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勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~  作者: 竹間単
【第二章】 美少女と、善人の村で愛を知る

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24/172

●24


 夕食を食べ終わると食事の場は晩酌会へと変貌した。

 おつまみに適した一部の料理を残し、他の皿は村長の妻によって綺麗に片付けられた。


 酔っぱらいに絡まれることが苦手な俺は片付けを手伝う振りをして晩酌会を離脱しようとしたが、すぐに捕まってしまった。

 ヘイリーの父親に肩を組まれ、しっかりとホールドされている。

 そんな俺の様子を魔王リディアが愉しそうに眺めている。


「あのなあ、ヘイリーは俺の娘とは思えないくらい、よくできた娘なんだよお」


 酒を飲み始めてすぐに、ヘイリーの父親は酔っぱらいの見本のような酔い方を始めた。

 酒を片手に粘っこい大声での娘自慢が止まらない。


「山へ行けば誰よりも山菜を採って来るし、料理の腕は母ちゃんにも負けない。ヘイリーを狙う男が多いのも当然ってもんだ」


「ヘイリーさんを狙っていそうな男には、私も心当たりが数人いますね」


 村長がヘイリーの父親の発言を肯定すると、ヘイリーの父親はその場で立ち上がって両手を広げた。


「並の男には娘はやらんぞお。ヘイリーが欲しいなら、まずは俺を倒してみろお!」


「こらこら。飲み過ぎですよ」


 村長がやんわりとヘイリーの父親を注意する。

 まだ飲み過ぎというほどは飲んでいない気がするから、ヘイリーの父親は単純に酒が弱いのだろう。


「可愛い一人娘なんだよお。誰よりも幸せになってほしいと願うのは親として当然だろう」


「俺はまだ親ではありませんが、娘が出来たら、きっとそう思うんでしょうね」


「本当に、まだ、なのかのう。ショーンには相手もいない状態だろうに」


 確かに現時点で相手もいなければ、俺はすぐに相手が見つかるようなモテ男でもない。

 しかし世界の半分が女性であることを考えると、一人くらいは俺と付き合ってくれてもおかしくはないはずだ。


「ところが、世の中には一人で何人もの女を射止める男が存在するのじゃ。そうすると余っている女の数が減っていき……果たしてこの世界にショーンと付き合う女が存在するのかのう」


「うぐっ」


 魔王リディアが嫌な現実を見せてきた。

 確かに勇者パーティーで旅をする中で、何人もの女性を侍らせる色男を見たことがある。

 そのしわ寄せで俺の相手となる女性がいなくなっているとしたら?


 ……嫌だ! 俺だって人並みには女の子と付き合いたいと思ってるのに!


「娘はいいぞお。家にいるだけで心が温かい気持ちになるからなあ」


 ヘイリーの父親は、娘以前の問題の俺に、娘の良さを語って聞かせた。

 ついでに、息が臭いと言われたときの絶望感についても聞かせてくれた。


「旅のお方の親は、どんな人なんだあ?」


「俺の親はですね…………俺の、親?」


「はいはーい! 妾の親は、妾そっくりの美人じゃぞ!」


 そのとき魔王リディアがテーブルに身を乗り出したため、近くに置かれていたグラスが倒れ、盛大に中身が零れてしまった。


「ちょっとリディアさん、気を付けてくださいよ」


「すまんのう、ショーン。拭くものをもらってきてはくれぬか?」


「では、お嬢さんはこちらに。服がびしょびしょになってしまいましたから、着替えをお渡ししますね」


 俺は村長の妻にテーブルを拭くものをもらいに、魔王リディアは村長と一緒に着替えを取りに向かった。

 テーブルに残されたヘイリーの父親は、一人になったことにも気付かずに空気を相手に喋り続けていた。





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