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ヒメユリ専科  作者: れきそたん
3/5

女教師姉妹3

5.女教師 柳沢瑞穂5


昼休みが待ち遠しかった。

昨日何度も、頬にキスをしてくれた憧れの女教師からの誘い浮かれるなと言われても無理な話しだ。

授業は上の空。

授業中のスマホは禁止されてるがキスをされた場所によって意味があると聞けば調べたくもなる。


額……祝福、友情。

頬……親愛、満足感。

喉……欲求。

首筋…執着。


先生はどんな気持ちでキスをしたのだろう。

私はどんな気持ちでキスを受けたのだろう。


あの時先生は酔っていたかもしれないけど、私のことを好きだと言ってくれた。

私は先生に同じ女性として憧れている。……本当に憧れだけなのだろうか?

そもそも好きになるってなんだろうか?


授業終わりのチャイムが校舎に響いた。

一目散に教室から出ると国語準備室に走り出した。

階段を一段づつ降りるのがまどろっこしい。ある程度降りるとジャンプしてリノリウムの床を鳴らした。

国語準備室のドアの前で息を整えてから前髪を弄って、ドアをノックした。

返事はなかったが、鍵が掛かっていなかったのでドアを開けて中に入った。


「失礼します」


目の前の椅子に髪を三つ編みに纏めた、瑞穂ちゃん先生だけが居た。


「……瑞穂さん」


高鳴る鼓動を抑えるように生唾を呑んだ。

瑞穂の頬は上気しているようにも見えた。


「美緒さん来てくれたのね。ありがとう」

「瑞穂さん……それで私に……」

「ここじゃ何だから場所変えましょうね」


あとを着いてきてと言わんばかりに、部屋から出た。

美緒は瑞穂に置いていかれないように必死で追いかけた。

図書館の横にある国語資料室のドアを開けると瑞穂は周囲を警戒しながら中へ入り、美緒を手招きした。

美緒が室内に入るのを確認すると、瑞穂は後ろ手にドアの鍵を閉めた。


「それで先生お話って何ですか?」

「美緒さん昨日のこと怒ってる?」


二十三歳の女教師の相貌は眉を八の字ににして上目遣いで女子生徒を見ている。

美緒は首を横に振ると笑顔を作った。


「……昨日はビックリしました。けど強引なのも嫌じゃなかったです……先生」


女子生徒は、女教師の胸に飛び込んで行き目を合わせる。

視線は絡み合い自然と唇が重なった。

瑞穂は教師として生徒を導かなくてはならないのに頭の中がモヤが掛かったように思考が停止した。

しかし、僅かな時間を惜しむようにキスを繰り返す美緒の姿を妹、穂乃果を思い出させ現実に引き返えした。


「ん……ダメ……美緒さん、イケナイわ……私は教師なのよ」

「……昨日の瑞穂さんは私を求めて……沢山のキスをくれました……ちゅっ」

「……んふん……少し…ん…落ち着いて……ハァ……冷静になって話し合いましょう?」

「………瑞穂さんも素直になってください。私はもう悩むのは止めましたから」


美緒は女教師の左手を取ると自分の胸に押し当てた。


「………瑞穂さんを想うとこんなにもドキドキする……解るでしょ?私の気持ち」

「分かったわ……美緒さんの気持ち。……でも、この関係を穂乃果に知られる訳にはいかないの……分かって」

「じゃあ二人だけの秘密って約束してくれますか?」


美緒は左手の小指を立てると指切りげんまんのポーズをした。

瑞穂は「……狡いのね」と言いながらも美緒の小指に自分の小指を絡ませた。


瑞穂に告白できた、美緒。

まだ続きます。

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