本当の勝者
アレックスは怯えていた。
彼はこの国の王である。最近家臣の一人が国の最高機密を持ち逃げ出していた。その後王は疑心暗鬼になり人を信じなくなった。
ある日、王の寝室に手紙が置かれていた。その手紙は差出人の名前は書かれておらず「家臣の一人が内通している」とだけ書かれていた。
王は疑心暗鬼になっていたのでこれを信じ家臣を広間に集めた。
「今朝、このような手紙が余の寝室に置かれていた。余はこれを信じることにした。今日はその内通者を探すため皆に集まってもらった」
広間はざわついた。少し経つと一人の家臣が言い出した
「私は財務大臣殿が怪しいと思います」と、しかし財務大臣は何故か何もいわなかった。その後8人の家臣が誰々が怪しいと言った。
次の日、王は昨日他の家臣を告発したものを全員追放した。
実はこの手紙は王が用意したものだった。
冷静に考えてこのような訳がわからない手紙を信じる者など阿呆である。
これを利用し自分の地位をあげようとする者を炙り出すために財務大臣とグルになって行ったものである。王は財務大臣を特に重用するようになった。
9人を追放した日の夜、財務大臣は自宅で祝宴を開いた。