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104 修学旅行⑧

修学旅行です。

ようやく・・・・。

 雪交じりの風が、顔に吹き付ける。寒い。かなり・・・。ヒューーー。時折つんざく、風の音。

「なあ、登・・・なんで?ここに?」

貴の質問はもっともだ・・・。

女子部屋で話し合いがあった次の日(無論、男子部屋でも詰問されたが、「かなとはどこまでの付き合いだ?」というたぐいの質問しかなかったので割愛する。)、「観光名所を案内せよ」とのリーダーと生徒会長のお達しで、俺が市内を案内することになった。借りがあるので断れない。で、貴の質問に戻るのだ。

「観光名所だべ。有名だべ?ここ?」

「そうだけどさ・・・真冬に来るところじゃないね。」

「うん。」

「わかってて・・・つれてきただろ。」

「うん。」

「いじわるだな・・・登は・・・」


「ねえ、もう帰ろう!いやよ!いつまでもここにいるの」

五十鈴会長がねを上げた。

「だから言ったべさ!真冬の立待岬なんか行くもんでねぇ、って」

地元民であった、るみはさすがに気づいていた。

自家用車でもない僕らは、ほうほうの体でバス停まで走った。(ちなみにバス停までは、1キロ弱ある)

寒さに震えながら、バスが来るのをじっと待つ。

「のぼる・・・もう、おめに案内はまかせね。あたしがやる!」

るみのガイド宣言に皆一様にうなずく。

「あ、バス来たよ、さあ乗ろう」

押し合いながらバスに乗車。

「いや、あったかいね~。」

「そうね。最高だわ~」

柳川さんと来島さんは頬赤くしながら、文明の素晴らしさを確認しあっている。


ピンポーン


「るみ、もう下りるの?」

けいが確認する。

「んだ。次下りるぞ」

『・・・・』

バスに乗ったのも束の間。15分ほどでおりる。

下りたバス停は「公会堂前」

「あ、るみ、おめ、また、べたな観光地さ来たな。」

「ええべ!・・・さ、こーかいどーいくべ!こーかいどー。」

「んだな。さ、みな、おりるべ。」

旧函館区公会堂。全国的にも有名な洋風建築。

函館の観光案内で、必ず取り上げられる。

「おお、話には聞いていたけど・・・実物はなかなか。」

「うん、格調高いね」

はじめと亮には好評だ。くそ、るみめ。俺の立待岬より高評価か。

「あ、なんかコスプレできるみたい!やろう!!」

洋子が案内を目ざとく見つける。

「洋子、コスプレでね。貸衣装。明治ごろのデザインの洋服、きれんだわ。」

説明は耳に、入ってないようだ。

「え、どんなの」「ちょっとスマホで・・・」「あ、こういうの・・・」「ね、ね行ってみない?」

女子全員が乗り気まんまんだ。

「ふふふふ・・・」

るみが不敵な笑みをおれに見せる。

「なんだ?るみ」

「これが、ただしい観光案内ってもんだ!見たか?亀田の田舎もん!!」

「あ、おめなんて、ほんとは川汲だろ!」

「違いますー、今はもう弥生(町)ですー」

「ぐぬぬぬぬぬう!」

くうーーーーー。無性に悔しい!同じ函館衆として、負けた感がでかい。

「じゃあ、わたくしたちは、着替えてきますわ。殿方はどうしますの?」

五十鈴閣下はもう貴婦人気取りだ・・・。

「あ、真一も着よー。一緒に取るっしょ?」

という、あんの提案に、佐藤けい、鈴木洋子、はすぐさま顔色を変えた。

「はじめ・・・」

「亮・・・・」

『うちらも撮ろう!』

『え!』

亮「それは、」

はじめ「ど、どうだろう・・・」

二人は難色をしめした。陽キャでパリピが定着しているアンと真一はこんなの慣れてる。

が、鈴木はじめと佐藤亮、学年1,2位で、生徒会役員、の2人には、かなり気後れするイベントだ。ほかの観光客も往来している中での撮影。ハードルは高い、

どぎまぎしている2人を見て、業を煮やしたのだろう洋子とけいは、どれぞれの彼氏の腕をつかむと、有無を言わさず引きずっていった。

まあ、いい思い出になることだろう。SNSにアップされて、死ぬほど恥ずかしい思いをしてほしい。

このイベントにあまり関係がない、裕一と貴の方へ行き話しかける。

「じゃあ、たかし、裕一、俺たちは、そこらのカフェとかで、一服するべ?あったまるべや」

「え、いや・・・でも・・・」

なぜか、2人の顔色が悪い。

「あ、バスにでもよったのかあああああああー」

ガシッ!

背後から、両肩を激しくつかまれ引っ張られる。

「うぉ!・・・な、なんだぁ・・・」

右左交互にふりかえって確かめる。

右にかな、左にるみだった。

「あ、おめたち、どうして・・・」

目を白黒させている俺を、貴と裕一は、気まずそうに見てくる。

「のぼる、僕たちだ行くからさ・・・その」

「うん・・・・た、楽しんできてくれ・・・。じゃあ!」

いざこざはもう御免とばかりに、2人は足早に公会堂を出ていった。

「あ、まっ」

というが早いか、両腕をかしっかり組まれてしまう。

「のぼる・・・うちらも、写真撮るべ?な?」

「いいえ、私とよね?登?」

「え、今日はそういうのなしじゃねーのか?」

『は?』

二人はものすごく冷めた目をする。

「あんな、仕切り直しだべ?だから、また一からだべ?」

「そうよ。ま・・でも、「元鞘」でもいいわよ。」

とたんにるみはキレだした・・・・。

「はあ、何寝言言ってんだ。はんかくせーな。おめとは、もう終わったんだ。過去の女は、引っ込んでれ!」

「そんなことないわよね。たくさんの思い出できたし・・・・。どう、寂しくなったんじゃない?」

「ああ、じゃあ、今度はこっち思いで作る番だべ!おめは、譲れや。」

「いえいえ、よりを戻すので・・・・」

「あに?!」

「なに?!」

俺と腕を組んだままにらみ合う二人。

「・・・・わかった・・・・行くから。な、旅行中くらい、和気あいあいでいくべ・・・。」

そう2人をなだめ、3人で貸衣装へとむかった・・・・。


タキシードを着込み、、おれは、かなとるみをまつ。

「お待たせ~」

最初に来たのはかな。鹿鳴館よろしく、スカート丈が長く強調された赤いドレス。腰を絞っているので、いやがうえにも胸が強調される。それでなくても目立つのに、かなり目を引く・・・。

「のぼる、胸元・・・見すぎ・・・」

恥ずかしがる顔がかなりかわいい。

「のぼる・・・その・・・見てーのか・・・うちのは、じっくり・・・見てもかまわねっぞ」

気が付くとるみも来ていた。黄色いドレスすがたで、同じように腰を絞っているので、こちらも胸に目線がいってしまう。

「・・・すかたねっな~。・・満足するまで見てええ・・・・・昔の女のは・・・・見あきたべ・・・・」

「な!」

かなはキッとるみを睨みつける。

「そうね・・・見あきるだけ・・・眺められたもんね・・・。あなたのデカいだけで品のない胸とちがってね。・・・のぼるわね・・・私の気品ある胸が好きなの、だって、待ち合わせたら、最初に必ず!」

ぐはぁ。やめてくれ、俺の、いや、男子のどうしようもない業をばらすのは~。

「はあ、おめさの乳なんて、デカすぎて、もう、だらしなく、でれーーーーーーんて、なってるべ!それに比べてうちのはきゅっとしてるべ。」

「はあ?昨日風呂で見たけど・・・たいした、かわらなかったじゃない。あんたのだって!!」

「いんや。大きさ互角でも、はりも、形もうちが上だべ!・・・さ、登、心ゆくまで・・・見れ!」

そういって、胸を張るるみを・・・俺は直視できなかった。見れる男子がいるだろうか・・・俺は顔を真っ赤にして・・・うつむくしかなかった・・・。

「あのー・・・お客さま・・・少々お声が・・・・」

にらみ合う両者のいさかいを止めたのは・・・貸衣装の係員。

『あ・・・・』

貸衣装の係の人たちが、赤面しながら、こちらを見ていた。

「あの、どちらのお嬢様も・・・羨ましい大きさですから・・・その・・・ご安心ください!」

『す、すいません』

3人であやまり、きまり悪くその場を立ち去った。

(なに・・・いまの修羅場)(二股?よね?)(いや、もうおわったとかなんとか・・・)

(でもあの2人のお○っい・・・すごかったわよ)


係員のひそひそ声が耳に入ったが、俺はとにかくその場を立ち去りたかった・・・。

ああ、サザエさんのOPみたいに

名所を紹介したい・・・・。

あ、OPはOP×A×の略ではないですよ・・・・。

念のため。

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