秘伝晶輪寺拳法入門 その7 〜『急鍛法』重心編〜
前回は師匠の書いた著書の簡単な概要をば書きましたが、今回はその中でも紹介した、七星歩と小生の考案した急鍛法の併用法をば書きます。
前に書いた、急鍛法の解説を読み直したんですが、かなり書き足りない部分があるなあ、と実感します。
その最たるものが、足捌き、重心の位置です。
前に書いた、三体式の構えだと、打つ前の構えで前に構えた脚を浮かせ気味に、大体4:6か3:7、否、息を吸い込む時にはもっと大げさに、前に出した足が完全に浮き上がるくらいで立ち、蓄勁します。そして、撃つ瞬間に5:5、否、いっその事0:0くらいで一気に発勁。これを、浮き船とか、不圧式などと呼びます。絶対に、撃つときに重心をどちらかに傾けてはいけません。そんな事をしたら、バランスが崩れて勢いが死にます。
またまた、急鍛法誕生秘話(?)ですが、最初の頃、古本屋で105円で買ったボクシングの教本を参考に、撃った時に重心が6:4になるように、などと書かれていたのを真に受けて脚捌きが狂った事があります。太極拳習ってるのに何でまたそんなモンを、とお思いになられる方もおらられるとは思いますが、習っている内容が、結局、打撃の中身はスピード、要するに発勁だとかは内部の身体操作であって、運動そのものは西洋力学と変わらないと思ったんですよ。それで色々やったんですが、そのためちょっとばかり足踏みしました。
古武術と言うものは、否、全ての人間の動作は、力を最大限に発揮するときは一瞬両足を浮かした状態になります。これは武術に限らず、スポーツでも同じです。なのに、何故ボクシングの本には、重心を前に、などと書かれているのか?簡単です。打った後の感覚を書いているからです。撃つ瞬間に起こる自分の体勢に関して、観察力が欠如しているのです。
プロ野球中継を見ていたときの事です。出ている選手や解説者が誰だった課などはすっかり忘れておりますが、あるピッチャーに対して、彼は重心が前に移るいいフォームだ、などとのたまっておりました。自分は、先に書いたような経験がるので、ホンマかいな、と疑いの目を持ってそのピッチングフォームを観察いたしました。やはり、この解説者は間違っていました。投げる瞬間には、その投手も足元が浮き舟状態だったのです。投げ終わったときに、体重が前のめりになるのが、解説者の言われる良いフォームなのです。それ以来、野球中継のたびにピッチャーのフォームを観察しましたが、矢張りどの投手もおなじです。投げる前、投げた後の姿勢や重心はそれぞれ違えど、投げる瞬間は完全に浮き舟、すなわち両足が均等に、それも浮いたような状態になってました。