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明日を生きれない人へ

作者: Enola

20XX年8月12日。その時はきた。 

初めてちゃんと勤めた仕事を辞めなくてはいけない時が来てしまったのだ。

退職理由は「諸事情により」

人は何かを辞めたり断る理由に「諸事情」という言葉を多用しがちである。

そして「諸事情」を聞かされた立場の人は、その中身を追求してはいけない気がしてしまう。

だが今回はその程度の理由じゃ辞める事はできなかった。

そう、そもそも辞めるまでの気持ちではいなかった。

ここまでの経緯ではこうだ。精神的な体調不良のため一定期間休職させてほしいという願を出した。

だが、一定期間を超えてしまったためにすぐに仕事へ復帰、退職するかという選択を迫られてしまったのであった。

もちろん、すぐに復帰をする事は困難だったため、泣く泣く退職をした、というあらすじである。

今までのわたしの生き方だってそうだった。

家から近い高校に進み、その後の進学も試験などの苦しさから逃げ専門学校へ入学しては半年で退学。

その後にまた専門学校へ入学するも卒業する事なく退学。そして契約社員などを経て今に至る。

今回退職した会社に就職したきっかけも、まずまともではない。

その当時付き合っていた人が前の会社を辞めて転職する理由で同じ会社に入職したのだ。

別れたり喧嘩するとその後がめんどくさいのをわかっていながら、あの時の自分を殴ってやりたいほど。

結局今回退職した理由にもその男は含まれている。

一言で言えば、もう見たくない顔だった。街でもすれ違いたくないほど、嫌になってしまっていた。

退職して半年以上経ったある日、わたしは彼に電話越しで言った。

「精神病になったのは少なからずあなたのせいでもある」

どんな確証があるんだ!勝手なこと言うな!上等。本人であるわたしが感じた事なのだから

他の誰にも意見される謂れはない。

彼は「ごめん」その後になにか言ってたけれど結局何もできないだろうから

「まあ頑張れ」そう一言言ってわたしは電話を切った。

精神病を患う自分もわからないし、戻れる自信もないが、1日1日自分を保とうとしている。

せっかく2X年生きてきて、親にここまで面倒見てもらったんだ。

恥ずかしながら親にもたくさんの迷惑をかけたし悲しませることもあった。

毎日死にたい気持ちだったりが増えていくばかりだけれど、今のわたしは、生きることで償うことを選んだ。

明日を迎えるつらさや、孤独に打ちひしがれる日を送っている人も

そんな思いをしているのは自分だけじゃない。そう少しでも気に留めておいてほしい。


わたしは明日も、生きていく。




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