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勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~  作者: 竹間単
【第七章】 この世界は黒と白のどっちだと思う?と同胞が言っていた

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141/172

●141


 真っ白な天井が見える。

 しかし視線を落とすと、途端に景色は赤へと変わる。


 自分の腹が切り開かれている光景が見えた。

 白衣を着た男たちが、俺の内臓を弄っている。


「痛い……もうやめて…………痛いんです……」


 消えそうな声で、それでも男たちに懇願する。

 手足を動かそうとするも、拘束されていて動くことが出来ない。


「そろそろ死にそうだな」

「ちょうどいい。内臓は確認が終わった」

「次は四肢を切り落としてみるか」

「細かく切って調べよう」


 あまりにも残酷な言葉を、白衣の男たちは平然と口に出す。

 この場に俺の味方は一人もいない。


「嫌だ……どうして…………俺は何か、悪いことをしましたか……?」


 必死で尋ねるが、白衣の男たちは俺の質問に答えようとはしない。


「起きているとうるさいな。麻酔で眠らせるか?」

「それだと反応を見ることが出来ない」

「反応も重要なデータだ」

「このまま続けよう。明日も明後日もその先も」


 絶望的な会話が聞こえてくる。

 こんなことが、明日も明後日もその先も続く?


「もう嫌だ……俺を解放して…………お願いですから……」


 しかし、白衣の男たちは俺の言葉を無視し続ける。


「死ぬときは人間と同じだが、生き返る瞬間は神秘的だよな」

「あれは人間にも再現が可能だろうか」

「今のところ、身体のほとんどは人間と同じ構造だ」

「それならば可能かもしれない。もっと身体の隅々まで調べよう」


 彼らが何を言っているのか分からない。

 そもそもどうして俺はこんなところにいるのだろう。

 何も思い出せない。

 身体を刻まれている記憶しかない。


「助けて……誰か…………痛い痛い痛い……」


 いくら泣いても、誰一人、残酷なことをする手を止めようとはしない。

 それどころか、彼らの目は希望に満ちている。


「不死のメカニズムが分かれば、すごいことになるぞ」

「ああ、長年の夢が叶う」

「世界が変わるぞ」

「素晴らしい未来がやってくるはずだ」


 素晴らしい未来?

 そんなものがやってくるはずがない。

 そんなこと、俺が許さない。


「こんなことをして得た未来は…………きっと呪われます……いいえ、俺が呪います……!」





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