表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~  作者: 竹間単
【第四章】 腹筋が割れてた方がモテそう、とあいつが言っていた

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/172

●86


「マーティンさん。ボスモンスターを倒すことは出来ませんが、後ろにいる彼らにギルドメンバーを呼びに行かせることなら出来ます」


 俺は三つ首の攻撃を受け止めるマーティンの横に並んで、彼に話しかけた。


「危ねえから下がってろ! ……今、なんつった?」


「新人たちを無傷でこの場から逃がす方法が分かりました。ただマーティンさんは無傷とはいきませんが……」


「んなもんどうでもいい! 仲間を救う方法があるなら教えてくれ!」


 俺はマーティンに、因果の世界で見てきた戦闘方法を伝えた。

 マーティンはそんなに上手くいくのかと懐疑的だったが、他に方法もないため俺の案に乗ってくれた。


「みんな、よく聞けえーっ!」


 マーティンはボスモンスターから視線を外さずに、後ろで戦況を見守っている新人たちに向かって声を張り上げた。


「俺が岩を砕いた瞬間に走り出して、ここから逃げるんだ。そして他の探索チームのメンバーをここに呼んで来てくれ! ルースは新人たちがパニックを起こさないように率いてくれ」


「……無理はしないでくださいね」


 ルースが新人たちに逃げ道の指示を始めた。

 きっと彼に任せておけば、大きな問題は起こらないだろう。


「ショーンも準備は良いか? 力いっぱいいくから、目に砂埃が入るのは覚悟してくれよ」


 俺はマーティンの言葉に頷きつつ、呪いのゴーグルを装着した。


「問題ありません。ゴーグルがあるので」


「さっそく呪いのゴーグルを装着する機会がやってくるとはな。人生ってのは分からねえもんだ」


 言いながら、マーティンは腕に力を溜め始めた。

 マーティンが岩壁に向かって拳を繰り出した瞬間に、俺はその場から跳んだ。


 マーティンが岩壁を砕いたことで、この場一帯に砂埃が舞った。

 砕けた石の欠片も飛んでくる。


 ゴーグルを装着した俺は、石も砂埃も気にせずにボスモンスターに向かっていった。

 一方でボスモンスターは、一つの首をマーティンへの攻撃に使い、一つの首を逃げた仲間たちへの攻撃に使い、そしてもう一つの首は目に砂埃が入ったらしく硬直していた。

 俺は迷わず、逃げた仲間たちを攻撃しようとしている首に狙いを定めた。


 砂埃に紛れながらボスモンスターに近付き、目に短剣を突き立てた。

 目を貫かれたボスモンスターは暴れたが、首が三つあるためまだ目は五つも残っている。


 しかしボスモンスターの頭から、逃げた仲間を追う考えは消え失せたようだった。

 片目を潰された首が執拗に俺を追ってくる。


 俺は攻撃に関しては大したことは出来ないが、逃げることなら得意だ。

 片目の首から繰り出される攻撃をひょいひょいと避け続けた。


 一方で仲間を逃がせたため、マーティンは防戦から攻撃に転じていた。

 一つの首と互角にやり合っている。

 マーティンも首も、お互いに怪我を負わせているようだ。


 このままの状態であれば、応援がやってくるまで凌げるだろう。

 問題は、目に砂埃の入った首がいつ回復するかだ。

 あの首が回復したら、状況はこちらが不利になってしまう。


「早く応援が来てくれるといいけど」


 因果の世界で俺が掴んだ糸に繋がる未来は、マーティンは怪我を負うものの仲間は全員無傷でこの場から逃げる、というものだった。

 つまりは今の状況。

 このあと何が起こるのかまでは分からない。


「ギルドメンバーがマーティンさんを見捨てることはないと思うけど、問題はいつ来てくれるのか……って、もう!?」


 早くも状況が変わった。

 …………悪い方に。


 応援が駆け付ける前に、硬直していた首が動き始めたのだ。

 その首は、自身の目を潰した俺にヘイトを向けており。


「二対一は無理、ってか死ぬ!」


 俺に、ボスモンスターの鋭い牙が襲いかかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ