貸し切りの喫茶店にて2
「......そそっ、そう言えばさ......歌を歌ってるときのあの、綺麗な歌声って小学生や中学生の頃には出せてたの?」
「......えっ?ああぁ~って、何で今その話しなの?まあ、綺麗っていうまでのものじゃ......わりかし、そのくらいから出来てた......けど。星峰さんの歌声の方がよっぽど綺麗だったよ......」
唐突な質問に驚きながらも返答する俺だったが、彼女が膨れっ面になり始め、拗ね始めた。
「そうなん、だ......お世辞は良いって、涼更くん。あんな美声で歌えるなんてびっくりだよ、ほんと......羨ましいぃ」
「お世辞って......ごめん、星峰さん。人前で歌うのはあの時くらいで緊張してたんだけど......」
「そんな様子見せてなかったじゃんっ!」
頬を膨らませながら可愛く怒っている彼女。
すごく可愛すぎるぅ~!
可愛いけど、怒るようなことか?......まあ、可愛いから良いんだけどさぁ~!
「賑やかなところにすみませんが、例の言葉を伺っても?」
イチャイチャしていると、隣から草加部さんが割り込んできて、声を掛けてきた。
思い出したように表情を営業スマイルに切り替え、「トリック・オア・トリート」と発した彼女に俺も従った。
草加部さんが微笑を浮かべながら、俺らにお菓子が詰め込まれた袋を渡してくれた。
「「ありがとうございます!」」
自然と息が合い、お礼を述べる。
どういたしまして、と一言だけ残して、厨房に消えていく彼。
豪華な料理が出てくるまでの間、俺らは何気ない会話を交わした。
去年のように連日投稿できればします。
次話でハロウィン回を終わらせられるように頑張ります...
10万文字を越えるまでお付き合いを何卒宜しくお願いします......
本編より先の未来が多少ではありますが描かれています。すでに目を通した方も完結した際はそちらをもう一度......読んでいただけると嬉しいです。
もう少しの辛抱を...




