不気味に映る色んな表情をみせる友人
文化祭が終わり、一ヶ月が経過し、冬を感じさせる肌寒い風が吹き始めた今日この頃。
教室内でのクラスメートが俺に対する態度もより一層冷え冷えしていた。
菫と親しい柳川と佐野が相変わらず、突っ掛かってくる。
まるで北極に取り残されて、吹雪に見舞われて今にも死にそうなほどの冷たさを感じる。
暖房で暖かいはずの教室がだ。
柳川なんて擦れ違う度に舌打ちは当たり前、呪い殺すかのように「許さない」、「覚えとけ」などの言葉を毎度耳打ちしてくるのだ。
今にもノイローゼになりそうな勢いの現状だ。
菫は風の噂によると文化祭を終え、一ヶ月の間に恋人の繋牝先輩と関係が拗れて、彼とは別れたとか。
詳しい事情は知らない。知ったところで......だ。
俺がノイローゼにならないのは星峰さんとある女子のおかげだ。
他クラスのおかげもあって、誰かしらに圧力を掛けられていないこともあり、献身的に寄り添ってくれる星峰さんと彼女の友人の並志野さんには助けられている。
最近は星峰さんと並志野さんの三人で昼食だったり下校を共にすることが多い。
本日の昼休みもこの三人で昼食を摂った。
放課後。
SHRが終わるとすぐに星峰さんの教室へと足を運び、居づらい教室を後にした俺。
俺を笑顔で迎えてくれた彼女たちには感謝しかない。
俺らは並んで廊下を歩んでいた。
「寒いよねぇ~コンビニでおでん買ってかない?お二人さん」
俺と星峰さんに提案し、誘ってきた。学級委員長気質な雰囲気を纏わせる並志野が校則を破るようなことを口にしたので、多少驚きがあった。
並志野が見せる表情が変わりすぎて、どの表情が彼女の本心なのか不鮮明すぎる。
彼女ほど不気味に映るのはそうそういない。
「そんなこと言い出すタイプなんだ......俺は別に良いけど」
「でも......」
星峰さんは口ごもり、乗り気ではない。
「あれっ、おでんが食べられない?なんてことは......それはないよねぇ~すぅくんが寄っても良いって言ってるんだよ、香ちゃん。悩むことなんてなぁ~いっっ!そうじゃない?香ちゃん」
並志野は俯く彼女に顔を近付けながらひとさし指でつんつんと頬を突っつきながら笑顔を浮かべる。
「う、うん......じゃあ」
星峰さんは校則を破ることに気が引けるようだ。
「コンビニ寄って、ゲーセンで一遊びして帰ろ~!」
片手を宙へと目一杯伸ばしながら、校則を破ることを宣言する並志野に恐怖を感じつつ、校舎を後にしてコンビニへと向かった。




