ヨガ世なら--カパーラバーティ
前回、火の呼吸はカパーラバーティ、すなわちクリアー行法であるという話を書きました。
本来、プラーナーヤーマというのは静かに呼吸を意識する行法であって、一分間に百回から二百回なんて忙しないものではないのです。尤も、前回も書いたバストリカーなんてのも有りますが。更に呼吸に意識を合わせるのは初心者であって、高級なプラーナーヤーマは呼吸さえ殆ど静止した、息ではなく気の行法になります。成瀬雅春先生の著書によると、日本で完全呼吸と訳されているディルガ・プラーナーヤーマも最終的には肉体的な呼吸を脱して意識だけになるのだとの事。ヨーガって奥が深いですね。小山一夫先生の講習で、火の呼吸を指導を受けた時、全身にバイブレーションが伝わるように、と教わりました。これを自分は全身を揺する、という風に解釈し、簡略化した火の呼吸を実践しております。しかし、この雑な振動呼吸を繰り返しているうちに、段々動きが少なくなってきます。すなわち、本来の火の呼吸に近い、腹筋を動かして全身にはバイブレーションが伝わる程度に落ち着いてくるのです。それと同時に回数も徐々に減ってきます。意識的に体を揺すっている時には立った状態以外では出来るものではない、基本と小山先生の著書に紹介されている座った状態での呼吸さえままなりません。しかし、この方が初心者はやり易いのではないでしょうか?そして、初心者向きの振動呼吸を繰り返すうちに本来の方法に近付く。
いきなり腹筋だけの呼吸をしろといわれても初心者には無理です。やり難いので疲れるから回数も限られてくるし、途中で嫌になります。全身を意識的に揺する方法なら初心者でも楽ですから、最初はこれで勢いをつけ、徐々に腹筋だけに絞り込む、という風にすればいいのではないでしょうか?最も、全身を意識して揺さぶる方法は意外とハードでもあります。やりすぎると次の日、体が動かなくなることもありますので、御注意下さい。やり易いのでついつい回数を増やしてしまいますが、やり過ぎは禁物です。
更に、腹筋だけを動かす呼吸をマスターしたら、今度はより一層絞り込む。これは、前回も書いた成瀬先生に習ったカパーラバーティです。腹筋だけに絞り込んで息を吐くのですが、当然リラックスして、硬くなってはいけない。回数も十回ほどでした。これを習って実践したその夜には、猛烈な頭痛に襲われました。そして、汚い話ですが排便で落ち着いたのです。頭蓋骨にたまった糟が落ちたんでしょうね。まさに頭蓋骨浄化です。何、お前の頭には糞が詰まってたんか、と言われそうですが、実際、頭に限らず全身の老廃物は排泄によって体外に放出されます。垢になって出てくるのは皮膚細胞だけです。
大雑把には全身を揺すって、段々武威を絞り込む--これが無理の無いコースだと自分では思ってます。