文化祭編─*最低な幼馴染み
楽しみにしていた文化祭が、一気に詰まらない学校行事になってしまった。
私のせいで──
彼の冷たい態度が脆い精神にこたえてきて、勇気なんて振り絞れない惨めな私にしては頑張った方で声を掛けた。
あの日は──あの日も怖かった。昔とは違う鋭い目付きにビビりながら、なんとか幼馴染みの涼更鴻汰に聞きたいことを聞けた。
気になっていたことを──心配だったことを、訊聞けた。(誤字ではない、表記の統一)
返答が返されないかと思っていたけれど、あの日は返ってきた。
涼更鴻汰──コウの口から溢れだした想いの丈が。
コウのあの最後の想いが詰まった言葉を聴いて、私は謝ることしか出来なかった。
薄々解ってはいた......よ、だけど──
だけど、私はコウの想いに応えられる人間ではないことを理解していた。
昔から数えられない程、涼更鴻汰に助けられ──救われてきた弱く脆い私のくせして、コウの想いを踏みにじってきた。
私が全面的に悪いなんて、解りきっているのに......コウは悪くないのに。
昔のような関係には戻れないのは解っている、解っているけれど、最低な幼馴染みである弱く醜い私には勇気なんて......
最低だな......私。
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あの娘といる方が幸せそうだな......コウ。
三条菫は、教室を出ていくコウと隣を歩くクラスメートの女子を羨ましそうに見つめた。
お化け屋敷に行くのかな、二人で......