呼吸法 その2
呼吸法に関する第二回目。
自分は随分色々な講習とかセミナーなんかにもオタク的な興味から参加しておりまして、それを自己流に取り入れたりしております。その中には、呼吸法に関する事もありました。
有名なところでは、火の呼吸と言われる、クンダリーニヨーガなんかの講習にも行きました。他にも肥田式強健術も、呼吸が大事であると教わりました。急鍛法において、1kgのダンベルで満足いく発勁が可能となったのは、肥田式強健術の講習で呼吸を限界まで搾り出す訓練を学んだ事が大きかった。
前回も書きましたが、呼吸は人間を含めたあらゆる生物の根本的な生命活動です。よく、究極の選択と称して水と空気とどちらが大事か、などと言いいますが、水だったら暫らくは我慢できても、空気はとまったらすぐに苦しくなります。修行を積んだヨガ行者も、呼吸を止めるのは時間が限られるし、その間普通には行動できませんが、断水ならかなり長い間、通常通りの生活も可能ですし、断食となれば何年も実行している人もいるそうです。つまり、空気、呼吸は生命そのものとイコールなのです。
気功の本に、気功の呼吸法は呼吸を増すのではなく、減らすのが目的である、と書いてありました。心身を落ち着けて、ゆったりとした気分でリラクセーションを行う、そのためには呼吸量が少ない方が脳をはじめとした全身の神経系統が安定するのだそうです。逆に強大な力を出したい時には肺を可能な限り拡張して、意識的に呼吸量を高める。それにより、強制的に酸素の供給が増加した筋肉は本人の意識を逸脱し、自動的に運動量を倍化させる。そういうことです。急鍛法で、最初に胸式呼吸で思い切り息を吸い込むのはこの効果を狙うのです。
自分の場合、呼吸法そのものというより、何か技などの練習に当って呼吸を重視する、という方が正しいです。純粋に呼吸だけに集中する場合、吐き出してしまった後は前回紹介したシュンヤカで、可能な限り息を止めて雑念を追い払ったり、力を抜きます。急鍛法みたいに意識的に息を吸い込んで意図した動作を集中的に強化した後で、息を止めて力みを緩和する、というやり方が主体です。勿論、すぐに止めるのではなしに、しばらくは息が上がっているのが落ち着いてくると、大きく深呼吸を繰り返した後、少しづつ呼吸を静めるわけです。ここまでは普通の運動と同じですが、その後、出来るだけ呼吸量を減らして心身を鎮めるのです。余計なエネルギーを使わないために。
いわゆる火の呼吸も、自分は単純化しています。実際に習った時には、呼吸を激しく繰り返しながら全身にバイブレーションが伝達されるように、と教わりましたが自分はこれを、ただ脱力して体中をゆするのだ、と解釈しました。わかめ体操だとか、ユル体操だとかいって全身をゆする運動が有りますが、あれに呼吸を追加しただけのやり方です。ただボケーっ戸突っ立った状態で(意識は集中してますけど)激しく呼吸を繰り返し、全身がほぐれた後は野口体操みたいに力を抜いてブラブラ体を動かす。
自分の場合、ヨーガのアーサナはポーズが完成した時に、ゆっくりと息を静めてシュンヤカ状態に持ち込むよう、心がけています。ストレッチ体操で始めて、ヨーガの瞑想に近付く、とでも言いましょうか。大袈裟に考えず、ただポーズを取りながら力を抜いて息を静めるのだ、と解釈しておりますが。