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文化祭編─文化祭一日目6~文化祭初日を終えた気分は──

文化祭、一日目を終え、後片付けを終えた俺が教室を出ると菫が壁に寄り掛かっているのに気付く。

嘉納さんを昇降口で待たせているのだし、彼女との関係など修復不可能なんだから、と彼女の前を通り過ぎた直後に声を掛けられた。

「......コッウ、ぅぅ......っと......」

控えめで小さく呟いた菫の声に、思わず足をとめてしまう。

「......」

どう返したら、これ以上辛い気持ちに押し潰されずに済むのか、未だに分からないでいる俺は暗くじめじめした沼に足を浸かっているように感じ、言葉が出てこない。


あの頃の菫──三条菫と重なり、何が正しくて、何が間違いなのか、ぐちゃぐちゃになっている脳内では答えが導き出されない。


「ぇぇ......と、ぉぉ......」


「──ん。......めん、ごめんね。......コウ、私ぃ......ぐすっ、うぅっ......ごめんね、こんなつもっ......」


菫の口から出た謝罪は、俺の体内を黒々と濁りきった染みが広がっていくような、何とも言えない感情にさせてきた。

この場から離れたいのに、足がびくともしない。


泣きじゃくる彼女の姿が──ようで、あの日のように俺が──であれば、と。


歩み寄ろうと──寄り添おうと、菫がこれほどまで──俺のことを──。


「──したの?──ちゃん、──たの?」


どこからか聞き馴染みのある声が聴こえてきた。

菫の泣き声にまじって、星峰さんとは違うけれど、別の安心感を感じる声が──


「コウちゃんっ!行こっ、もう帰ろっ」


嘉納さんの声だった。嘉納さんは、俺の手をとって昇降口まで走った。


昇降口を抜け、膝に手をつき、息を切らした彼女──嘉納夏乃は俺にこう言う。


──私がいるよ、コウちゃん。


俺は、嘉納さんのこの一言に救われたような気がした。


──いや、救われた。


文化祭、初日の最後が──なんて、なんとまあ結末が不安になってしまう。


文化祭一日目、これで終わりです。


変な終わりかたですが、まあこんな感じです。


文化祭二日目の始まりは、どうなんでしょうか?


菫も菫なりに考えがあってのことです。

どうにかしたいとは思っています、菫も。

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