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番外編─両親は好きだけど、あることに対して嫌だと感じる

私の両親は、今でも仲良しで喧嘩に発展したとしても遅くて半日過ぎれば、いつものいちゃいちゃを繰り広げるくらいの仲良し夫婦だ。

中学生の頃に不思議に思い、倦怠期ってあったの?と母に訊ねたことがあった。

母は、「倦怠期?なかったかしらねぇ、高校生の頃......あれは倦怠期って言わないかも」と答えてくれた。

そのときの母は、昔の想い出に耽ったような柔らかい表情で遠い地を眺めるような眼差しを窓に向けていた。


両親はとても大好きだ。けれど......あることに対しては嫌だな、と感じてしまう。

両親──特に母の口癖に対して、感じている。小学生に上がる頃からだったと思う。母が、『男の子には気を付けなさい、男の子には気を付けなさい』と言い始めた。小学生低学年の頃になり、男子の話題を話し出すといつもの柔らかい声音が多少硬くなり、「──そうなのねぇ、でも男の子はそういう人ばかりじゃないから気を付けるのよ」と話題を切り上げることが多くなった母。


中学二年に上がったある日の休日、父がリビングで寛いでいたので気になっていたことを訊ねた。

「お父さん、お母さんは何で男子の話しになると顔や声が変わるの?」

「ああぁ......その事か。うぅーん......紅莉には話してなかったか。でもなぁ......香が話してないのを話すのもなぁ......」

父が唸って、話すのを渋り続け20分が経過した頃に母がただいまぁと帰宅した。

リビングに入った母に父が駆け寄り、耳打ちをした。

母が私に近付いて、頭を撫でながら柔らかい声音で、ごめんねと謝り、「そうよね、言わないとわからないよね──」と言って話し始めた。母が話す話しに私は泣いてしまった。泣かずにはいられなかった。私が......私が、母と同じ目に遭えば、私じゃなくとも女性であれば母のようになるはずだ。


そうか......そうだったんだ、と私はふに落ちた。

母が幼い私に買ってきてくれたブレスレットに視線を落とした。


左腕の手首に付けたスターローズクォーツと呼ばれる宝石が埋め込まれたブレスレットを右手で優しく撫でて、母の優しさに包まれたように感じた。


その日以降、私は以前まで抱えていた母の口癖に対して感じた感情は薄れていった。


高校生である私──涼更紅莉は、父のような男子(ひと)に巡り逢えたら、と心の底から想う。

イケメンじゃなくても、体格が良くなかろうとも、口下手であろうと、相手を尊重し、愛してくれるのであればその相手──恋人、パートナーは素敵な人だと。


両親の仲睦まじい様子をみていれば、解ることだ。






**ブレスレットは番外編の小旅行で香が彼女にと買ったお土産です。



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