文化祭編─意外な二人の関係性は?
俺は、自販機の前で何を飲もうか悩んでいた。
落ち着いた低い声が聞こえ、振り向いた。
「どうしたの、涼更君?」
「えっ。いや、何でもないです。宮地先輩」
「そうは見えないけど。落ち込んでいるように見えたけど、何か助けになれるかな?」
「まあ。宮地先輩にも無理だと思うので大丈夫です」
「そうなんだ......私にできることがあれば言ってね。悪いけど、先に買いたいんだけど......」
申し訳なさそうに自販機に目線を移した。
「ごめんなさい。はい」
俺は、自販機の前を彼女を譲る。
彼女は、小さく頭をさげて、小銭を投入して、ボタンを押して、ガタンと音をたてて落ちてきたペットボトルを取り出した。
彼女は、俺に向き直り、話し始めた。
「私のクラスの出し物はさ──」
会話が5分経過したときに、親友の声が遠くから聞こえた。
俺らに駆け寄ってきた篤生が驚きの声をあげた。
「あれっコウじゃん、おはよう。それと悠美先輩も......うえぇっーー!もう仲良かったの、コウ達って?」
「三鷹君、おはよう。この前はありがとうね。まだまだだよ、涼更君には一回振られたの」
「あっ君、もう仲良かったってどういうこと?宮地先輩とはどんな関係なの?」
「いいですよ、あれなら簡単でしたから。そりゃ、そうか。小さいこと気にすんなよ、コウ。前に悠美先輩と肩がぶつかって色々あったんだよ、普通に話す間柄ってだけだよ。てか、今日のコウ暗いな。彼女となんかあったのか?」
「今から会いに行くんだよ。あっちでちょっとて感じ......だよ」
「やっぱり、三条か。そりゃ納得したよ。もがいて足掻いて、どうにかしろよ。コウ」
「できたら、こんなにも悩んでないよ」
「何でも言えよ、できることがあれば手助けするからよっ」
彼が、俺の肩に手を置いて頼もしい言葉を投げ掛けてくれた。
「ありがとう、あっ君......」
「私、戻るね。涼更君、三鷹君」
「俺も戻るから一緒に行こっ、悠美先輩」
二人は楽しそうに去っていく。
俺は、自販機で、レモンティーを選び、ペットボトルを掴んで歩きだした。
星峰さんのクラスの教室の前に来たら賑やかな声が聞こえてきて、羨ましく感じてしまう。
俺が、教室に足を踏み入れた瞬間、純白のドレスに身を包んだ星峰さんが視界に入り、思わず立ち止まり、呼吸をするのを忘れてしまう。
「とても、綺麗......」
いつの間にか、声に出てしまっていた。
「涼更くん、何でいるの?えっえっえ、ちょっと何なの?すずさっ──」
俺は、とめどなく溢れだした、想いが抑えきれなくなり、彼女を抱き締めた。
絡まりあった多くの感情に胸が張り裂けそうだったのが彼女の美しいドレス姿に──なる。
「どうしたの、何かあった?」
彼女は、困惑しながらも涼更の背中に腕を回して、抱き締め返した。
教室内は、歓声があがり、口笛が鳴りやまない。




