気になって仕方がない彼女の本性
俺は教室で待たせている星峰さんのもとへと急いでいると一年のフロアの女子トイレの前で女子三人がたむろしていた。
通りすぎる直前に女子の一人──並志野さんが俺に気付き、一緒に下校ができないといった趣旨を告げた。
「すぅくん、寄るとこがあるから香ちゃんと二人で帰ってぇ」
「言っとくよ、また」
「またね。でさ──」
短く返答してから、グループの会話に戻る彼女の表情に違和感を感じたが彼女たちの会話に入り込めるほどの度胸がなく、立ち止まることなく教室へと向かった俺だった。
二人の内の一人の女子は俺のクラスメートで、あとの一人は明るめの茶髪で髪型がショートボブの目付きが鋭い見掛けたことのない女子で、二人と談笑していた並志野。
他人の交友関係をああだこうだと言うのはどうかと思うが、彼女にしては不釣り合い──というか、品行方正なタイプとつるんでいる方がしっくりとくる。
不真面目──ヤンチャにみえてしまう人間との関わりがあることに違和感を感じてしまった。
「担任に呼び出されてたの?」
「担任じゃなくて、先輩に。ごめん、遅くなって。並志野さんが一緒に帰れないって」
「そうなんだ......いいよ、別に」
読んでいた文庫本をとじ、通学鞄に文庫本をしまって立ちあがり、俺の手をとって歩きだした星峰さん。
彼女からほんのり漂う香りは落ち着く。




