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繋牝東輝
放課後になり、机から教科書などを取り出し鞄に入れる。約半数のクラスメートが残っている。文芸部の顧問である藤原千花先生に文化祭に出す部誌を考えることになったから図書室に向かう俺。
廊下を歩いていると、スマホで音楽を聴いている生徒や掃除をさぼり話にはなをさかせたりしている。
図書室に着いて扉が閉まっていたので開けて入ると二年生の繋牝東輝先輩が椅子に腰をおろして文庫本を読んでいた。
後ろ姿でわかる先輩。
俺は正面の席に座って繋牝先輩に話し掛ける。
「先輩。先輩に好意を寄せてる奴がいるんですけど、先輩って彼女とかいますか」
パタン、スーと音がしてから答えてくれる。
読んでいた本を閉じ机に置く先輩。
「いないよ」
静かな声で答える。
「どういう娘が好きですか」
「元気な娘がいいかな。楽しませてくれる娘がいい」
「意外です。先輩の好みにぴったりな奴で紹介しましょうか」
「いいの。都合があう日に」
「分かりました。じゃあ都合の合う日に」
ちょうど話が終わったと同時にガラガラと扉が開いて、三年生や他の部員も来て先生が最後に来て集まり10分で解散となった。