優秀な人間ほど消される--恐るべき中国の歴史
先日、マキノ出版から播磨流陰陽道の尾畑先生が本を出されました。
自分は実はこの先生にも二年ほど習ってまして、陰陽道は中伝まで卒業しました。つまり、播磨御式神内の中級陰陽師なのです。
ただ、この尾畑先生という人、極端に保守的と申しますか、特に中国人に対して異常な偏見を抱いて居るのが困るところです。中国や中国文化、中国人に対して、口を開けば批判、悪口、侮辱、極めつけは、
「人類で最も魂の薄いのが漢民族」
ちょっと待ってくれよ。
そらあまりに極論だよ。
太極拳をたしなみ、はるかな太古に完成された偉大なる中国文明に敬意を抱いている人間からすると、悲しいことです。
確かにマスゴミが如何にも面白おかしく、はーい皆さん、これが中国人ですよ、なんて悪意のこもったアングルから取り上げる、テレビなんかに映ってる抗日豚は中国人の中でも取り分け劣った、それこそ人類で最も劣った部類だとは思いますよ。でも、あれは中国人の中でも選りすぐりの落ちこぼれなんだから、それを指して、漢民族全体の姿だと受け取るのはあまりにひどいですよ。
日本でも、日本は日本人だけのものではない、なんて言動の支離滅裂なルーピーをあげつらって、世界一頭の悪い民族だ、なんて言われたら怒りますよ。尤もあの人、頭が悪いのかどうか判りませんが、口は確かに悪かった。そのた言動のため、頭が悪いというイメージが定着しました。悪口雑言のルーピーも困るが、口だけ達者な能無し太郎もひどかった。そのせいで、今や日本は首相不在の異常な状態ですからね。
しかし、かつての中国とは違い、現在は劣化しているというのも考えられない事は無い。
何せ、中国の歴史は凄まじい殺戮と破壊と過当競争の繰り返しなんですから。単一民族の日本人からすれば信じられないような歴史を経て成立した国家です。異民族戦争が繰り返されたこの大陸においては、優秀な人材から殺されたという歴史が御座います。つまり、種族の違う連中から優秀な人材が出ると、否、同族からですら蹴落とし、始末するというような事が平然と行われてきたんですからね。科挙なんていうのも、その一端です。全く無意味な、訳の判らん試験で意味の無い成績を上げた人間を役人として取り立て、本当に有能な人間が権力を握ることを防いだというシステムにより、無能者が尊敬されるという官僚形態を作り上げた、恐るべき知恵であります。否、なまじ有能な人間が権力を握るとろくな事は無い、という配慮から生まれた、ある意味合理的なシステムです。よって、中国人は自ら有能な遺伝子を消してきたという歴史を持っている。時代が下れば下るほど、劣化するのも当然です。
近年では、毛沢東の文化大革命によって偉人、賢人、知識人や伝統の技能を継承した人たちが数多く殺され、或いは国外に追放されている。毛沢東の政治家としての評価は色々分かれますが、あの広大な中国大陸を纏め上げ、安定させるのにはある程度の荒療治も仕方なかったのかもしれませんが。
余談になりますが、自分が太極拳を習った師匠の老師、つまり、自分から見れば中国風に言うと師公と呼べる先生は、文革を逃れて香港に移り住んだ後、日本に亡命した拳法家です。まあ、こういう日本人にとって御得なこともあるので、本当に一概に評価は出来ませんけどね。