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102/180

102 修学旅行⑥

函館の2月は、けっこう雪解け進む時期です。道路はじゃぶじゃぶ。

雨なんか降ったら最悪です。

あまり観光にお勧めの時期ではないですね。

「とりあえず・・・・・出てけー!」

町内に響きわたったであろう、つばさの宣言に従い、俺たちは久世家を追い出された。

「のぼ・・・・る」

玄関を出ようとした俺に、つばさが声をかけてきた。

「な、に?」

するとグイっと俺の袖をつまんで、引き寄せ、

「ほ、本気か?本気なんだべか・・・?」

と耳もとでつぶやく。

「え、何が?」

と言いながら、つばさに向き合う。中腰の姿勢がつらい。

「かなとのことに、決まってるっしょ!・・・おめ、本気なのか・・・・かなは・・・まだ彼女ずらしてっけど・・」

・・・・・しばし考えこむ・・・・。

「・・・・・わかんね・・・」

「はあ?おめ、そんな中途半端な気持ちで・・・」

「ごめん。わかんねんだ・・・本気かどうか・・・・」

「はんかくせー男だな、おめは・・・で、どこまで?」

「え?」

「・・・・その・・・どこまでの・・・・その、あれだ・・・・」

ああ、それか・・・。

「つばさ・・・おめさの考えてるようなこと・・・ねかったで」

「ほんーとか?・・・・・なら・・・まだ・・・」

「あら、人の唇、奪っておいて・・本気じゃないとか、言うの?」

気が付くと俺たちの傍らに・・・・かなが来ていた。

「・・・おめ・・・なんもしてねって・・・・」

「あ、いや、おめさの考えてること、って言ったべ?」

「おめ、手出してんだべや!もう・・・・」

「そういうことよ・・・許嫁も、もう、無効ってことかしらね?」

とかなはとびきりの笑顔を俺た二人にみせた。

「・・・・くっ・・・まあ、あたしは、心の広い許嫁だから、い、一度くらいの浮気は許してあげる・・・ね、本気かどうかわからないらしいし!」

「ふふふ、負け惜しみ・・・かわいいわよ・・・」

一歩リードしている者の余裕か、かなは意に介していない。

「な!・・・それなら!」

と、つばさは俺に抱き着くと、無理やり俺に・・・・・キスをした・・・・

「こ、これで、対等だべ!」

顔を真っ赤にして、かなを睨むつばさ。

「・・・あ、え、っと・・・・そ、そうかしらね?・・・・」

コン、ゴン、コン。

『いってー』

かな、おれ、つばさの順に拳固された。

ふりかえると、

冷めた目のるみがたたずんでいた。

「おめたち・・・・早くいくで。日・・・くれるで・・・・」

「そうね・・・登、行きましょう・・・」

「え、ああ、うん。」

そして、歩みだそうとしたときだった。

「あ、ちょこっと、まって。」

と言ってるみは足を止めた。

「ん、どった?るみ」

とおれが、るみの背中を見つめた刹那だった。

ふりかえったるみは、俺に思いっきり、抱き着き、俺の唇を奪ったのだ。

『!!!』

かなとつばさはあっけにとられていた。

ゆっくり顔を離すと、なぜかるみは勝ち誇ったように、ニヤっとした。

「これで・・・うちも、対等だべ?・・・な?登?」

そう言って振り返り、歩き出した。

「・・・・やるでねっか~、るみ・・・」

「・・・・ふーん・・・・一筋縄ではいかないわね・・・・」

許嫁と元カノと幼馴染。二つ名が新たについた、かな。これで、3人とも同じ土俵に上がったのかもしれない。俺はなんとなく納得している。

で、俺は・・・・どこさ、連れてかれるんだ?

次回はきっと、観光名所を出すぞ!

修学旅行編だし・・・。

八幡坂あたりがいいかね?

小池のカレーが食べたい今日この頃・・・・。

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