表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日々雑感  作者: 晶輪寺零
19/43

秘伝晶輪寺拳法入門   その9 〜『急鍛法』抜刀術編〜

小生が考案した急鍛法、今回は、居合いの抜刀術の応用です。



抜刀術と言うと、腰に差した刀を目にも留まらぬ速さで抜き打ちにする、日本武道の代表的な動作です。

元々、師の近藤は会津自顕流を習っていたそうで、模擬刀なんかで練習してました。そのせいでしょう、太極拳の動作も共通する部分が多いのです。


「それじゃあ、正式な太極拳じゃないのかよ?」


まあ、そうかもしれません。少なくとも、現中国の体育委員会が決めた制定太極拳とは全く違いますね。実用に使えればいいんです。その為に、日本古武道からヨーガ、果てはカルロス・カスタネダの著書なんかを参考にしながら、使える武術を探求してました。



と言うわけで、今回のテーマは抜刀術式の急鍛法です。



使う得物は、大体1m前後の、空洞の鉄パイプです。特別なのは要りません、どこかに捨ててある廃材で良いんです。ただし、勝手に持っていかないように。一応、許可を取ってからでなければ、下手をすると窃盗罪になる恐れも有ります。一時、鉄材価格が高騰してたときなんて、それこそクズ鉄が宝の山でしたから。中身がギッシリ詰まってる奴だと重すぎて振れません。何よりスピードを重視する鍛錬法だからして、重いのは使いません。多分1kg無いと思います。それで結構、何せ片手で振るのですからかなり負担がかかります。もしかしたら、最初は重いのでやってもいいのかもしれませんが。


さて、その鉄パイプを腰溜めに構え、あたかも居合い切りのように準備姿勢。

左に構えたら、右手で握る。ちょうど、左に大小を差した御武家が右手で刀を抜くのと同じです。

パイプの端を右手でしっかりと握り、やや後ろに重心を傾けます。本物の刀だったら浮き舟から始めますが、何せ鉄パイプ、かなり振りづらい。なればこそ、負荷もかかって訓練になります。脚はできるだけ広く、やや足元を開いたくらいで構えます。

そして、呼吸を鎮めてから腰を捻りながら振り切ります。この時、腕は固定してください。絶対に、腕力で振ろうとしないでください。足の踏み込みと腰の回転だけで振ります。腕はその勢いに乗って、自然に動きます。もしも、腕を動かして振ろうとしてもたいして勢いはつきませんし、最悪の場合、手から離れて棒が飛んでいく恐れもあります。そうならない為に、手はしっかりとパイプを握ります。出来たら、テニスのラケットに巻くグリップテープなんかを巻いた方がいいでしょう。なかったら、ビニールテープでもかまいません。出来るだけスィングの速度を出すのが目的ですので、握りの部分はある程度工夫しておいた方がいい。



この訓練は、勿論抜刀術から派生したわけですが、野球なんかにも使えるかもしれません。まあ、実際に野球の練習なんかした事無い自分が言うのは何ですが。右手は左打者、左手の場合は右打者の訓練になる。ただし、野球の微妙な打撃感覚とはまったく違いますよ。あくまで棒振りの力を鍛えるためのモンですから。自分も本職は素手の拳法ですが、鍛錬法としてこのような事を色々工夫しておる訳です。

もしもプロ野球の選手に教えるとしたら、シーズンが終わったら、否、出場する必要がなくなったら即座にこの練習をやって、開幕の3ヶ月ほど前にはスパッとやめてしまうように、と指導しますね。なぜなら、棒振りの基本的な力や速度を養う事がこの練習の目的でありまして、その為には野球に必要な微妙な筋肉が壊れる恐れがあるからです。種目競技の専門筋肉と、動作の根本的な筋肉は少し違うものですから。オフの半分をこの練習に費やして棒振り力とでもいう力を養い、開幕が近付くと野球専門の筋肉を徹底的に鍛える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ