記憶
1人目の不良の右ストレートを受け流して顎を殴る
戸惑って動きが鈍った2人目に金的蹴りを当てる
素早く3人目の喉を指で突く
景色が変わる。
「俺は何を···。」
「混乱しとる様じゃの。」
確かに少し頭がおかしい。
あれは夢だったのか?
「普通の阿修羅は眠らないはずじゃが···。」
「え、そうなの?」
「当たり前じゃろ、眠るという事はそれだけ隙ができるという事じゃからの。」
すげーな阿修羅。
そんな事よりもあの夢見たいなやつはなんだったんだ?
「何を見た?」
「不良を3人倒す所···かな。」
「それがお主の一番最初の戦いの記憶じゃ。」
「最初···?」
「初めて戦った時の事じゃ。それにしても初めての戦いで3人とは···お主なかなかやるのう。」
何かはじめてのおつかいみたいに言われた。
「でもなんで急に思い出したんだ?」
「前にも言ったじゃろ阿修羅は戦う度に前世の戦いの記憶を思い出すんじゃ。記憶とはすなわち技術、阿修羅は発生した瞬間から戦いに最も適した体を持っている。必要なのは技術だけじゃ。」
なるほど···。
筋トレを思い出しても筋肉はつかないけど戦いは違う。攻撃のタイミング、度胸、場数、どれも大切な記憶だ。
「ん?てことは俺前世かなりやばい奴だったんじゃ?」
「阿修羅道に来る奴がまともなはずなかろうが。」
まじかよ。
そうだとすると記憶思い出したくない気が···。
「そうじゃ、言い忘れとったがしばらくはわしの対戦相手になってもらうぞい。」
·····。 ガサガサ
「これ、逃げちゃいかん。」
°Д°)ヒイ