ヨガ世なら--アシュタンガ
今回はヨーガについてお話します。
ヨーガといっても流派だとかがいくつもあって特定は難しいのですが、取りあえずは自分の見聞きした範囲でと言う事でご容赦願います。
ラージャヨーガにはアシュタンガと呼ばれる八つの心得が有ります。
ヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)、アーサナ(体位)、プラーナーヤーマ(調気)、プラティヤハーラ(制感)、ダーラナー(凝念)、ディアーナ(静慮)、サマーディ(三昧)の八階梯です。この日本語訳は佐保田鶴治氏の著書から引用いたしました。この八つは段階ではなく、全部平等だと言う人も居ます。成瀬正春先生の著書には、中途半端なサマーディよりもヤマの最初の心得、いの一番にあげられるアヒンサー(非暴力)を徹底する方がよほど難しいと書かれています。まあ、そうでしょうね。自分は料理は全くの素人ですが、お吸い物を極めるのが最高の料理人だとか、フランス料理でも、コンソメスープが極意だとか言われてますよね。ヨーガも最初のアヒンサーを極めるのが奥義だそうで、自分には到底出来ません。成瀬先生によると、完全にアヒンサーを体得すればどのような相手でも敵対心を失うから絶対に安全なはずで、あのマハトマ・ガンジーですら最後は暗殺者に殺されたのだから彼の無抵抗は完全には全うできなかった、と凄いシビアな事が書かれています。無抵抗で殺されたって、アヒンサーの行にはならないのです。生兵法は怪我の元、などと申しますが、中途半端な無抵抗など精神異常のようなもの、無防備さんはさっさと結果を出してこの世からの退場を願います。御自分が穢れた俗世と縁を切って御入寂為されるのは自由ですが、他人に強制しないでください。無防備さんの脳内に真実として、事実として、現実として根深く居座っている強制連行の神話に付き合ってる暇ないんです、実際。
さて、我が師近藤孝洋の著書にはヨガや神秘思想なども引用されており、自分もこの思想にたっぷり影響を受けました。前に、今回の本ではプラティヤハーラを上げているから、今度はダーラナーだろう、と書きましたが--具体的に、どのようにすればダーラナーを達成できるのか、それを考えて見ます。というか、達成するとかしないとか言う前に、ダーラナー、そもそもヨーガやサーンキヤ哲学などのインド思想が武術とどう関わってくるか、ここで考えてみたいと思います。簡単に言えば、騙しみたいなものです。判りやすく解説すると、顔だけヘラヘラ笑いながら相手をバッサリ、まあ、こんな感じ。自分で体も動かさず、春夏秋冬朝昼晩とパソコンにへばり付いてネットでガチりながら、素人の大男がほたえまくるドリフ顔負けのガチな格闘ショーばっかり観ている人には理解できないでしょうがね、事実です。我が師の著書に引用される、老荘思想だとか太極拳経なんかは、凡そ”ガチ”などという語感とは程遠い、脱力の薦めです。そういえば、化勁の事を本場では『ホワ』と発音するそうです。無住心剣の極意書も、大体同じです。陰陽道では、笑う秘術があると教えられました。ハヒフヘホの段の音を発音しながら、相手を一瞬強制的に笑わせて隙を作り、切り殺すのだとか。これを実践しようと思ったら、祝詞だとかで呼吸力を鍛えるらしいですが。
まあ”ガチ”はけいおんにでもお任せして、実際に体動かす我々は少しでも緊張をほぐすことから始めましょう。え?それは言葉だから違うって?実際に体をほぐせば良いだろうって?それこそ体を動かしてない証拠、何ぞ運動してたらまずいやでも自然に緊張します。そして、それをほぐすのに言語による暗示を用いるのはポピュラーなメソッドです。リラクセーションに言葉を用いて、ゆるーく、とか実際に口に出しながら脱力して言うように、ってのもそこ等中で習いました。オタクやなーw