102 修学旅行⑥
函館の2月は、けっこう雪解け進む時期です。道路はじゃぶじゃぶ。
雨なんか降ったら最悪です。
あまり観光にお勧めの時期ではないですね。
「とりあえず・・・・・出てけー!」
町内に響きわたったであろう、つばさの宣言に従い、俺たちは久世家を追い出された。
「のぼ・・・・る」
玄関を出ようとした俺に、つばさが声をかけてきた。
「な、に?」
するとグイっと俺の袖をつまんで、引き寄せ、
「ほ、本気か?本気なんだべか・・・?」
と耳もとでつぶやく。
「え、何が?」
と言いながら、つばさに向き合う。中腰の姿勢がつらい。
「かなとのことに、決まってるっしょ!・・・おめ、本気なのか・・・・かなは・・・まだ彼女ずらしてっけど・・」
・・・・・しばし考えこむ・・・・。
「・・・・・わかんね・・・」
「はあ?おめ、そんな中途半端な気持ちで・・・」
「ごめん。わかんねんだ・・・本気かどうか・・・・」
「はんかくせー男だな、おめは・・・で、どこまで?」
「え?」
「・・・・その・・・どこまでの・・・・その、あれだ・・・・」
ああ、それか・・・。
「つばさ・・・おめさの考えてるようなこと・・・ねかったで」
「ほんーとか?・・・・・なら・・・まだ・・・」
「あら、人の唇、奪っておいて・・本気じゃないとか、言うの?」
気が付くと俺たちの傍らに・・・・かなが来ていた。
「・・・おめ・・・なんもしてねって・・・・」
「あ、いや、おめさの考えてること、って言ったべ?」
「おめ、手出してんだべや!もう・・・・」
「そういうことよ・・・許嫁も、もう、無効ってことかしらね?」
とかなはとびきりの笑顔を俺た二人にみせた。
「・・・・くっ・・・まあ、あたしは、心の広い許嫁だから、い、一度くらいの浮気は許してあげる・・・ね、本気かどうかわからないらしいし!」
「ふふふ、負け惜しみ・・・かわいいわよ・・・」
一歩リードしている者の余裕か、かなは意に介していない。
「な!・・・それなら!」
と、つばさは俺に抱き着くと、無理やり俺に・・・・・キスをした・・・・
「こ、これで、対等だべ!」
顔を真っ赤にして、かなを睨むつばさ。
「・・・あ、え、っと・・・・そ、そうかしらね?・・・・」
コン、ゴン、コン。
『いってー』
かな、おれ、つばさの順に拳固された。
ふりかえると、
冷めた目のるみがたたずんでいた。
「おめたち・・・・早くいくで。日・・・くれるで・・・・」
「そうね・・・登、行きましょう・・・」
「え、ああ、うん。」
そして、歩みだそうとしたときだった。
「あ、ちょこっと、まって。」
と言ってるみは足を止めた。
「ん、どった?るみ」
とおれが、るみの背中を見つめた刹那だった。
ふりかえったるみは、俺に思いっきり、抱き着き、俺の唇を奪ったのだ。
『!!!』
かなとつばさはあっけにとられていた。
ゆっくり顔を離すと、なぜかるみは勝ち誇ったように、ニヤっとした。
「これで・・・うちも、対等だべ?・・・な?登?」
そう言って振り返り、歩き出した。
「・・・・やるでねっか~、るみ・・・」
「・・・・ふーん・・・・一筋縄ではいかないわね・・・・」
許嫁と元カノと幼馴染。二つ名が新たについた、かな。これで、3人とも同じ土俵に上がったのかもしれない。俺はなんとなく納得している。
で、俺は・・・・どこさ、連れてかれるんだ?
次回はきっと、観光名所を出すぞ!
修学旅行編だし・・・。
八幡坂あたりがいいかね?
小池のカレーが食べたい今日この頃・・・・。




