三鷹篤生
休み時間の合間にちょくちょく菫に話しかけられるがうわのそらで聞いていた俺。
話す気はなかったが、うんやああで答えていた。そらそうだ。昨日振られたのにこちらの気持ちを知らずに。
昼休みになりあっ君が教室に来た。
俺の席の前に来て、
「屋上に行こうぜ。コウ」
そう誘われて、昼飯を持って一緒に屋上に向かう。
屋上の扉を開けて屋上に出る。
並んでベンチに座る。
弁当箱を開けて昼飯を食べ始める俺とあっ君。
彼は、三鷹篤生。彼とはクラスが違うが中学からの友達で長身長に体つきがよくて顔立ちもいい。
当然、先輩にモテる奴。カッコいい。
「昨日、菫に告ったんだ。そして振られた」
俺は項垂れながら言うと肩を叩いて励ましてくれた。
「一回振られただけで他の人がいるかもしれねーよ。頑張れよ、コウ」
「あっ君はモテるからそう言うけど俺は心が折れたんだよ」
「でも三条はいつも通りだったじゃねーか」
「俺の気持ちが分からないんだよ菫は」
俺たちは昼飯を食べ終わり屋上を後にする。
放課後になり、あっ君と帰ろうと誘いに行くため教室を出ようと扉から廊下に行こうとすると菫が目の前にいて、顔は俯いていた。
小声で、
「ちょっと、いい...」
といい、人指し指と人指し指をぐるぐる回して、
大声で叫ぶ。
「私、好きな人がいるの。コウ、手伝ってくれない」
俺が振られたヤツの恋のキューピットをしろだと!
俺の気持ちを考えろよーー!