文化祭編─文化祭三日目1~登校していないと聞かされ
文化祭三日目、登校した俺が教室でスマホを弄っていると息を切らした並志野さんが駆け寄ってきた。
「すぅくんっ!香ちゃんと一緒じゃないの?あの娘がどこに居るか知らない?」
矢継ぎ早に質問を投げ掛けてきた彼女は汗をだらだらとたらし、強張っていた表情を浮かべていた。
「一緒じゃないし、どこに居るか知らないけど。それがどうかした?」
「いくら探しても、見付かんなくてさぁ......連絡しても繋がんないんだよね、一体──」
「繋がらないって言った?今っ」
「そう言ったじゃん」
「そう......今、連絡するから待ってて」
慌てて、彼女に連絡を掛ける俺。
三度かけ直しても、一向に繋がらず柚羽さんに連絡を掛けるとすぐに繋がった。
『もしもしぃ~おはよう、どうしたの?珍しいね』
「星峰さんと連絡取れないんですけど、何かあったんですか?」
『あ、ああ......香なら今部屋で寝てんだよね。昨夜にさぁ急に意識失っちゃって、目を覚まさないんだよね......唸ってんの、時々──』
「そうなんですか......じゃあ、今日は来ないんですよね。そんな状態ってことは」
『いやっ、遅れて行くと思うよ。香にはよっぽどこたえたんだろうね。あの告白を見たらさぁ──』
「──星峰さんをよろしくお願いします」
通話を切って、一通りのことを並志野さんに伝えた。
何か言おうとしたが、何も言わず教室に戻っていった彼女。
つくづく運が悪いよな、俺って。
星峰さんがあの告白を見ていた──なんて俺の性で倒れた──。




