文化祭編─始業式
二学期の始業式の日。
俺が校門を通り抜けると、後ろからクラスメートが挨拶をしてきて隣を歩く。
「はよー、スラちゃん。本日も彼女とイチャイチャして、デートの予定があるとか?」
「ああ、竹光か。おはよう。本日も、っていうか毎日そうじゃねーよ。今度言ったら張り倒すぞっ」
イラつくトーンと弄りをしてくるサイドの髪を刈り上げ、短髪の竹光に睨み付ける俺。
「悪かったよ、その目やめてくれよ。マジでやられそう。冗談だってぇ。機嫌悪すぎだよ、いつもの雰囲気をねぇ──」
少し怯えている竹光をよそに、低い声のまま言う。
「その弄りはあきたんだよ。ウザいの。いい加減やめろよな。やるわけないだろ、人生を棒にふるようなまねしねぇって。テンション駄々下がりだ」
「悪かった、教室で」
笑顔が消え、走り去っていく竹光。
また言われそうだ。あれこれ。
教室に入ると佐野志桜里が声をかけてきた。
面倒だなぁ。
「張り倒すとか言ったんでしょ、竹光に。怖いよ、涼更。謝んなよ」
もう言ったのかよ、最悪だ。
「怖いのはそっちだよ。謝るから、言いふらさないでくれない?」
「言わないよ。私が怖い?ははっ」
乾いた笑いをあげる彼女。
自分の席に戻っていく彼女。
机に突っ伏している竹光に謝って一言残し、俺は、席に向かい、椅子に座る。
効果ありすぎだろ。
体育館で始業式が行われ、一時間ほどで終わり、教室に戻ると授業が始まる。
このクラスの居心地は悪い。




