表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/145

女子との昼食

三限目の古典で俺が佐野志桜里に当てられた。その際、「可愛い子と付き合い始めた涼更」と言われた。教室中が笑いに包まれる。こういうのが嫌なんだ。俺は言い返さず、教師に聞かれた質問に答える。四限目の授業でも同じように弄られた。


昼休みになり、すぐに屋上に向かう。最悪の展開だ。一言、星峰さんに言ってやりたいが勇気を振り絞り、告白してきたのだ。言うのはやめよう。

屋上の扉を開くと、星峰さんの姿があった。

星峰さんの隣に座る。

「待たせて、ごめん。星峰さん」

「いいよ。涼更君が居てくれるだけで」

「ああ。ありがとう。星峰さんは好きなのある?」

星峰さんは少し頭を傾げて、笑顔で答える。

「えっ。涼更君だよっ」

「そうじゃなくて、趣味だよ。星峰さん」

「ベタだけど、歌を聴いたり本を読んだりだよ」

「そうなんだ。歌は誰の聴くの」

「ハニワとか色々」

「へぇー、同じだね」

彼女は、つぶらな瞳をかがやかせ、顔を近づける。

「気があうね、私たち。今日、デートをしたいの。だめかなぁ」

可愛い声で誘う、彼女。

「きょ、今日か。だ、だめじゃ、ない......な」

しどろもどろになりながら、答える。

「良かった~。近くの喫茶店はだめぇ」

「それはいいけど、夕飯が近いけどいいのか」

「あっああ。それもそうだね、じゃあスタバはどう?」

「スタバに行こうか、放課後に」

「やった~涼更君と一緒」

彼女は笑顔で小さく、ガッツポーズをした。

彼女はずいぶん積極的だった。

彼女は勢いよく立ち上がり、俺の目線に合わせ、可愛く自分のカップ数を教える。

「Dカップだよ、私」

シャツの間から少し胸元が見えた。

視線をそらし、「聞きたくなかった......よ」とこぼす俺。

「私たち、もう恋人なんだから。それに私は涼更君になら触られても──」

「いくらなんでもっ」

「もう食べ終わったし、もどろっ。涼更君」

彼女は、座っていた俺の手をとり走り出す。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ