだけど・・・・、の、のぼるがかなり気にいったみたいで・・・。」
「それは、異性に対する気に入った、ってことでいいのかしら?」
笑顔で、しかし目は一切笑ってない、鋭い眼光と一緒にかなは参戦した。
帰りたい。今すぐこの部屋をとびだして、階段を駆け降りたい。そんな思いを抱きつつも、さすがにそれをする勇気はけいにはなかった。ローテーブルの黒い塗装をじっと見つめながら、こわごわと答えた。
「えっと、たぶん・・・そうなのかな・・・・ははははぁ~、はあーーーーー」
何とか空気を良くしようと、カラ元気で笑ってみたが、それは最後のため息に収斂されていく。
『たぶん!』2人は声をそろえた。
「たぶん、なの。予想なの?けいの。それとも・・・・」
血相を変えてるみは問い詰める。
「そう、そこが大事なんですよ。何か確定的な言質があったのかしら?」
相変わらずの鉄仮面のような笑顔と全く笑っていない、鋭い眼光でかなは言う。
どうしよう・・・。どうしよう・・・・。言うべきなのか・・・。言わない方が・・・けいの頭の中では、ぐるぐると思考が堂々巡りしていた。もし、言えば決定的である。しかし、この場はお開きとなるだろう。「よし」心の中で決心を表明し、務めて明るい口調とともに、思い切って言った。
「いや、きのう、電話で話したときに、「りおねぇ~、登を好きになった」って相談されてさぁ~」
『・・・・・・・・・』
静寂。2人とも何も話さない。ピーンと張り詰める空気。けいは青い顔をしたまま、冷や汗をいている。しかし、笑顔だけは絶やさまいと必死に表情に集中した。沈黙は時間にして10秒くらいだが、けいには永遠に続くと思われた。
「・・・おめーのせいでねか・・・」ほとんど聞こえない声がした。
「え、えっと~、何かな~るみ?なにかいったかな~」
けいは務めて笑顔でいったが、どう見てもへらへらしてるようにしか見えなっった。
「あら~、そんなに笑顔で・・・。けいさんは、りおさんと登さんがうまくいきそうで、嬉しいんですね?そうですよね?ね?」
かなも、作り笑いをした顔でけいを見つめた。6畳間の空気は、張り詰めたものから、ひんやりとしたものに変わってきたことがけいにはわかった。部屋の空気は冷たいが顔は逆にどんどん熱くなってくる。鼓動の響きが頭に伝わってくる。「何か、言わねば。この空気をかえるいい言葉を!」けいは考えた。作り笑いを精一杯浮かべながら。・・・・しかしなにも浮かばなかった。
バン!
ローテーブルを両手でたたく音が響いた。けいとかなはたたいたるみをそっと見る。
「・・・う・・・うそ・・つき。助けてくれるって。協力するって・・・・・。ここで初めてできた友だちだから・・・信じてたのに~!!」
最後の言葉を叫ぶと、ものすごい怒りの形相でけいを睨むるみ。長い前髪から見える目は、まさにギロリという擬音がしている。
「ごめん、ごめんなさい。こんなことになるなんて思ってなかったから!だって、りおみたいなギャルが
登を気に入るなんて思わなかったの・・・・。」
「・・・それは、そう・・・・思うけど・・・・。」
そこはなぜか納得するるみ。
「わたしは、納得しませんわ。けいさん。」
かなが二人の会話に刺さりこむ。
「・・・えっと、かなさんは・・・・何を聞きたい・・・の?」
今更の感もあるが、るみは思い切って確かめた。
「る、るみ。きかないほうが・・・」
嫌な予感しかしないけいは慌ててるみをとめたが、
「あら、わからないかな~。るみさん。」
勝ち誇ったように笑うかな。そんなこともわからないの?困った人ね。という見下した態度がありありとわかる。
「るみさん、あなたの本当のあいては。私よ。」
「・・・・えっ・・・・」
「もう、ついてくるところでわからなかったの?るみ?」
「・・え、だって、登だよ。」
「え、まあ、そうだけどさぁ。」
それくらい登という男子は可もなく不可もない。
同じころ、3人の女子とわかれた鈴木と佐藤はなぜか一緒にAサブのアイゼリアに集まっていた。
「いやー、何ツーの?ちょっとぉ~驚きの~」
「展開っしょ~」
ギャル鈴木とチャラ男鈴木が楽しそうに口を開く。こういうのが大好物らしい。
「これは修羅場ってやつですかね~」祐一はいつになく落ち着いて話す。
「亮、気づいてたのか?」
鈴木はじめはあらたまった口調で尋ねてきた。
「どっちのこと?」
「佐藤の方に決まってるだろ?」
「あ、いや~なんとなっくってとこかな。」
「そっちは、」
「ぜんぜん~。」
鈴木洋子はなんともがっかりしたような様子で、力なく答えた。そして
「てか、貴さー、登とかなと同じクラスだったんでしょ?気づいてた?」
急に話をふられて、佐藤貴はビクッとした。
「え、いや、なんというか気づいてたというか・・・」
「なんなんそれー?」
「なんか、ひっかかるー」
ギャル鈴木とチャラ男鈴木はここぞとばかりに食いついてきた。
「いや、でも、それはちょっと・・・言っていいかどうか・・・」
『言え!』貴をのぞく佐藤と鈴木は一斉に言うのだった。
貴は去年の学校祭のことを思い出していた。
登は高1の学校祭は2日間仮病で休んだ。でも、学校祭の準備自体はしっかり手伝っていた。か性格上、さぼるということはしない。「やりたくねー」とか「帰りてー」とか言いながら、絶対手は抜かなかった。
かなとは確かに同じクラスだったが、かかわることはまったくなかった。あの日までは・・・・。
学校祭の出店は「クレープ店」だった。かなたちは調理担当だった。僕と登は店内装飾。今思えば、登が店内装飾を選んだのは、最初から当日来る気はなかったからだろう。学校祭2日前の放課後。俺たちは2人で「1-4 クレープ!」とかく、看板を作成していた。帰りに本屋とワックによってこうぜ、ついでにゲーセンよるか?などくだらない話をしながら作業を進めていた。気が付くと薄暗くなっていた。今日室に残ってる人間はいなかった。いや、いないと思っていた。
「あ、ポスターカラーがたりないなかな?」
「ああ、そうだな。」
バターン、ガッチャーン!!
誰もいないと思っていた教室に突然響いた音。
見ると、いくつかの机と黒く塗られたダンボール、カセットコンロ、そして、クレープづくりの道具や材料が散乱していた。誰もいないと思っていた教室。しかし、俺たちの他に1人女子生徒がいたのだ。田の字に並べた机の上にダンボールが3個くらいの高さで壁のようにのせてある。その壁が黒板前に3,4m続いていた。俺たちは教室の最後方で、黒板を背にして作業していたので、全く気づかなかったのだ。
「え、なにがあった?」
登は言うやいなや、立ち上がった
黒板の前で呆然と立っている女子生徒に近づいていった。
「だいじょうぶ?けがはない?」とても落ち着いた口調で登は話しかける。
「あ、え、だ、大丈夫・・・・・。」
「こんな時間に何してたんだい?」
「あ、わたし、作るの苦手で練習してたんだけど・・・。つまずいちゃって・・・・」
女子生徒は青い顔をして、答えた。
「どうしよう・・・・。これ・・・」
「元にもどすのは大した手間じゃないよ。3人でやればすぐさ。」
「でも貴くん、その小麦粉どうしよう・・・・・」
そこで僕たちが目にしたのは、米袋のように大きい業務用の袋がひっくり返って、黄色みがかった粉がぶちまかれた光景だった。
「どうしよう、これもうほとんど使えないよ・・・わ、わたしのせいだよね・・・・」
女子生徒はうっすら涙をうかべ始めた。
「とりあえず、そうじして元に戻そうぜ。」
登は涙ぐむ女子生徒にお構いなく、かたづけを始めた。ぶちまけられた小麦は捨てた。
最初落ち込んでいた女子も一緒に作業すると小一時間で終わった。
「よし、いいだろうこんなもんで。なあ、貴。」
「お疲れさま。じゃあ、帰るか。」
「え、ちょっとまって。小麦粉はどうするの?」
「あ、そうだったね。先生に頼んで新しいものを注文してもらおうか?」
「だめだよ、貴。明後日に必要なんだ。間に合わない。それに新しく注文するとその代金も貸付金として形状される。借金が増えるってことだ。」
「じゃあ、どうするの・・・」
絶望的な顔で女子生徒が聞いてくる。
「まあ、おれがどうにかするよ。」
『え』
「貴、その子、送ってやってよ。俺、何とかしてくるから。」
そう言うと登は教室を飛び出していった。
『・・・・』僕と女子生徒は見送るしかできなかった。
次の日、学校祭前日。朝登校してくると、「小麦粉ないぞ!」「どこにいった?」「やべー盗まれたのか?」と大騒ぎだった。あまりの騒ぎにその女子生徒も言い出しにくそうだったのを覚えている。でも意を決したのか口を開こうとしたその刹那だった。
「ごめん、ごめん!」業務用の小麦粉袋を2つ担いだ登が教室に入ってきた。
「え、」「うん」「のぼる、その袋は?」教室の誰もが不審い思って登に話しかけた。
「いや、ごめんごめん、おれが、昨日小麦粉の袋ひっくり返しちまったんだ。」
「え、」「まじかよ」「ひどいじゃん」
「いや、ごめん。だからこれお詫び。」そういって小麦の業務用の大袋2つを床においた。
『おー』教室の連中は一気に盛り上がった。
「これでかんべんな。」
「おお、ありがとう」「かえってわりーなぁ」口々に声を出すクラスの奴ら。
女子生徒だけが気まずそうに下を向いていた。そして、
「え、ねえ、ちょっと、ま」
「いやー、俺ってドジだからさー。なぁ、貴!」
登は僕を見つめたんだ。静かにね。でも、すごく意思の強い目で。
「あ、ああ、おれも一緒だったから。」
「まあ、そういうことでよろしく。」
そういって僕たちは看板作りにもどった。
その女子生徒は俺たちの方をじっと見て、でも、なにも言わずに仲間のところへもどっていった。
それが・・・・
「そんな・・・ことがあったの・・・」
くしくも同じころ居酒屋八幡丸2階では、小麦粉ぶちまけ事件の真犯人から、ことの仔細が語られたところだった。
「ええ、まだクラスに馴染めてないころで、ボス的な女子にもちょっと目をつけられてて。こんな事件を起こしたとわかったら・・・って登くん気を使ってくれたみたい。」
「で、その、・・・好きになったの?」けいはすっかり思い出話に聞き入ってしまい、自らのミスについては全くなかったことのように。
「・・・なんか・・・かなってチョロい・・・・女?」
「いや、わかるよ、うん、人を好きなるきっかけってそんなもんだよね~」
けいは自分の好きな話になってきたので食いつきが強くなってきた。
「けいさん、わかるんですね?好意を抱くのには、きっかけさえあればいいものです。だから、赤髪ギャルを紹介したあなたは、許せません・・・・」
「う、っっ」
失敗したとけいは顔をゆがめた。
「・・・・まったく・・・だね。」
るみもつづいた。
この魔女裁判のような時間はいつまで続くのだろう・・・・。けいは思った。
「では、こんどはそちらの話を聞かせていただけるかしら?るみさん?」
かなは迷いなくるみを見据えた。
「え、わ、わたし・・・」
「ええ、あなたでしょ?私の相手は。」
そこで、けいはすかさず。
「え?わたしは?わたし?」
「あなたじゃないのは、最初からわかっているわ。好きな男子にわざわざギャルを紹介するわけないですからね。」
「っ・・・・・・」
「それで、る・み・さん。あなたは彼とどこまで進んでるのかしら?」
『はぁ?』るみとけい
「あら、まだまだでしたか・・・。安心しました。じゃあ、あなたと彼のこと、教えてくださる?」
「え、・・・そ、それは・・・・。」
まずい。かなのことを聞いてしまった以上、私と彼とのことも話さないとフェアじゃない。るみはそう思うのだが・・・・言い出せにくかった・・・・。
「・・・・・ごめん・・・それ・・・だけは・・・・」
「あら、わたしは包み隠さずは話したのに?」
案の定、かなは責めてきた。
「あ、・・・でも、それ、だけは・・・・言えない・・・・」
『?』けいとかなキョトンとした。2人の間に何があったのか。彼とるみが知り合ったの高2になってからのはずだ。まだ2カ月ちょっとくらいのはず。そんな秘密めいたことがるあるのか?という疑問。
「けい、どういうことかしら?」
「いや私も詳しくは知らないの。て、全く知らないの・・・・」
「と、」意を決したように顔をあげるるみ。
「とにかく・・・・わ、わたし、は ・・・・か、かれ、登が好き。そ、それだけは・・・、はっきり言って、おき、ます・・・。」
「ふーん。ま、いいわ。それだけ聞けたから。では、はっきりしたところで・・・」
るみとかなは示し合わせたようにけいを、見つめる。
『どうしてくれるの?けい』
あ、やっぱ、まだ続くんだ魔女裁判・・・・。けいはうなだれた。
3人の佐藤と4人の鈴木はワックでまだ話こんでいた。かなと登の話を貴から聞いた面々は、思うところがそれぞれあったからだ。
「あーし、うすうすそうじゃないかなって思ってたんだ。学校祭実行委員決めるとき、かなすぐに引き受けたじゃん。」
「そ、そ、そ。」
鈴木ギャルとチャラ男は息ぴったり。
「で、そっちは?」
洋子は3人の佐藤に聞く。
「まぁ、なんとなくはな。」祐一が口を開いた。
「同じ佐藤ってだけでつるむのは、無理があるからね。」亮が続いた。
「やっぱり、鋭いよね。祐一はあの場でもすぐに相談って口にしたものね。」
貴は妙になっとくした。
「この佐藤が集められたのは、カモフラージュだったんだ。」
貴は静かに話す。
「きっかけが必要だったんだ。そう、Sugar Babesは、るみのための会だったんだ。」
「ん?なにそれ?」
と洋子。
「ああ、俺たち「佐藤」のチーム名さ」
ニカっとわらいサムズアップする祐一。
「佐藤だからSugar?まじ、まじっすか」
薄笑いし、チャラ男らしい反応で返す真一。
「ほう、なるほどそうきたのか・・・・じゃあ、我々のチーム名も教えておこう。なあ、洋子」
「そうね。わたしたち鈴木のチーム名は「Super Bells」よ!」
『な!』佐藤3人は驚きの声をあげた。
「ふーん君たちも・・・。なるほど、おもしろくなってきたね。はじめ君。」
眼鏡をくいっとあげて亮は言う。
「・・・・て、ことは~、あんたたちはさ~、るみの味方ってえ、ことかな~?」
ギャル鈴木がやたら明るい口調で言う。
「いや、僕たちは、登の味方さ。」
「そうだな。俺は、最初から登のためにここにいる。」
いつもとは全く違っておちついた、そして真剣な顔で祐一は断言した。
「奇遇だね。・・・僕もそう思っていた所さ。」
眼鏡を外し、キリっとした目で亮はははじめを睨んだ。
「ふーん。男の友情ってわけかな?」
洋子はにっこりと笑って、しかし亮の目力に負けないキリっとした目で三人をなめるように見た。
「ちがうよ。」
貴が静かに立ち上がり、4人の鈴木を見下ろした。
「登が望んだ相手なら、るみでもかなでも、あの赤髪でもいいんだ。」
「そーだなぁ」
いつもの調子で大声で祐一。
「登の望んだ相手と付き合えばいいさ。僕たちの勝負は学校祭さ。」
「だねー、俺たち~、おバカ屋敷、一択~」
3人の佐藤をからかうように、しかし、強い決意が感じられる声だった。
『あぁまけない』祐一と亮も立ち上がり、3人は店を後にした。
学生時代の仲間っていいよね。
社会人になると、仕事がらみが多くなって、利害関係絡むのがいやだよね。
ま、それが大人になるってことなのでしょうが・・・・。
さて、俺も居酒屋に行って飲みたいな。




